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 朝のパークセーの市場を散策して、傍らの食堂で朝食をとっている時だった。オンボロバスが主流だったラオスにしては珍しく、綺麗な観光バスタイプのバスが広場に入ってきた。
 
 何気なしに見ていたのだが、車体の側面に書かれている大きくハングルが目に入った。韓国で使われたものが中古で流れてきたのだろう。ペイントしなおさずに、そのまま使用しているようだ。車体や乗降口の扉にはハングルが書かれており、扉の横には電話番号らしき数字まで残っている。

 窓に書いている赤色と黄色の文字はラオスの文字だ。後からステッカーを貼ったのだろう。

 たしかラオスでは昔から日本の中古バスも多く走っていた。だが日本は左側通行の国で、ラオスは右側通行である。つまりハンドル位置や乗降口が本来とは逆になってしまうのだ。昔は日本のものを改造もせずに使っていることも多かったようだ。

 しかし21世紀に入って、中国や韓国製の中古バスも安価で市場に出回るようになると、ラオスにも流れるようになった。中国や韓国は右側通行なので、改造無しに本来のハンドル位置や乗降口のまま使えるのはメリットがあるのは容易にわかる。

【写真】2005年8月
【文章】2006年4月  2016年6月、2018年2月一部修正
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