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 シンガポールはマレーシアに住む中華系移民、すなわち華僑が中心となってマレーシアから独立した国である。シンガポール土着の文化というのはほぼ残っていないが、大航海時代以降の西欧の支配による洋風の文化、マレーシアの文化、中華風の文化が混じりあい、プラナカンと呼ばれる文化を形成している。

 それらは単に交じり合っているだけでなく、混じり合っている。つまり今やシンガポール固有の文化と言えるまでに醸成されていると思う。
※交じる:区別がつく/分別可能 混じる:区別がつかない/分別不可

 シンガポールの市街中心より東側、カトンと呼ばれる地域は、プラナカン文化が色濃い地域である。昨今の建築は、いわゆる日本や他の国の都市でも見られる普通の近代的なビルであったりマンションであったりすることが多いのだが、カトン地区の街並みはそれらとは一線を画している。

 独特のカラフルな色使いが印象的である。また建築様式は洋風だけでなく、アジア風も多く混じる。そのせいか欧州で見られるカラフルな街並みともまた異なる風情を醸し出しているように思う。雰囲気的には澳門(マカオ)の街並みにも似ているかも知れない。

 私は旅に出ると色々な路地を歩いてみたくなる。当ブログにも各地の路地の写真が結構あるとは思う。しかしシンガポールの路地は地区によって大きく雰囲気や情景が違う。淡路島くらいの広さしかない中で、非常に振れ幅の大きい表情の変化を見せるのは、シンガポールならではの魅力のような気がする。

【写真】2011年11月
【文章】2018年10月

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