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 タイのサムットソンクラーン県にあった郊外型の大きなディスカウントスーパー。タイではバンコク中心部を除くと、21世紀に入ってからでも昔ながらの市場の風景を見ることも多かったが、バンコク周辺はもちろん、地方都市に於いても、徐々に大きなスーパーマーケットが増えてきている。いずれは、昔ながらの市場も衰退していくのであろうと思う。

 写真中央部、緑文字の下の行にWE SELL FOR LESSと書いてある。確かウォルマートが初めに打ち出したキャッチフレーズと同じだったはずだ。つまり、世界中で見られるようなディスカウントスーパーです、ということなのであろうと思った。

 思えば、1970年代までは日本でもまだ昔ながらの市場の風景は各地に見られたように思う。だが、大型のスーパーマーケットやコンビニの発展などにより、そういった風景は徐々に無くなっていった。シャッター商店街の問題も、各地で聞かれるようになって久しい。

 綺麗だし、安心感もあるし、安いものも多いし、交渉の手間もない。だが、個人商店や市場で感じる独特の活気や雰囲気、生活感、というものは希薄になると思う。自然の流れではあると思うが、旅行者としては、どこに行っても同じ風景になってしまうことが、少し寂しくもあるのだ。もちろんそんな旅行者のエゴみたいなものは、生活を営む者にとっては、まったくもって関係のない話である。

【写真】2007年5月
【文章】2016年12月
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