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 河南省の省都、鄭州にある二七紀念塔は、鄭州のシンボルのような存在である。

 この塔は二七事件を記念したものである。二七事件とは1923年2月7日に起きた組合結成を求める労働者のストライキに対する武力鎮圧である。大勢の死傷者を出した事件であり、ストの指導者側の共産党員も亡くなっている。

 塔の内部は事件や塔の資料館として使われており一般公開されている。二七事件を英雄視して大いに喧伝するのは、共産党政権のプロパガンダとして利用しているところが多分にあったのだろうとは思う。

 そういった政治的事情は別として、とりあえず2つの六角柱がくっついたような印象的な外観をしている。実は元々木造だったのが倒壊し、40年程前にコンクリート製の双塔に建て替えられたのだそうだ。

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 こちらは鳥瞰。

 ご覧の通り、鄭州のシンボルとはいっても、そんなに高い塔というわけではない。周辺にはさらに高いビルもあるので、見下ろすこともできるのだ。

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 夜にはライトアップされている。これはこれで、また綺麗な姿だと思う。

 この塔の前は二七広場と呼ばれており、街一番の繁華街と繋がっている。地下鉄の駅もこの地下にある。夜でもかなり人で混雑している。写真では人が写っていないのを不思議に思われるかも知れない。実はこれは早朝まだ暗いうちの写真である。

 早朝だったので、ほとんど人はおらず、しばしば掃除夫がゴミを集めていく。一昔前に比べれば、中国の都市の早朝の繁華街のゴミもずいぶん減ったと思った。土曜日早朝の新宿や渋谷と変わらない程度なので、減ったといってもそれなりには散らかっているのだけれど。それでも数年前は踏み分けながら歩くといっても過言ではないくらいだったので、変われば変わるものだと思う。良い方向に変わることは素直に歓迎する。

【写真】2017年11月
【文章】2017年12月
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