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 中国で茶文化が非常に身近であるのは一般的に知られている。もちろん普通に飲むのは当然として、各地で茶葉を使った料理も散見される。中でもこの杭州名物の龍井蝦仁(ロンジンシャーレン)はよく知られている方かも知れない。

 杭州の街は風光明媚で知られる西湖を抱え、さらには周囲にも河川や湖沼が多く、昔から淡水エビが非常にポピュラーな食材だったそうだ。そして西湖の南西の山間に、中国でも有数の緑茶ブランドの産地である龍井(ロンジン)がある。その名産品同士を組み合わせた、まさに杭州名物料理が『龍井蝦仁』、文字通り龍井茶とエビ(蝦仁)を使った一品である。

 淡水エビと龍井茶、いずれも繊細な食感や味わいを持つ。それに生姜や卵白などをまぶして調理してあるわけだが、やはり繊細なバランスの上に成り立っている。色合いもまた白と緑、淡いピンクの色合いのバランスが美しい。いわばお上品な料理である。

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 こちらは確か杭州でも名店のものだったと思う。実は1/3くらい食べてしまった後のもので申し訳ないが、この写真しか残っていなかった。上側の写真のお店よりも格段に味も見栄えも上品だったが、かならずしも上品=美味というわけではない。

 とりあえずこの龍井蝦仁、どこのお店でも結構なお値段がする。確かに龍井茶も繊細な高級ランクはかなり高価であるし、川エビの処理もふわふわで美味しくするには手間がかかるだろう。しかし私の感覚からすると、量や質に対しては割高な気がする。特に高級店で食べようものなら普通に数千円はする。

 上側の写真は庶民的なお店で頼んだものである。一般的な食堂なら千円以下であるが、それでも他のメニューに比べれば高めで、名店のような繊細さはない。とはいえ、私的にはそれはそれで美味しいとは思うのだけれど。

 杭州にいらっしゃる際には、名店と庶民的なお店で食べ比べて見られるのも良いかも知れない。とはいえ、上の写真と下の写真は7年の隔たりがあるので、したり顔で言える私ではない。

【写真】上:2014年1月 下:2007年8月
【文章】2019年6月

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