最果志向 ~放浪家坂木さんの足跡~

この数十年の放浪履歴を元に思ったこと・感じたことなどを訪問者の目線で綴る『旅エッセイ』ブログ。たまに自作の音楽の紹介。

【China 中国】

【坂木より】
2016年6月2日開設。現状一日1~2記事の更新です。皆様と『最果(さいはて)志向』と『漂泊の思い』を共有できれば幸いです。たまに昔作った音楽も公開しています。

逃した栗は大きかった

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 その日、私は大阪から東京経由で厦門に飛び、厦門の空港から、そのまま厦門の市街には行かず、泉州行きのバスに乗って、泉州市までやってきた。初の泉州市、初の福建省だった。

 バスが到着したのは泉州航空飯店というホテルの前だった。この日の宿は予約していたが、ここから1~2㎞ばかりあるようだった。私の旅では、新しい街に来たら、その雰囲気を感じるために、まずはぶらぶらと歩いてみることも多い。ちょうど良い機会なので、フラリと歩いて、この日の宿まで向かうことにした。

 歩き始めてすぐ左側に、写真のような大きな栗を売っている店があった。蒸した栗だろうか。子供の拳くらいはある大きな栗に、少し気持ちが惹かれた。

 だがこの時はまだ投宿もしていないのでキャリーバッグも抱えている。泉州の名物だったら、きっと宿の近くでも売っているだろうし、後に来ることもできる。まずは投宿して落ち着こう、また機会もあるだろうということで、スルーしてしまった。

 だが結果だけ言うと、この後も泉州市内ではほとんど蒸した大栗には出会わず、また市内を巡って宿に戻った後でわざわざ栗だけのためにここに来るには疲れていたりして、結局食べそびれてしまった。

 旅の出会いというのは縁やタイミングのものだとつくづく思う。それは人だけでなく、モノや場所や事象であっても同じで、出会った時に直感的に行動しないと、機会を逸してしまうことも多い。だが、それも悪いことばかりではない。その代わりにできることもある。それに、もし次に訪れることができた時のために、楽しみを取っておいたと思えば良いのだから。

【写真】2019年1月
【文章】2019年12月

厦門の蚵仔煎(牡蠣のオムレツ)

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 蚵仔煎と言えば、日本では台湾名物の牡蠣のオムレツとして知られている。台湾の夜市や食堂街に行けば、見かけないことはないと言ってよい。

 ただし台湾の料理の多くは中国大陸から来たもので、特に台湾島に近い海岸沿いの潮州や福建省をルーツとするものが多い。したがってそのあたりで同様の料理を見かけても、決しておかしいことではなく、むしろオリジナルに近い可能性も高い。

 福建省の厦門の街でも、メニューに蚵仔煎を挙げているお店を多く見かけた。旅先では大当たりの可能性が頭を過ぎってしまい牡蠣を食べるのを控えることが多いのだが、やはり台湾と違うのかどうか、興味のほうが勝ってしまったので、一度食べてみることにした。

 見た目はよく似た感じだったが、少し違うのは、台湾のもののように片栗粉のような粉が入っておらず、純粋に卵焼きに閉じ込めただけのようだ。そのせいで食感が異なるだけでなく、味もしっかりしているように思えた。上にかかるソースも台湾ほど甘酸っぱくなく、それが牡蠣の味を余計にしっかり感じさせる。これはこれで悪くない、どころか、こちらのほうが美味しいかも。

 色々な場所を訪れると、文化の繋がりに気付くこともある。新たなモノに出会うと、今まで見てきたモノの見え方が変わったりもする。一つの事や物等を極めるのも良いが、その周囲や他を知ることで、繋がりを発見したり視野を広げたりすることも大切なのだろう。

【写真】2019年1月
【文章】2019年11月

真冬にずぶ濡れにならないように注意しましょう

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 そのとき私は河南省登封の街での道端で路線バスが来るのを待っていた。すると遠くから何か大きな音が近づいてくる。正体に気が付いた私は、すぐさま持っていた荷物を抱え、工事中の路肩を横切ってなるべく車道から離れた。

 近づいてきたのは散水車だ。11月だったので猛暑対策ではない。おそらく黄砂対策、すなわち空気中や路面に積もった黄砂を洗い流すためのものだと思われる。

 以前の記事でも紹介しているが、河南省は黄河の河畔でもあり、かなりの黄砂に見舞われるようだ。以下の過去記事の写真でもよくわかる。



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 基本的にこの手の散水車は、バイクがいようが歩行者がいようが、お構いなしである。私は咄嗟に気が付いて退避したのだが、写真のバイクの女性たちは気付くのが遅れたせいでまともに水を浴びてしまい、ずぶ濡れである。

 少なくとも日本なら歩行者、しかも咄嗟に逃げるのが難しい小さな子供やハンディキャップのある人などを真冬にずぶ濡れにしようものなら一大問題になるだろう。中国では日本よりもお上の権力が強くて、個の負の面にいちいち取り合わずに全体の利益を優先する傾向があるとは思う。とはいえ、それが総合的に良い結果を生み出すことも多々ある。逆に昨今の日本でも見られるような、いちいち利己主義的な個の問題の対処に追われて物事が進まない事例も多々ある。従って善悪は一概には判断できない。

 ただ、少なくとも弱者に優しくない在り方は、社会の余裕の無さなのだと思ったりもする。


 とりあえず冬に黄砂がひどい地域では、歩いているときなどでも散水車にはご注意ください。

【写真】2017年11月
【文章】2019年11月

道端の充電ステーション

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 中国の街を歩いてみると、ありがちな普通の近代的な街並みでも日本人にとっては珍しいもの、というのもしばしば出会うものである。

 こちらは街の随所でみかける充電ステーション。中国においてはどこでも頻繁にみられるもので、まったく珍しいものではない。

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 中国では国策としての法整備や補助金などの取り組みもあり、街中で見かける二輪車や三輪車はほぼすべて電動である。化石燃料(いわゆるガソリン等)で動く古い車輛などを見かけないわけではないが、本当に稀な話である。恐らく走っている二輪・三輪の電動車の率は99%を軽く超えていると思う。

 四輪でも電動車は結構走っている。少なくとも2017年と2019年に訪れた河南省や福建省ではどの街でもバスは大半が電動化されていた。ディーゼル車も走っていたが、圧倒的少数であったし、近々なくなっていくのだと思う。

 キャッシュレス化の話でも同じだが、電動化の進んだ結果だけを見て、中国が進んでいるとか日本が遅れているとか、どちらが良い悪いなどと言うつもりはない。ただ私が覚えている限りでは10~15年前くらいだろうか、中国では日本と同様にバスや三輪車の多くは化石燃料だった。電動バイクは日本の電動アシスト自転車みたいでペダルが付いていたし、QRコード決済どころかクレジットカードも使えない店が多くて銀聯カードというデビットカードが主流だった。

 インフラなどが一様にものすごいスピードで普及してしまうことには素直に驚く。もちろん政体や経済が大いに関わることであるし、急速に成長や変化をすることはリスクを伴うことでもあるので、単純に中国が凄いとは言えない。しかし、日本で何かやろうとしたときの遅さを考えると、かなり心配になる。もちろん色々な意見を尊重し、安全で慎重に事を進めるのもまた大事ではあるので、これもまた一概には言えないのだが。

写真は河南省洛陽の街にて。

【写真】2017年10月
【文章】2019年10月

泉州市の山上の国姓爺

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 日本でもそうだが、時折山の上などに巨大な像などが立っているのを見かけることがある。昔はたいてい「何だろう/誰だろう」と思いながらも分からず仕舞いということが多かったが、昨今ではスマホなどによって、その場で調べることさえ容易である。便利になったものだ。

 写真は福建省の泉州市の街からよく見えた山上の武将の像。どうも鄭成功らしいなと思って調べてみると、やはりそのようだった。地図を確認してみるとその方角には泉州鄭成功公園があった。私は訪れる機会を逸してしまったが。

 鄭成功については以下の過去記事でも触れているので詳細の説明は割愛させて頂く。


 鄭成功は台湾にとっての歴史上の偉人であるが、漢民族最後の皇帝を守って最後まで戦った彼は漢民族にとっての民族的英雄とも言える。特に台湾とも繋がりが深く、その大陸側の足掛かりともいうべき福建省では、特に深く敬愛されているようだ。厦門でも巨大な像が立っているところがある。

【写真】2019年1月
【文章】2019年10月
  
プロフィール
管理人:坂木
ただ行けるところまで行ってみたい。何もなくても構わない。何もないことを見に行く。そんな性癖を勝手に最果(さいはて)志向と名付けた。
職業は会社員。休みのたびにあてもなくフラリ旅に出てしまう。



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