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 以前の記事でも紹介しているが、中華圏の国々で朝に散歩していると、公園や広場などで太極拳をしている人々を見かけるのは珍しいことではない。写真は澳門の早朝の公園。

 元々、太極拳は中国武術の一派であり、武術としての太極拳も残っているが、民間で広く行われているものはその型を取り入れた健康体操のようなものである。

 太極拳にも色々と種類がある。太極拳と言って一般的にイメージされるのは簡化太極拳とも言われる一番簡単な二十四式である。その名の通り、24の套路(とうろ)で構成される。套路とは足の運びや技のような一連の動作のことだ。

 色々な門派や型があるのだが、有名どころのセットと言えば四十八式、八十八式、総合(四十二式)といったところであろうか。これらは武術としての太極拳の伝統的な門派である楊式、陳家、呉式などの型からとられている。上記の二十四式も元は楊式の簡易版のようなものだと聞いている。複雑なものになると、旋風脚みたいな技の套路も組み込まれており、このレベルになると健康体操ではなく、武術の型そのものだ。

 太極拳には武器を使った型もある。その代表的なものが太極剣である。日本語だと同じ『たいきょくけん』という発音になるのでややこしいが、中国語では拳=キィェン、剣=チィェンに近い発音になる。これも楊式を元にした三十二式や陳家・呉式なども組み合わせた四十二式などが有名どころだ。日本ではあまり太極剣をしているところを見かけることはないが、中華圏の国々にいくとしばしば見かけることがある。

 自宅に二十四式のほかに楊式や四十二式の太極剣のDVDもあったりする。二十四式は一通りやってみたが、四十二式や剣は挑戦できていない。そもそも剣が家にないし、中国で買って持って帰るのも難しいと思っていたのだが、昨今ではamazonなどでも安価で簡単に買えるようだ。そのうち挑戦してみようかと思う。

【写真】2007年8月
【文章】2017年9月
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