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 日本統治時代にはガランビと呼ばれていた台湾最南端の岬、鵝鑾鼻(ウォーランビ)。ここには美しい白亜の灯台がある。

 はじめに清国がこの地に灯台を作ったが、撤退するときに壊した。その後、日本軍が再建したが、第二次世界大戦で米軍に破壊され、現在の灯台は戦後に再建されたものだそうだ。

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 灯台の周囲は熱帯植物が茂る公園となっていた。照り付ける南国の太陽と青空に南国の植物の色濃い緑が鮮やかなのが印象的だった。

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 公園内には台湾八景の碑も立っていた。台湾八景は日本統治時代に指定されたもののはずであるので、もしかしたらこの碑も古くに建てられたものなのかも知れない。


 ところで、日本でも『鼻』という字がつく地名は西日本を中心に多く見られる。

 もともと日本語の『ハナ』という音は飛び出している先端を指す言葉で、漢字では端や鼻を当てた。人間の鼻も顔から飛び出している端っこの部分である。この地名の鼻も、人間の顔になぞらえて海に飛び出した陸の端、ということであろう。

 この『鼻』がつく地名は上述の通り、西日本、特に九州から四国・中国地方にかけて圧倒的に多い。つまり岬の先端のことを鼻と呼ぶのは、少なくとも日本においては九州あたりが起源であろうことは推察できる。近畿以東が起源であれば、中部や東海にも伝わっているほうが自然だからだ。

 ところで日本語の漢字の読みには、字に付加されてきた中国由来の音(いわゆる音読み)と、古代に南の海を伝って来たとされる古来の音(いわゆる訓読み)があるのはご存知の通り。そして日本で『鼻』がつく地名は訓読みで「~はな」と呼ぶものがほとんどで、ビと読むものはあまりない。これは上述の端と鼻の音のルーツが同じ、ということと一致する

 では岬の先端のことを鼻と名付けるのが西日本が起源なのであると仮定すると、この台湾の鵝鑾鼻の地名は、日本の『鼻』と呼ぶ地名の命名方法が伝わったということになる。もちろん鵝鑾鼻という名が日本統治時代についた地名であれば頷けるのだが、どうもそうでもないらしい。ただし北海道の地名に多いアイヌ語の当て字と同様に『鵝鑾』は台湾の原住民の言葉の当て字らしいことはわかったが、鼻と呼ぶのが元々の中国由来なのかはわからなかった。

 中国語のサイトの説明でも、鵝鑾鼻の『鼻』が、地形を顔になぞらえて鼻と言うことは書かれていた。だが、もし岬の先端を『鼻』と呼ぶのが中国起源だとすると、日本の『鼻』がつく地名も「ビ」と読まれるべきで、そもそも鼻と端の音のルーツが同じ、というのも矛盾してくるような気がする。

 文章がまとまっていなくてすみません。どなたか詳しい方がいらっしゃったら、教えてください。

【写真】2011年8月
【文章】2016年6月
【修正】2020年9月

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