最果志向 ~放浪家坂木さんの足跡~

この数十年の放浪履歴を元に思ったこと・感じたことなどを訪問者の目線で綴る『旅エッセイ』ブログ。たまに自作の音楽の紹介。

江蘇省

【坂木より】
2016年6月2日開設。現状一日1~2記事の更新です。皆様と『最果(さいはて)志向』と『漂泊の思い』を共有できれば幸いです。たまに昔作った音楽も公開しています。

杭州西湖の湖畔に立つ呉越国の銭鏐の像

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 中国の歴史において五代十国と呼ばれる時代がある。唐が滅び、宋が成立するまでの数十年間を指し、黄河流域の北部では5つの王朝が興っては滅ぼされることが続き、長江流域の南部ではいくつかの国が割拠していた。その時代の有力な十国をもって名前が付いている。

 その五代十国時代、現在の江蘇省周辺にできたのが呉越という国で、杭州に都をおいた。その初代がこの銭鏐(日本語読みではセンリュウ)である。

 杭州出身の銭鏐は元々塩の密売をしていた無頼の徒、つまりいわゆるチンピラだったわけだが、唐代末の黄巣の乱において地元で挙兵して功を挙げ、そのまま勢力を伸ばして建国に至っている。この呉越国は周辺の国々と争いながらも五代十国時代を駆け抜け、銭鏐から数えて5代目の王の時、建国から約70年後に宋に吸収されることになる。

【写真】2007年8月
【文章】2019年3月

亀と硬貨

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 そういえば当ブログでは亀やそれに因んだ話が多いように思うが、決して私が亀好きだとか亀マニアだとか言うわけではない。だが日常生活でも旅に出たときでも、比較的よく出会う生き物だと思う。

 写真は中国江蘇省の徐州の水族館で見たもの。亀の上には誰が置いたのか、硬貨が置かれていた。それを意にも介さず、悠然と泳ぐ亀もどうかと思うが。

 亀がいる池にお賽銭のように硬貨が投げ込まれているのはよく見かける。今はどうかわからないが、日本でも亀が居る居ないに関わらず、池に硬貨がたくさん沈んでいるのを見るのもそれほど珍しいことではなかったと思う。中国では少額紙幣もあるので、紙幣が浮いていることもあって、それはそれで面白い。

 そういえばこんなニュースを見た事がある。

 タイのチョンブリーの動物園で、『ウミガメが居るプールにコインを投げ入れるとまたタイに戻れる』という願掛けが伝え広がり、旅行者が挙って硬貨を投げ入れたのだそうな。そんなある日、ウミガメが傾いて泳いでいるのが見つかった。調査のためにレントゲン撮影をすると、ウミガメがコインを飲み込んでしまっていて、バランスを崩していたことがわかった。手術をしたら900枚以上、重さにして5kg以上のコインが身体の中から見つかったのだとか。その亀は手術後も元気だとのことで、さすが長寿の象徴である。

 とりあえずタイのウミガメは無事だったけれど、あまり亀などの生き物の居る池に硬貨を投げ入れるのは良くないのだろうと思う。

【写真】2014年8月
【文章】2018年4月

蘇州の名刹の屋根上の西遊記

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 古くから栄える蘇州の名刹、寒山寺。蘇州城西の古い運河沿いにあるこのお寺には、文化的価値も高く、見どころもたくさんある。

 この寺の仏書を収蔵していた蔵経楼の屋根に、『西遊記』の一行、三蔵法師、孫悟空、猪八戒、沙悟浄の彫刻像がある。

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 西遊記は中国四大奇書の一つに数えられるが、その中でも比較的日本でも内容が知られているものだと思う。

 漫画『ドラゴンボール』でも当初は西遊記をモチーフにしており、主人公の名前もそこから取られているのは有名であるし、人形劇やドラマにもなっている。

 1980年以前の生まれの方だと、堺正章が孫悟空を演じ、ゴダイゴが音楽を担当したドラマが印象に強いのではないかと思う。私も子供の頃だったが、孫悟空が筋斗雲を呼ぶときの合図をみんなで真似たり、ワクワクしながら見たものだ。

 あの作品は独特の解釈や発想の面でも素晴らしかったと思う。本来男性であるはずの三蔵を夏目雅子が演じていたのがハマっていたり、馬を擬人化させるだけでなく人の姿を登場させたり。

 ただ素晴らしい作品であったが故なのか、後の作品に影響を与えすぎて、日本で作られる西遊記をモチーフとした作品が、なぜか三蔵は女優が演じ、馬は人の姿に変身できる、と二次創作の設定を引き継いだ三次創作みたいなものが多いように思う。原作への変な誤解を助長するかのような作品が散発されるのは、作り手の発想力が乏しいからのような気がする。

 元の壮大な話を原作としながら作品を作り上げるのであれば、三次創作ではなくて、そこに独自の解釈や独創性を持った二次創作が見たいものだ。三次創作では小手先のテクニックは進化していても、発想や独創性という本来創作に必要な部分が決定的に不足し、過去の作品を越えることは非常に難しいのではないかと思う。

【写真】2005年3月
【文章】2017年7月

徐州の雲龍湖に浮かぶ屋形船

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 中国の江蘇省徐州の市内に雲龍湖(云龙湖)という湖がある。すぐ近くの雲龍山から名付けられたこの湖は、徐州随一の景勝地である。

 都市の近くにある大きな湖というのは、たいてい生活や文化と密接な関係にあるものだ。湖の水産物が名物であったり、養殖が盛んであったり、あるいは何かしらの物語に登場したり、古の歌人が詩を詠んだり。

 ちなみにこの湖も中国の国家旅遊局(国家機関)により、最高の5A级旅游景区に格付けされている。中国の観光地の格付けについては、以前の記事「中国の観光地の格付けとガッカリ名所巡り」でも触れているので、興味のある方はご参考頂きたい。

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 また以前の記事にも書いたことがあるが、昨今は中国の各地で観光産業に力を入れているのを感じることが多い。ちなみに中国が国家を揚げて実施するというのは、およそ日本人が想像できるレベルのスピードや規模感を遥かに超えていると思える。例えば2007年に営業開始した中国の新幹線が、2年後の2009年には数十年維持してきた日本の高速鉄道営業距離の世界一の座を奪い、翌年2010年には日本の2倍以上に至った、ということからもわかる通りだ。

 ついでに昨年のニュースで見た覚えがあるが、2016年のデータでは中国の新幹線の営業距離は2万km(地球半周)を軽く越え、日本の約7倍になったのだとか。もしかしたら私が高度成長の時代を生きてはおらず、いわゆる平和ボケならぬ経済大国ボケしているのかも知れないが、中国の本気というのはとにかく凄まじいと感じてしまう。

 話を元に戻そう。
 このような風光明媚な景勝地であれば、当然ながらその観光資源を活かそうと、観光客向けにインフラが整備されたり、サービスやアクティビティが揃えられたりするのは、もはや当然とも言えるのはおわかり頂けると思う。

 そういったものの一種であろうか、屋形船のような船が湖に浮かんでいるのもちらほら見かけたものだ。こういった船は中国の綺麗な湖などではよく見かけるものだ。恐らく古人も楽しんだであろう舟遊びに興じて、周囲の山水をゆっくりと眺めるいうのは、なかなか風雅なものだ。

 日本の屋形船と違って幅広で立派な屋根がついているものが多いような気がする。定員が少ない小型のものが主流なためかも知れない。もしかしたら日本の屋形船は河川で利用するものが多く、川の流れがあるがための機動性や流されにくさを考慮して細長い形状が多いのかも知れない、とも思ったりしたが、私見であり定かではない。



【写真】2014年8月
【文章】2017年6月

徐州の雲龍湖の南側に建つ張陵らしき像と昨今のデジカメの威力

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 徐州市の雲龍湖の周りは風景もよく、公園なども多数整備されている。周囲を散策してみたがが、市街にある湖のわりにはとても大きく、歩いて回ると1日では一周できないくらいである。下に地図を用意したが、右下辺りをスタートして、湖の真ん中を縦走する橋を渡り、右上の公園まで行くだけで朝から夕方までかかった。

 ところで、地図でもお分かりの通り、湖の南岸にはちょっとした小山が迫り出している。珠山と呼ばれるその山には、大きな像が立っていた。

 肉眼ではなかなか判別するまでには至らなかったが、昨今のデジカメは人間の視力を優に凌駕している。望遠レンズをつけていなくても、思いっきりズームにして撮って拡大してやると、人間の眼では見えないものも見えたりする。特に通常撮っている画素数から上げなくても、既に人間の視力を超しているのだ。

 拡大してみると、道士風のその立像は、どうやら張道陵(張陵)らしく見える。三国志にも出てくる道教集団、五斗米道の創始者であり、後に曹操に帰順した張魯は、張陵の孫である。

 現代の中国では、道教は全真教と正一教という大きく二つの宗派(のようなもの)に大別されると考えられている。五斗米道は、現在ではその名は残っていないが、歴史の中でその姿を変えつつ、正一教の源流となった。

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Google Mapより

【写真】2014年8月
【文章】2016年11月
  
プロフィール
管理人:坂木
ただ行けるところまで行ってみたい。何もなくても構わない。何もないことを見に行く。そんな性癖を勝手に最果(さいはて)志向と名付けた。
職業は会社員。休みのたびにあてもなくフラリ旅に出てしまう。



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