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 マレーシアの世界遺産マラッカの街を流れるマラッカ川。マラッカはマレーシアのヴェニスという呼称もあるらしく、川の沿岸の景観はとても素晴らしいのだが、写真がたくさんありすぎて整理できていないので、追々紹介していくとしよう。

 しかし川は正直なところヘドロ臭かったし、綺麗な水とは言えなかった。そんな川沿いを散策していると、大きなバシャバシャという音がした。見れば、何人かの人が車で川べりに乗りつけて、いくつものバケツや袋の中身を次々に川にぶちまけている。

 いくら綺麗ではない川とは言え、真昼間から車で乗り付けてゴミを投棄とは、なんてひどいことをするんだ、と思ってよく見てみると、バケツや袋に入っていたのは魚だ。恐らく川の美化運動の一環ではないかと思われる。ゴミを撒いているのだと思ったことに心の中で謝った。

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 以前のシンガポール川の浄化の記事でも触れたことがあるが、きっとシンガポールでも数十年前に同じようなことが行われたのだろうと思ったりした。

 街の風物詩の一つでもある川だが、一度汚れてしまうと戻すには気の遠くなるような苦労や歳月が必要となる。それは日本も二十世紀後半に辿った道のりで、決して古の話というわけでもない。

 比較的マナーが保たれて綺麗だと言われる日本でも、そこらじゅうの山や川で不法投棄やポイ捨てを見かける。つまり心無くゴミ等を捨てる人も居れば、こうやって綺麗にしようと頑張る人も居る、ということは、きっとどの国でも同じなのだろう。もし綺麗な環境が保たれている場所があるなら、それは捨てる人がいないのではなく、綺麗にしようと頑張っている人や自治体の努力の賜物なのだろうと思ったりする。

【写真】2018年11月
【文章】2019年1月
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