昨日の記事に続き、思い出しているうちに香港仔のことを書いておくことにする。
この時、実は香港仔に何か目的があって来たわけではない。たまたま気まぐれに乗ったバスの終点が香港仔だったというだけだ。ただし香港仔については、名前や場所、それに香港の起源とされている土地である、というくらいの知識は持っていた。
そんなわけでバスから降りて、周囲をとりあえず徒歩で散策してみた。夕刻で空模様も良いとは言えなかったが、バスに乗っている間は降っていた雨が、降りると止んでくれるのには助かった。
香港仔は香港島北側の繁華街からバスで30~40分程度だったが、私が思うにベッドタウンという雰囲気だった。タケノコのように細長く高いマンションが立ち並んでおり、その合間にショッピングセンターや公園などがある。買い物袋を提げて歩く女性、駆け回っている子供たち、そばでお喋りをしているお母さん、日本の都市近郊の住宅街でもよく見かける光景である。
香港仔も海岸沿いに少しばかりの平地から山の裾にかけて街があり、基本的に曲線と坂道が多かったと記憶している。中心部をぐるりと歩いて回っても1時間もかからない程度の小さな街である。
曇り空と夕刻のせいで少し薄暗く、多くの写真に手振れが発生していた。当時のデジカメはそれほど性能がよくなかったのでご勘弁願いたい。
歩いていると、香港仔中心というショッピングモールらしきものがあった。
中華風の門が独特の風情ではあるが、中はよくある現代風のショッピングセンターのようだ。
まさにベッドダウンのショッピングセンターといった様相である。地元の人々も多く集っており、賑わっていた。雨上がりでなければ、もっと人がたくさん座っていたのだろうとは思う。
真ん中にあったオブジェ。今でもあるのかはわからないが。
安物カメラではなかなか広角に撮れなかったのが少し悔やまれる。
とても無機質な感があるが、実はこれは上の写真のパンダのすぐそばで、空を見上げて撮ったものである。なんだかSFの近未来都市のようだ。
こちらは香港仔中心から少し海側に出てきたところ。昨日の記事で紹介した海上レストランが並ぶところに繋がる公園である。向こうに見える鴨脷洲にも細長い高層マンションが林立している。
そんなわけで私的には、香港の夜景や道に迫り出した看板もさることながら、坂道やタケノコ高層マンション、というのも、香港らしい風景として強く印象に残っている。
【写真】2007年8月
【文章】2019年5月