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 日本でアメリカとの戦争が終わったのは1945年(昭和20年)であるが、終戦後沖縄はアメリカによって占領され、日本に返還されたのはその27年も後の1972年(昭和47年)のことである。私が物心ついたころにはすでに返還後だったが、私より上の世代では返還時を記憶に残しておられる方々も大勢いらっしゃると思う。

 アメリカが沖縄を占領していた時代、沖縄最北の村である国頭村(くにがみそん)と、北東数十キロの沖合に浮かぶ鹿児島県最南の島・与論島との間で、年に一回だけ交流集会が開かれていたそうだ。

 本土から沖縄に行くのも、沖縄から本土に行くのも、パスポートが必要な時代だった。交流集会はちょうど沖縄最北の辺戸岬(へどみさき)と与論島との間、北緯27度の海上で開かれたのだという。

 この友好の証として、沖縄の辺戸岬には『ヨロン島・国頭村友好のきずな』と題した白い鳥の記念碑が建てられている。今は自由に行き来できる世となったが、時代や環境が変遷していく中でも、人々の想いはこうして受け継がれていくのであろう。

yoron
地図はGoogle Mapより


【写真】2010年12月
【文章】2017年1月
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