ppp

 台湾の新幹線は高鐡と呼ばれているが、車内では高鐡便當(高鉄弁当)なるものが売られている。値段も日本円にして400円しない程度だから高くはないが、それでも台湾で一般的に売られている弁当と比べると高めだ。

 上り線と下り線とで2種類ずつ販売されているようだ。ただ、鉄道や道路で『上り・下り』と表現するのは、少なくとも私は日本以外は知らない。台湾の新幹線は南北を結んでいるため、北行・南行と表示されていた。

 ちなみに日本の上り下りの表現については、幼い頃、京都人である母からは、天皇さんが居はるところ=高いところ、すなわち天皇さんのお住まいである都へ向かうのは上がる、都を後にするのは下がる、と言うのだと教わった。(京都人は良く『天皇さん』と言うが、別に不敬なわけではなく、昔からの一種の親しみも込めた文化なのだと思う。)
 京都では今でも、御所のある北へ向かうのは上がる、南へ向かうのは下がる、と表現する。また私見ではあるが、『参上する』という謙譲語も一例として、敬意を表す方へ向かうのはやはり上がるという表現が自然に使われてきたのであろうと思われる。

 ところで、以前にも書いたが、やはり台湾の弁当の印象は茶色、というのが、メニューの写真を一見しただけでもおわかり頂けるかと思う。日本のお弁当のほうが総じて鮮やかな彩りだとは思う。中華料理は味、和食は見た目、朝鮮料理は量、で味わうという意味合いの言葉を聞いたことがあるが、日本のお弁当もまた日本人が思っている以上に見た目重視なのかも知れない。

【写真】2008年12月
【文章】2016年9月
にほんブログ村 旅行ブログへ