最果志向 ~放浪家坂木さんの足跡~

この数十年の放浪履歴を元に思ったこと・感じたことなどを訪問者の目線で綴る『旅エッセイ』ブログ。たまに自作の音楽の紹介。

【坂木より】
2016年6月2日開設。現状一日1~2記事の更新です。皆様と『最果(さいはて)志向』と『漂泊の思い』を共有できれば幸いです。たまに昔作った音楽も公開しています。

天王山の旗立松

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 天王山といえば、まず思い浮かぶのは『天下分け目』『山崎の合戦』ではないかと思う。

 本能寺の変で織田信長を討った明智光秀が、いち早く中国地方遠征から京都に軍を返してきた羽柴秀吉の軍を、山崎で迎え撃った戦いである。

 以下の近代の地図で見てもわかるが、山崎は西から迫り出している天王山と淀川とに挟まれた要所である。西国からやってくるとたいてい通ることになる京都の玄関口と言っても良い。この地峡のような場所を抜けると、京の都までは地形的に阻むものはない。


 この天王山を征することが戦いの勝敗を決すると言えるのは、戦術の素人が見ても一目瞭然であろう。

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 実際、天王山を征した羽柴秀吉が戦いに勝利することになるわけだが、この戦いで羽柴軍が旗を掲げた松が山の中腹あたりに残っている。先に山を征した秀吉が見晴らしの良いこの松に軍旗を掲げさせることで士気は大いに高揚し、山を駆け降りる勢いに乗って明智軍を打ち破った、とされている。

 ただし当時の松は数百年は保たれていたものの明治時代には枯死してしまったとのことで、現在の松はその後に何度か植樹されたものである。

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 その逸話や松の位置が史実と一致しているかどうかはわからないが、もし本当だとすれば山裾からも見える見晴らしの良い場所のはずである。そして、この松のそばには小さな展望台があり、松に登ったときに見えたであろう光景がわかる。

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 絶景、とは言えないが、山崎の街や淀川が一望できる。向こうに見えるのは男山だ。

 なるほど、ここからなら羽柴軍が眼下に広がり、ここで大きな旗を掲げたなら羽柴軍が陣取っていた辺りからは見えると思う。

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 すぐそばに、ひょうたんの形をした絵馬のようなものを掛けるところがあった。もちろん秀吉の旗印である千成びょうたんをあしらったものであろう。


 ちなみにここは山頂やその付近というわけでなない。ちょうど山崎から登ってきて、中間地点より少し上、くらいだろうか。

 歴史で習って知ってはいても、実際に行ってみたり感じたりしてみないとわからないことは多い。そもそも思い付きや推論は単なる仮説であって、実地検証などで証拠や論拠を集めないと学説には到達しないのだろうと思っている。

【写真】2017年4月~2018年7月(何度も登っているので…)
【文章】2019年8月
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北方原生花園

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 北海道の気ままなドライブ旅で、ちょうど本土最東端の根室の納沙布岬を訪れ、そこから海に沿って知床や羅臼の方面に向かって走り始めたのだが、少し進んだところで『原生花園』の文字を見つけたので車を止めてみた。

 原生花園とは、手付かずの自然の状態でもたくさんの花が咲く湿地帯や草原地帯のことで、特に道東から道北にかけてのオホーツク海沿岸に多く分布している。私が子供の頃に行ったことがある小清水の原生花園が特に有名で人も多かった記憶があるが、この北方原生花園は土産物屋も観光施設もなく、観光客もほとんど立ち寄らないようだった。

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 たくさんのポニーたちが、のんびりと草を食んでいた。

 今から思うと残念なことだが、当時はあまり生物学、つまり動物や植物にはあまり興味もなかったので、緑が鮮やかで綺麗だとか、長閑で良いだとか、そういうレベルでしか捉えていなかった。

 今だったらもっと違う見方ができるのだろうな、と思う。知ることは次なる知識への好奇心を産むのだが、森羅万象を知り尽くすには人生は短すぎる。

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 とはいえ、何も考えずにこんなところをゆっくり散歩してみるのも悪くない。

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 向こうは海。手前の黒い車は当時の愛車、インプレッサ。

 いいよね、北海道。
 いいよね、道東。

【写真】2004年8月
【文章】2019年8月
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夜明けのハジャイ駅

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 以前にも書いたことがあったかも知れないが、周辺国と比べてもタイの地方都市の朝は早いと思う。空も暗いうちから、大通りには車が走り出し、大きな市場や寺院の門前町などには朝市が立つ。托鉢の僧侶たちと彼らにお布施をするために道端で待つ人々もたくさん見かける。

 タイの地方都市の駅は結構ひっそりとしている。タイ国鉄は基本的に通勤通学などに使うコミュータートレインではなく、長距離輸送専門であるからだ。数少ない列車の発着時だけは喧騒に包まれるが、それが収まるとすぐに静かな駅に戻る。

 私は旅先では国内外問わず、しばしば早朝散歩をする。人が少ない中ゆっくり歩けたり、昼間とは違った表情を見せたりする。ハジャイ駅も、なんだか絵本の世界に迷い込んだような、不思議な光景だった。完全に明るくなる前の時間帯だけのものだ。

 そもそもタイの地方都市の夜は早い。無理に夜遊びスポットを探して飲み歩くよりは、早めに寝て朝に街歩きをするほうが、放浪旅行者としてはお勧めだと思う。もちろん旅に求めるものは人それぞれであるので一概には言えないが、街の色々な表情を見るのが楽しいと思うような人はきっと早寝早起きが良い。健康的でもあるし、旅の時間の使い方がかなり楽になる。

【写真】2018年11月
【文章】2019年8月
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1997年ロンドン ナイツブリッジ周辺

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 1997年の夏、私はロンドンに居た。初の渡欧だった。

 当時の私は大学を卒業して就職後数か月の社会人一年生だったが、英語力はそりゃあひどいものだった。TOEICで言えば300点程度、会話は今の高校生の方がよっぽどできると思う。そんな私がなぜか旅先にイギリスを選んだのは、ミュージカルのCATSをオリジナルで見たかったのと、美味しい紅茶を求めてのことだったが、この話は別の記事でも書いているので、ここでは割愛しておこう。

 とはいえ、ロンドンの人々は私のつたない英語でも、和やかにわかるまで聞いてくれたように思う。後にアメリカに何度か訪れることになるが、同じ英語の国ということでアメリカと比較してもロンドンの人は比較的ノンネイティブに対して辛抱強く寛容だった印象がある。もちろん昔の話であるし、私個人が接した範囲でしかないことは承知している。


 ただそういったイメージや感触は覚えているものの、行った場所やその多くの光景は残念ながら時と共に記憶から消え去りつつある。デジカメもなかった当時ではカメラや写真は高価なもので、旅の備忘録的に手当たり次第スナップ写真や食べ物等を撮るという感覚はなかった。故に、昔の旅の写真を見返してみてもありきたりの観光名所の写真、あるいは変わったポーズをして撮ったポートレートとも呼べない代物ばかりが残っているのだ。これはたぶん私だけの話ではなく、古くから旅をしている人の『あるある』として、よく出てくる話だ。

 そんな中でも、たまに街角のスナップが紛れていることがある。銀塩カメラの時代の写真は、GPS情報はおろか、前後の繋がりやタイムスタンプもないので、どこで撮ったのか、何が琴線に触れて写真を残したのか、覚えていないことも多々ある。

 上の写真も紛れていた街角のスナップである。ただしなんとなく場所には覚えがあった。たしかロンドン塔に行ったあと、路上でバスに飛び乗って、降りた辺りだったような記憶がかすかに残っている。ただこの写真は8月12日の最後の写真で、この次にどこに行ったのかは覚えていない。もしかしたら投宿していたのがこの近くだったかも知れない。

 なんとなく覚えている周辺をgoogle mapやストリートビューで探ってみると、案外簡単にたどり着けてしまった。店などはすべて変わってしまっているが、道路左側に並ぶ建物の形が完全に一致するので間違いないはずだ。チューブのナイツブリッジ駅付近だった。



 ストリートビューでは撮影時期を変えてみることも可能だ。左側の建物に国旗がかかっているのが何十年も変わっていないのも、なんだかイギリスらしく思えたりする。

【写真】1997年8月
【文章】2019年8月

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杭州西湖の西側にある小さな禅寺『永福禅寺』

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 杭州といえば風光明媚な西湖が有名であるが、その西側の湖畔に灵隐寺(霊隠寺)という名刹がある。大きな寺院で見ごたえもあり、人も多い。

 その灵隐寺の脇に、永福禅寺という小さな禅寺がある。開山から1600年の古刹とのことだが、観光客で混みあっている灵隐寺とは異なり、訪れる人は少ないようだ。少なくとも私が訪れた時には、ここまで足を伸ばしている人はほとんどいなかった。ただしこれも10年以上前の話だ。今は変わっているかも知れない。

 なぜか入口に竹ぼうきが立てかけられているのは、なにか意味があるのだろうか。いや、恐らくないだろう。

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 小さな禅寺と書いたが、それは灵隐寺に比べれば、というだけで、境内は結構広い。中に入るにつれてゆるやかに登っていくことになる。訪れた時は真夏のかなり暑い日だったので少し閉口した。

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 境内はよく手入れされているようだった。他に人もいなかったので、風の声や鳥の囁き、あるいは虫や蛙などの鳴き声などの自然の音だけが聞こえる。禅寺らしい良い雰囲気だ。

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 境内にはいくつかの伽藍が点在しており、お釈迦様や観音様などが祀られている。自然の声に耳を傾けつつ、ゆるりと巡ってみるのも良いと思う。

【写真】2008年8月
【文章】2019年8月


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プロフィール
管理人:坂木
ただ行けるところまで行ってみたい。何もなくても構わない。何もないことを見に行く。そんな性癖を勝手に最果(さいはて)志向と名付けた。
職業は会社員。休みのたびにあてもなくフラリ旅に出てしまう。



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    2016/6/2開設