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 室戸岬に立っている土佐藩の幕末の志士、中岡慎太郎の像。

 人物については皆さんご存知だと思うし、詳細はネット上にいくらでも情報があるのであまり詳しくは語らない。長州の奇兵隊をモデルにして坂本龍馬の海援隊と対になる陸援隊を組織したことや倒幕同盟成立に尽力した人物であることは有名である。近江屋事件で龍馬とともに襲撃され、30歳の若さでその生涯を終えている。

 坂本龍馬の相棒として言われることもあり、この室戸岬の中岡慎太郎像と桂浜の坂本龍馬像は向き合って立っている、という都市伝説も有名である。しかし、これは事実ではないということもまた同じくらい有名だと思う。

 現代の日本は、彼らの目にはどう映るのだろうか。その視線の先には何が見えるのだろうか。

 そういえば2015年秋だったかと思うが、漫画作品『サムライ先生』がドラマ化された。この作品には中岡慎太郎は出てこないが、同じ土佐の志士である武市半平太が現代にタイムトリップして、という話である。同じくタイムトリップしてきた坂本龍馬も登場し展開していく。ネタバレになるのであまり詳しくは語らないが、彼ら幕末の志士には現代の日本がどう見えるのか、という問いへの一つの仮説が提示されており、そういう観点では中々面白かった。もちろんエンターテイメント用の創作であるので、そんなにお固く構える必要はない。

 若かりし彼らが、単に好奇心や野心で行動したのか、それとも日本の将来を作るという大志を抱いていたのか、それは正直わからない。ただ後者であったとすると、今の日本は彼らの目にはどう見えるのか、やはり聞いてみたい気がするのだ。

【写真】2001年8月(たぶん)
【文章】2016年8月
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