DSC_2917

 京都はアーケード商店街も結構多いと思う。中でも有名で観光客も多いのが、錦市場。錦小路通のうち河原町通と烏丸通の間、正確には寺町通と高倉通の間にあたる部分である。

 京都随一の繁華街から近いこともあり、観光客が非常に多い。いや、歩いている人のほとんどが国内外からの観光客ではないかと思う。大阪の黒門市場の雰囲気にも似ている。店もすっかり観光客目当ての売り方・品揃え・価格設定が増え、聞きなれぬ外国語が飛び交っている。

 別にニーズに合わせているのだから、それを否定するわけではない。ただ、少し気になるのは、錦市場を紹介する際に『京都の庶民の台所』などと表現しているところだ。確かに昔はそう言われていたし、そんな雰囲気があった。京都の旬の食材などが売られているのも間違いではない。

 だが昨今、ここで日常の買い物をする京都民はかなり少なくなっていると思う。私もしばしば散歩がてらに歩いてみたりするが、観光客向けの商品と価格が多いので、特に何か買う気にもならないし、地元の人が買い物をしているのを見かけることも少ない。

 もちろん観光として楽しむには良いと思う。一つの市場に京都の名物などがまとまっているのは、旅行者的には効率が良くて助かる。実際にいろいろな京都名物の名店を周るには時間もお金もかかるからだ。ただ今の錦市場が京の庶民の台所と言われれば、それは嘘だと否定したくもなる。複雑な気分だ。

【写真】2018年6月
【文章】2019年2月
にほんブログ村 旅行ブログへ