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 私は若い頃から長い間ジーンズを履かなかった。子供の頃に親に買い与えられた気もするが、ほとんど履いた記憶はない。ゴワゴワして重くて動きにくいという印象しかなかった。

 学生時代でもカジュアルファッションには無頓着だったし、特にアメカジとかTシャツ+ジーパンみたいなラフなスタイルには興味がなかった。私服はたいてい綿パンやスラックスっぽいズボンだった。あまりスキニーではなく、タックが入って少しゆったりとしたものだ。

 そういう服を好んだのは、自身のスタイルの特異性や劣等感にもあったと思う。10代後半から20代にかけて身長は176cm程度、体重は50~55kg程度だった。結構な細身だと思うが、それだけでなくウエストが女性のようにくびれていて細く、体重(kg)とウエスト(cm)がほぼ同じ数字で推移していた。胸囲やヒップは恐らく90cm程度だ。この体格のせいで、ズボンにはタックが入っていないとまったくフィットしないし、市販のジーパンなどはまったく合わない。それに身体のラインが見える服を着るのも好きではなかったのだ。

 そんな私が人生で初めてジーパンを買ったのは35歳の時だった。とあるプロジェクトでアメリカに数週間の出張に行ったのだが、この時休みの日だったか仕事終わってホテルに戻るときだったか忘れたが、チームメンバー数名でアウトレットモールに行くことになった。前述の通り、私は元々ファッションやブランドには興味はなかったが、当時のリーダーの人がなかなかオシャレに詳しい人で色々教えてくれたのだった。
 
 で、それなら私もせっかくアメリカに来た記念に何か買ってみるかな、ということで買ったのが、上の写真のリーバイスのジーンズ、というわけだ。確か2500円くらいで購入したと思うが、日本で買うと倍以上はすると教えてくれたのも当時のリーダーだった人だ。

 せっかく買ったので、それからはちょくちょくとジーンズを履くようになった。学生時代の友人は、私がジーンズを履いているだけで驚いたものだったが、履いていると愛着も湧く。結局このリーバイスは私のお気に入りの一つとなった。

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 そして私の2本目のジーンズ。「私の」というには語弊があるのかも知れない。というのも、このジーンズは元々家内のものだからだ。家内が全く入らなくなってしまったのだが、試しに私に履かせたところ、ウエストはこぶし2つ分程度の余裕があったので、そのままお下がり。

 元々家内がかなり長めの裾で履いていたのが、私には短めになるくらい。この数年の流行りなのか、周囲を見ると短めの人も多いので、そんなに目立たない。

 ちょっとスキニーな感じで、股上は短め、というより私が履いているズボンの中では一番短い。少し慣れない形で動きにくかったり、ポケットも薄く浅いので財布やスマホも入らないのが難点だが、ちょい履き用としては申し分なく、サブのジーパンとして重宝している。

 ブランド等は表示がないのでわからない。

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 人生初めてアメリカで買ったリーバイスジーンズは、十数年間で結構ボロボロになった。所々破れたり穴が開いているし、薄くなっている部分もあって下着が透ける。写真では見えないが、ポケットは全部穴が開いている。直すのも難しそうで、さすがにもう寿命らしい。新しく代わりのジーンズでも買おうかと、少しユニクロ等で見たりもしていた。

 そんな時、ふと通りかかったお店の店頭で出会ったリーバイス。売れ残っているサイズが現品限りで安くなっているようだった。ウエストは少し余り気味だが、ベルトをすればOKだろう。ヒップの辺りや裾はだいたいフィット。

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 という感じで、人生2本目のジーンズを買ったのだった。ちなみに2900円。たぶん普通に買えばもっと高いのだろう。

 
 私はモノに愛着が湧すぎるタイプだろうと自覚はしている。

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