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 日本には路面電車が走っている都市がいくつかある。北海道の函館もその一つだ。

 面白かったのは函館の路面電車は形式の異なる様々な車輛が走っていたことだ。写真には取り損ねたが、昨今の欧州でよくみられる超低床車も走っていた。

 調べてみると2018年現在で9種類も走っているらしい。

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 以前の富山市電の記事でも触れたが、多くの日本の都市に於いて、市内を走る路面電車はモーダルシフトによって邪魔者扱いされ、廃止されたり縮小されたりしている。残っている都市でも新車両開発・投入などには消極的で、古びた車輛をメンテしながら使い続けていることが多い印象だ。

 そんな中で次々と新型車輛が投入されてきたということは、考えてみれば珍しいように思える。


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 私も函館市内の観光の足として利用した。車両やレールの軋む音やうなるモーターの回転音、Gがかかる感触や揺れ、狭い車輛。普段からこういった路面電車を利用している人には当たり前のことかも知れないが、やはり普通の鉄道車両とは乗り心地が異なって独特の雰囲気があると思う。

 それに加え、私は路面電車には特別なノスタルジィを抱いているのかも知れない。というのも、私は京都の生まれ育ちで、幼少の頃にはまだ京都市内を市電が走っていた。最後の路線が廃止されたのは私が五歳になる頃で、母に連れられて乗った時の記憶がまだ微かに残っている。私にとって路面電車に乗ることは、幼少時の感覚や記憶を呼び起こす鍵なのだ。

 そういえば、今まで制覇しようと思ったこともなくカウントしたこともないが、日本の路面電車が走る都市はすべて訪れたことがあり、その八割くらいには乗車したことがあるような気がする。軽く全線走破されているマニアの方もいらっしゃることだろうとは思うけれど。

【写真】2014年9月
【文章】2018年9月


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