2007-03-23_12.59.03

 香港の市街地で、路面電車(トラム)の線路の修復工事をしているところを見かけた。

 日本の路面電車でも同じことではあるが、路面電車の軌道の単純な構造が故に、傷みやすかったりもするのだろうなと思った。

 路面電車の線路には枕木もバラスト(=敷いてある石)もない。これらにはいくつかの役割があるのだが、その中でも『衝撃と重量負荷の吸収』は最も大切と言ってよいかと思う。路面電車に乗った時、突き上げるようなゴツゴツ、ガツンという衝撃を感じたことがある方も多いだろう。あれは車輛のサスペンションの劣化だけが原因ではなく、軌道側に衝撃を吸収するクッションがないことも一因である。

 路面電車の車輛は一般の鉄道車輛と比べればはるかに軽いが、それでも十数トン程度はある。香港の二階建てトラムだともっと重いかも知れない。そんな重量物がそれなりのスピードで走るにもかかわらず、直接地面に備え付けられた細い2本のレールに乗っているだけなのだ。軌道や車両にかかる負荷が相当なものであるのは容易に想像できる。

 以前にも同様のことを書いたことがあるのだが、鉄道に限らず、こうやってメンテナンスをされていたりするのを見ると、大変だなぁと思うとともに、感謝をしたいと思っている。我々が当たり前に享受しているものは、たいてい普段はあまり日の当たる機会が少ない仕事に支えられているものなのだ。とはいえ、工事等で道路が渋滞していたら、イラつくこともあるのだけれど。

【写真】2007年3月
【文章】2018年7月
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