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 写真は台湾南部の墾丁の街。このあたりは台湾屈指のリゾートタウンでもある。南の海岸沿いにはリゾートホテルが並ぶ。

 このときは、墾丁の街で台湾最南端の鵝鑾鼻に行くバスを待っていた。ターミナルではなく道端のバス停なので、屋根などはない。だが、日差しを浴びていると、もはや暑いというよりは痛い。

 時期は8月、時間はほぼ正午、場所は台湾南部。この意味することは、太陽は南ではなく、ほぼ真上にあるということだ。写真の車の影をご覧いただけるだろうか。影は真下にしかない。自分の影も伸びず、足元に小さくできるだけだ。つまり屋根がない限り、建物のすぐわきに立っても、ほとんど影に入ることはできない、ということである。

 北回帰線より北側に住んでおり、太陽の通る道=赤道、と習っている日本人にとっては、太陽はいつでも赤道を通っているような印象がある。だが実際に赤道上を太陽を通るのは1年間に2回、春分と秋分だけである。

 春分に赤道上にある太陽の通り道は、夏が近づくにつれて北上し、夏至の日には北緯23度ちょっとの付近、すなわち北回帰線上にある。夏から秋にかけて、太陽の通り道は南下し、秋分に赤道に戻る。

 つまり、赤道と北回帰線の間にある地域は、春から夏にかけて1回、夏から秋にかけて1回、太陽が正午に真上になる時期が来ることになる。

 そして北回帰線は、台湾の中央よりやや南寄りの嘉義や花蓮県の瑞穂付近を通る。台湾最南に位置する墾丁では、夏至の前後に太陽が真上に来る時期が2回ある、ということだ。

 細かい理屈や厳密な計算はともかく、台湾南部の高雄や墾丁、台東等では、5月~8月くらいのお昼頃はほぼ真上から太陽が差す感覚である。

【写真】2011年8月
【文章】2016年6月
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