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 ドリアンは『果物の王様』と称されるが、それに対し『果物の女王』と称されるのがマンゴスチンである。タイ語ではマンクットと呼ばれる。(最後のトはほとんど発音しない)

 赤黒い分厚い皮は、見た目ほど固くないので手でも剥ける。中からは房状の白く柔らかい果実が現れる。ただし劣化していると半透明で黄色がかったゼリー状の果実になる。

 果物にしては珍しく、時間経過とともに皮が硬化していく。その厚い皮ゆえに長持ちしそうな気がするが、実は劣化しやすく賞味期間は短い上、中身の状態の確認もできない。故に日本ではほとんど見られないし、売っていても1個数百円したりする。

 柔らかくふんわりした食感と、南国フルーツの強い甘み、それに加えて絶妙でさわやかな酸味。上品な舌触りと味わいはまさに女王と呼ばれるだけのことはあると思う。ローンコーンもそうだが、ストレートに甘いものよりも、若干の酸味が加わるほうが私の好みらしい。

 ちなみにこの赤い果皮、染料としても使われるほどのもので、周囲を汚してしまうことには注意したほうがよい。服などにつくと、簡単に落ちない。ホテルによっては調度品などの汚れ防止のため、ドリアン持ち込み禁止と同じく、マンゴスチン持ち込みを禁止しているところもある。

【写真】2007年5月
【文章】2016年7月
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