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 昨日アップした記事を見ながら、そういえば他にも似たような写真があったような気がして、探してみた。

 こちらはタイの東北部(イサーン)のマハーサーラカーム。同名の県の首府でもあるが、田舎の地方都市らしい落ち着いた街だった。

 こちらのセブンイレブンでは、真ん前で屋台が食べ物を売っていた。(タイ語で)屋台に書いてあるので、カオ・ムーデーン(タイ風の赤い焼豚が乗った飯)を売るお店だとわかる。

 赤いプラスチック製の椅子やテーブルは、たぶん屋台のモノなのだろうと思うのだけれど、堂々とコンビニの軒下に設置している。そして屋台の客で溢れかえっていなければ、コンビニだけ利用して屋台の料理を買っていない人が椅子やテーブルを使っても、たぶん何も言われないだろう。

 タイに於いて、個と公の区切りやその権利を主張する感覚については、日本とはずいぶん違うと感じたことは多分にある。日本人から見ると大らかに見えるが、単なる文化の違いというか暗黙の了解の範囲に違いがあるというふうに思える。

 総じてみれば、あるものをみんなで使うというアジア的な精神は、日本や中国よりタイをはじめとした東南アジアのほうが強く残っているように思った。日本は『おもいやり』とか言っているわりには、権利の主張も西洋化が進んで強くなっているし、ルールで雁字搦めになっていて、どんどん世知辛くなっている気がする。

 個の権利も大切だし、契約やルールが経済活動には不可欠なことも知っている。でも緩やかな暗黙の了解で形成されるコミュニティがなんとも心地よいのはなぜだろう。

【写真】2007年5月
【文章】2017年10月
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