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 台湾には肉圓と呼ばれるローカルフードがある。台湾の食べ物は基本的に中国の福建省周辺にルーツのある食べ物が多いが、肉圓は大陸では見かけない台湾独自のものだと思われる。中国語ではロウュエン、台湾語ではバーゥワンという発音をする。

 この肉圓、台湾全土でよく見かけるし、台湾随一といっても良い観光名所・九份の名物にもなっているが、発祥の地でもある本場は台湾中部の街、彰化とされている。

 彰化の駅の少し南東に彰化肉圓と阿璋肉圓という二つの有名店が向かい合う交差点がある。

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 どちらが良いかなどはわからないので、先にオバちゃんが呼び込んでくれたほうの彰化肉圓に入ってみることにした。

 ただし周辺には他にもいくつか肉圓のお店がある。

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 肝心の肉圓。半透明な皮に包まれた何かがスープに浮かんでいる。皮は見た目の通りで、ぶよっとしているというか、もちっとしているというべきか、といった食感である。おそらく片栗粉だと思う。

 中には豚肉を主としてタケノコや野菜を混ぜた餡が入っている。日本の豚まんの具にも似ているかも知れない。

 圓という字は円という字の繁体字である。日本で言うところのいわゆる旧字体で、日本でも戦後まもない頃までは、お札にも円ではなく圓という字が書かれていたはずだ。つまり肉圓は肉円なわけだが、なぜこういう名前なのかはよくわからない。出してくれる際に食べやすいように少し切ってくれていたが、元々は丸い形をしていたのだろうと思われるので、そこから付いているのかも知れない。

 私的には皮のボヨボヨ感があまり好きにはなれなかったが、味は悪くなかった。好きになる人も多いかも知れない。台湾を訪れられるなら、一度は試してみても良いのではないかと思う一品である。

【写真】2011年12月
【文章】2019年2月


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