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 京都府長岡京市の光明寺。私がしばしば散歩に訪れるお寺だが、浄土宗の始祖である法然上人が、その教えを初めて説いてまわった地である。

 境内には法然上人(=圓光大師/円光大師)ゆかりの建物や痕跡が残されている。以前に紹介した袈裟懸の松もそうだが、御影堂(みえどう)の脇にひっそりと設置されている法然上人の石棺もその一つである。

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 その石棺を示す石柱の台座はずいぶん風化が進んで形がぼんやりとしているが、どうやら亀があしらわれている。亀趺(きふ)だ。

 以前の記事でも紹介しているが、亀趺は実は亀ではなく、贔屓(ひき)という中国由来の架空の生き物である。贔屓(ひいき)という言葉の由来となったことも同記事で記した通りだ。

 中国では寺院や道観にいけばよく見かけるものであるが、日本では散見されるものの、それほど多くはないのだろうと思っていた。しかしこのようにあまり知られていない目立たぬ亀趺は、注意深く探してみれば実は日本中にたくさんあるのかも知れない。

【写真】2018年10月
【文章】2018年10月
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