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 こちらは北京の天安門広場のすぐそばにある国の博物館の入口付近。

 人間のサイズと比べて頂ければわかるかと思うが、寸法を間違えて10倍にして作ったんじゃないか、と思えるような、巨人サイズに見える。むしろ人間が小さすぎるようにも見える。旅行者がブロブディンナグに迷い込んだみたいだ。
※ブロブディンナグ=ガリバー旅行記に登場する巨人の国

 昔はどうだったかわからないが、少なくとも近代中国の国家的な建物は、こういった感じの『巨人向けに寸法を間違えた系(と私が勝手に付けた)』の馬鹿デカいものが多いような気がする。国家的な威厳や権威を見せつけるための手法の一つなのだろうと解釈している。

 確かになかなか凄い迫力で、圧倒されるような感じがある。『大きい』あるいは『広い』ということは、単に迫力があるというだけでなく、それを作れるだけの財力や権力の象徴でもある。

 広大な屋敷はたくさんあったとは思うが、このような『巨人向けに寸法を間違えた系』の建物で威厳や権勢を示すというのは、日本ではあまり見かけないような気がする。建物というかはともかく、強いて言うなら厳島神社などの鳥居や東大寺をはじめとした大仏であろうか。

 そういえば私の限られた見聞の範囲内ではあるが、中国の昔の建物に於いても、広大なものはあっても、『巨人向けに寸法を間違えた系』の建物はあまり見た覚えがないような気がする。いや、アジア圏と考えても同様だ。

 まぁこの国家博物館は巨大で立派な建物ではある。近年の中国では、斬新といえば聞こえはいいが、ヘンテコな巨大建造物が各地に建てられていたりもする。こうなってくると、『巨人向けに寸法を間違えた系』の起源を辿ることも難しくなってくるのだが、一度調べてみたいものだと思っている。

【写真】2013年7月
【文章】2017年7月
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