最果志向 ~放浪家坂木さんの足跡~

この数十年の放浪履歴を元に思ったこと・感じたことなどを訪問者の目線で綴る『旅エッセイ』ブログ。たまに自作の音楽の紹介。

東北 Tōhoku

【坂木より】
2016年6月2日開設。現状一日1~2記事の更新です。皆様と『最果(さいはて)志向』と『漂泊の思い』を共有できれば幸いです。たまに昔作った音楽も公開しています。

会津の小さな無人駅

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 昨日タイ国鉄の田舎の無人駅の記事をアップしたのだが、旅情的には共通する雰囲気がある日本のなんの変哲もない無人駅の写真があったのを覚えていたので、探してみた。

 旧国鉄会津線は国鉄の分割民営化の際、早々に第三セクターの会津鉄道に引き継がれた。写真はその会津鉄道のあまや駅。会津若松の市街から南へ進み、芦ノ牧温泉の一つ手前にある無人駅である。

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 ホームの上にはベンチも何もない。無人駅で駅舎もないが、物置のような待合室がホームの脇にポツンと立っている。

 恐らく昨日の記事のタイ国鉄の田舎駅と乗降者数は遜色ないのではないかと思う。そう考えて比較してみると、簡素だがきちんとしたプラットホームが、なんだか非現実的な構造物のように思えてくる。

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 住所としてはここも福島県会津若松市のはずだ。とはいえ、かなりの郊外である。周囲には住宅も疎らにあるが、市街があるわけではない。周辺にめぼしい名所などがあるわけでもない。

 水牛はいないが、なんとも長閑な光景だ。

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 会津鉄道はいわゆる会津西街道に沿って敷設されている。会津西街道は現在の国道121号線である。ふらりと東北を放浪旅する際には何度も走っている道だ。

 会津西街道はこのあたりの主要道の一つで、土日になると芦ノ牧温泉辺りで道路が渋滞することがある。そんなとき、目的がない放浪の旅路なら、ちょっと脇道に逸れてみたり、休憩がてらになんの変哲もない場所に止まってみたりする。これもまた旅の縁というものだ。

【写真】2009年10月
【文章】2019年6月

裏岩手

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 岩手山はその名の通り岩手県のシンボルとも言える山である。岩手県の最高峰であり、日本百名山の一つにも数えられる。正確には二つの外輪山の総称で、山頂は東側の外輪山の最高点ということになるが、とりあえずこちらでは詳細は割愛させて頂き、岩手山とだけ呼ぶことにする。

 この山は、東側の盛岡からは富士山のように長く綺麗な稜線を見せる。まるで独立峰のような姿である。これを表岩手と呼ぶのに対し、北側や南側から見ると写真のように西側の外輪山がギザギザと連なった稜線を見せ、こちらは裏岩手と呼ばれている。東側からでは奥羽山脈の主稜に繋がる稜線が岩手山の背後に隠れて見えないのだ。

 岩手山と言えば、表岩手の美しい稜線の写真が多く、そのイメージが強い。しかし裏岩手の迫力のある稜線もなかなかのものだと私的には思う。


 残念ながら岩手山にはまだ登ったことはない。この写真は八幡平の方面から撮ったものであるが、この当時、確か火山活動により入山規制があった気がする。しばしば火山活動の活発化が見られる活火山なのである。

 最近は活発化したというニュースは聞かなくなっているが、2014年の御岳山みたいに突然噴火することもあるかも知れない。だからといって山に登らない、火山に近づかない、ということも、火山大国の日本では難しいだろう。地震などと同じで、災害が起こった時の対処を頭の中でシミュレートしたりすることは大事なのかも知れない。

【写真】2003年4月
【文章】2019年6月

2002年のドライブ写真はもう追えない

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 この写真は2002年の8月に撮ったもの。前後の写真が一日以上あいていたので、どこで撮ったのかはよくわからない。ただ私の朧げな記憶では、確か仙台市街より少し南側の海に近いところだったようにも思う。時間と影から、だいたい南に向いて走っていることだけはわかる。

 これまでにも紹介してきているが、どこで撮ったかわからない昔の写真でも、朧げな記憶や手がかりがあれば、大抵Googleストリートビュー等を使えば特定することができる。

 しかしこの写真は特定することは難しい。なぜなら、もし私の記憶が正しく、この写真の位置が仙台付近の海に近いところであれば、今は全く様相が変わってしまっており、昔の様子はストリートビューには残っていないからだ。



 2011年の東日本大震災の際、仙台空港を津波が襲った映像はTVで何度も流されたので、記憶に残っている方も多いかも知れない。仙台の南の海沿いの辺り、というのは、まさにこの仙台空港の周辺である。この辺りは津波で木々も流されたり、腐ったりしてしまったのだ。

 景色も変わってしまっているので、今となっては写真の場所を特定することはできない。
 ※ストリートビューもたぶん同じ場所ではないと思います。

 たまたま見つけた昔の写真を見てGoogleストリートビューで探してみただけだったのだが、今更ながら自然の猛威に絶句させられるのである。

【写真】2002年8月
【文章】2019年3月

街が丸ごと無くなっている衝撃

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 これまでの人生で、いくつか忘れられない衝撃的な光景があった。この写真はそのうちの一つだ。

 ただの工事現場のように見えるし、確かにそれは間違いではない。この写真は2014年9月、場所は陸前高田市。目の前に広がる土地は、ちょうど駅や市街の中心部があった場所である。2011年3月11日の地震の津波で流されてしまい、3年半経った当時でもまだこんな状態であった。

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 当時のカーナビは古いものを使っていたので、まだ街の地図がはっきり残っていた。記事トップの写真は、ちょうどこの地図の真ん中から北東の辺り、つまり駅や市街の中心があった方向を見ている。街は全く残っていない。

 私は震災の前にも何度か陸前高田や気仙沼を訪れたことがある。残念ながら昔は写真をあまり撮らなかったので、そのころの写真はない。しかし、訪れたことのあるお店や建物などは、本当に影すらも残っていなかった。街が丸ごと無くなっているのだから当然のことだが、信じられない思いだ。

 海沿いを走っていると、このように元は街や集落あるいは港などがあったであろう場所の更地をあちこちで見かけた。

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 元の街があったあたりは、土を大きく盛って、土地自体の海抜を高くしていた。市街地を人工的に台地にしている感じだ。土を運ぶためであろう鉄骨の高架がたくさん組まれていた。


 以下、以前の記事等でも何度か同様のことを書いているが、再度書いておこうと思う。

 震災などの被害を物見遊山に見に行くのは不謹慎だという声もある。確かにそうかも知れない。しかし私的には、理由はどうでもよいから、傷痕が残っているうちになるべく多くの人が自分の目で見たほうが良いと思っている。もちろん復興の邪魔をしない、被災者に配慮する、というのは当然の前提である。

 傷跡や被害を見れば、どうしたら防げたのか、次はどうしたらよいのか、という教訓が得られ、対処ができるようになる。いや対処まではできなくても、少なくとも考えるきっかけにはなる。歴史や経験が未来をよくすると考えている。その好例は台湾地震の記事でも書いた通りだ。

【写真】2014年9月
【文章】2019年3月

岩手県の遠野も馬肉で有名です

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 日本全国で馬刺し等の馬肉料理がポピュラーであるとは言えないが、熊本・長野・福島など比較的よく食べられている地域もある。岩手県の遠野もその一つである。

 このときは確か宿泊した雫石のペンションを朝に出立し、盛岡から遠野に向かう国道を走っている途中で昼食時になり、見つけた食堂にフラリと立ち寄ったはずだ。

 うどんや定食などの一般的な食事メニューもあったが、大きく掲示されている馬肉料理が名物のようだったので、頼んでみることにした。

 競馬や乗馬をやる人は馬肉を食べない人も多いらしい。私は当時、しばしば乗馬を楽しんではいたが、特に馬肉を食べることにもあまり抵抗はなかった。

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 こちらは桜カルビー丼。熊本でも馬焼肉や馬ホルモン焼などを食べたことがあるが、嫌いではない。牛肉や豚肉よりもクセがある気もするが、美味しいと思う。

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 美味しい馬刺しが食べられるのは嬉しい。京都では手に入ったとしても、質が低下していて、あまり味がしないものが多い。

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 街中ではなく田舎の国道沿いで、たまたま入ったお店ではあったが、どうやら有名らしかった。有名人の来訪やTV取材などもあったようで、色紙などが飾られていた。

 場所はだいたい覚えていたのですぐにわかった。
 『サンQふる郷市場』 岩手県遠野市宮守町上宮守15地割123


【写真】2014年9月
【文章】2019年2月
  
プロフィール
管理人:坂木
ただ行けるところまで行ってみたい。何もなくても構わない。何もないことを見に行く。そんな性癖を勝手に最果(さいはて)志向と名付けた。
職業は会社員。休みのたびにあてもなくフラリ旅に出てしまう。



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