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 厦門の街を歩くと『沙茶面』というものを出すお店を頻繁に見かける。中国大陸では面=小麦麺なので、おそらく名物麺類なのだろうと思い、ふらりと適当なお店に立ち寄ってみた。

 出てきたのは味噌ラーメンっぽい色のスープに入った麺。茶という字が入っていたので、茶葉を使ったなにかと想像していたが、全く違うらしい。具材として蒸鶏や揚豆腐、魚のすり身の天ぷらなどがたっぷり乗っており、写真では麺があまり見えていない。

 食べてみると、ピーナッツの風味が強い。この色は味噌ではなく、ピーナッツなのだろう。

 そこで思い当たった。沙茶はサテのことではないかと。サテとはマレーシアを中心に東南アジアで広く食べられている肉の串焼きで、そのオーソドックスなソースはピーナッツ風味のものである。つまり本来は料理の名前であるサテではあるが、そのソースだけが麺類のスープに使われ、名前が拝借されたのではないかと。

 こうして色々なものが色々な形で伝わったのを発見するのも面白い。ただ、現代の情報化社会では、情報が早く正確に伝わりやすいので、こういったことも少なくなってきているのだろう。もちろん素晴らしいことではあるが、画一的になってしまった世界は面白みに欠ける気がする。

【写真】2019年1月
【文章】2019年1月

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