最果志向 ~放浪家坂木さんの足跡~

この数十年の放浪履歴を元に思ったこと・感じたことなどを訪問者の目線で綴る『旅エッセイ』ブログ。たまに自作の音楽の紹介。

安徽省

【坂木より】
2016年6月2日開設。現状一日1~2記事の更新です。皆様と『最果(さいはて)志向』と『漂泊の思い』を共有できれば幸いです。たまに昔作った音楽も公開しています。

安徽省で泊まった細い路地の奥の趣深い宿『黄山徽舍民宿客栈』

P1020460

 2013年の年末も近づいた頃、日本から杭州に飛び、バスで安徽省黄山までやってきた。

 昔は新しい土地に着いたら、まずは宿探しと情報収集から始まったものだが、それらはもうネットで手軽にできる時代だ。基本的にあまり旅程を決めない放浪旅でも、次の目的地を決めたら宿の確保と情報収集は即日済ませられる。便利になったものだ。

 ただし、この黄山はとりあえず決めていた第一の目的地だったので、日本にいる間に予約しておいた。民宿とかいてあって、超安宿ではないが決して高くはない宿だ。

 そして予定通り、バスターミナルから公交(市内の路線バス)で近くまで来ることができたわけだが、ここで困った。それらしき建物が見つからないどころか、そのような道路もない。大まかなで不正確な地図から無理に読み取ってみると、どうやらこの細い細い路地の奥にあるのかも知れない。このような路地の先にホテルがあるなどとは少し考えにくいことではあるのだが、他に宛もないのでキャリーバッグを抱えて進んでみることにした。

P1020468

 すると確かにあるではないか。徽舎というのが予約していた宿だ。本当にこんな路地に入っていって良いものかと冷や冷やしたものだが、安心した。

P1020465

 外観からは想像もつかなかったが、中国の昔ながらの旅籠のような感じで、古いながらもモダンなセンスを感じる内装だった。

P1020464

 部屋は二階だとのことで、案内される。

P1020463

 当時のデジカメは、まだ暗い所の性能があまりよくなかったな、と思い出す。少しボケているのはご容赦頂きたい。

P1020461

P1020462

 部屋もなかなか凝っていて、ベッドは木彫りの天蓋付き。繰り返すが、決して高級ホテルではない。日本で言うところのペンションという分類が正しいのだろう。この価格帯で、清潔でハイセンスであれば、文句はない。

P1020466

 こちらは中庭みたいなところ。丁寧に手入れされているのが見て取れる。

P1020467

 京都でも町家を改装した宿やカフェなどが人気を博している。それと似たような感じだと思う。ただ京都の町家カフェや宿は、どこもちょっと高価すぎる気がするのだけれど。


黄山徽舍民宿客栈
当時で日本円で一室二名6500円程度

【写真】2013年12月
【文章】2019年12月

中国安徽省の赤いネオンの飲食店街

P1020640

 中国安徽省の街にて。普通の飲食店が並んでいる界隈である。この辺りは『徽菜』あるいは『特色土菜』を謳った看板が並んでいた。地元の料理を出す食堂である。

 赤い。とにかく赤い。所謂いかがわしいお店が並んでいる界隈のようにも見えなくもないが、ごく普通の飲食店だ。コンパクトデジカメで撮った写真で、特に加工しているわけでもない。

 中国では、とにかく毒々しいくらいに赤い看板やネオンサインを見かけることも少なくない。目立つというのもあるし、縁起の良い色でもある。それに中国に於いて、赤は象徴的で特別な色であることも、もしかしたら影響しているのかも知れないとも思う。

 ちなみに2013年の大晦日の夜だった。一番手前の徽菜楼という食堂で夕食をとったはずなのだが、今となっては何を頼んだのかは覚えていない。

【写真】2013年12月
【文章】2018年2月

コスレスって何やねん

P1020663

 中華圏で見かけたコスレス・ビスケット。ロッテのコアラのマーチのパクリであろうことは一目瞭然である。パッケージの形もお馴染みの六角柱だ。しかし、なぜコスレスという名称なのか、そしてなぜそれがカタカナで書かれているのか、さっぱりわからない。

 パッケージの形を変えて、コアラの図柄にさえしなければ、パクリとの誹りを受けるほどでもないだろうに、と思って良く見てみると、パッケージに書かれている図柄はコアラっぽいが、製品一つ一つに書かれているのは、コアラではなくて熊のようだ。パクるならパクるでもっと精巧にすれば良いものを、この杜撰さはもはや笑いを提供するためかと思えるくらいだ。

 まぁ意匠や商標を参考にすることについては、どこまでが許され、どこまでが許されないかを判断するのは難しいし、私がここで是非を論じるつもりはない。法律上とモラル上では異なることもあるだろう。ただ、中国だけでなく、日本でもどこでも同じことだが、安易な真似では本来の実力はつかないし、オリジナルを越えるのも難しいのだろうとは思う。一時的に利益があがっても、すぐに撤退してしまうだけならともかく、市場を潰してしまった過去の事例も多々ある。そのことは、日本の大手企業も身に染みていることであるのだから。

【写真】2013年12月
【文章】2017年12月

合肥の公園にあった九獅子のオブジェ

P1020736

 合肥の市内の中心部は、水路とその脇にある公園でグルリと囲まれている。この公園は環城公園と呼ばれており、市内の逍遥津公園や包公園、杏花公園などの大きな公園にも繋がったりしている。私は一周ぐるりと回ったわけではないが、おそらく歩けば一時間では済まないほどの大きさだ。

 この公園の中に写真のオブジェが置いてあった。他にも公園内にも幾つか見られたが、なんとなく惹かれたこのオブジェだけが写真に残っていた。なかなかに勇壮で、均整のとれた佇まいに思えた。これが有名な作品なのか、何らかの由緒があるものなのか、遺物のフェイクなのか、近代芸術なのか、今となってはよくわからないが。

 場所ははっきりとは覚えていなかったが、地図を見ればある程度の見当はつけられる。Google Mapで探してみると、公園内の見当をつけた辺りに『九獅広場』という表記を見つけた。

 写真はわかりにくくて恐縮だが、このオブジェは鼎のような3本柱である。その一つ一つの柱に3体ずつあしらわれているのは獅子なのだろう。つまり3×3で九体の獅子のオブジェ。広場の名前はここから取られていると思われる。

 Googleストリートビューは中国の景色は見ることができないが、百度地図で見れば確認できたので、この位置で間違いない。

 昔だったら、この写真は「これってなんだっけ」で終わってしまったと思う。中国語のサイトを調べれば更に詳しく調べられるかも知れないが、それにしてもサッと調べるだけで、これだけの記憶がすぐに辿れるというのも、つくづく便利だと思う。ただ今まで忘れることによって整理されていた記憶や記録がどんどん残って溜まってしまうので、老化していくばかりの脳髄が着いていけずに溺れそうになっている感覚が増す一方だ。

【写真】2014年1月
【文章】2017年11月

生活を感じたりする古鎮の川

20140102_113738
 こちらは中国の安徽省にある三河古鎮。

 鎮というのは都市よりも小さい町のことを指す。中国や台湾に於ける行政区分の一つであるが、日本の『町』も行政区分であると同時に一般名詞であるのと同様、現在の中国では街(町)を表す一般名詞としても使用される。

 古鎮と呼ばれているのは、古い町並みが残されている小さな町で、観光産業に注力している中国では、観光地として開放されているところも多くなってきている。

20140102_113716

 観光地化されてきているとはいえ、そこに住む人のすべてが観光客相手の商売をしているわけではなく、あくまで古い町並みが保存されている地域である。その中では生活の営みを垣間見ることもしばしばだ。

 他の古鎮でもそうだが、よく見かけるのが、そこらへんの川や用水路なんかで洗濯をしている様子である。ともすれば、同じ川の水で食材や食器を洗っていたりもする。日本だって上水道や下水道が整備されたのは、そんなに遥かな昔というわけではないが、現代日本人の私としてはやはり環境面や衛生面を心配せずにはいられない。

 ただ都会でこのような風景を見ることはあまりない。やはり田舎ならではの話だ。中国は急速に発展している。このような光景も恐らくまもなく消えていって、数十年後の中国人が見れば驚く風景なのかも知れないな、と思う。

【写真】2014年1月
【文章】2017年8月
  
プロフィール
管理人:坂木
ただ行けるところまで行ってみたい。何もなくても構わない。何もないことを見に行く。そんな性癖を勝手に最果(さいはて)志向と名付けた。
職業は会社員。休みのたびにあてもなくフラリ旅に出てしまう。



記事検索
カテゴリー
ブログコミュニティ
いろいろな旅行ブログ
にほんブログ村 旅行ブログへ

いろいろなタイ旅行のブログ
にほんブログ村 旅行ブログ タイ旅行へ

いろいろな台湾旅行のブログ
にほんブログ村 旅行ブログ 台湾旅行へ

いろいろな中国旅行のブログ
にほんブログ村 旅行ブログ 中国旅行(チャイナ)へ
メッセージ

名前
メール
本文
Thanks for your visit (UU counts)

    2016/6/2開設