2013年の年末も近づいた頃、日本から杭州に飛び、バスで安徽省黄山までやってきた。
昔は新しい土地に着いたら、まずは宿探しと情報収集から始まったものだが、それらはもうネットで手軽にできる時代だ。基本的にあまり旅程を決めない放浪旅でも、次の目的地を決めたら宿の確保と情報収集は即日済ませられる。便利になったものだ。
ただし、この黄山はとりあえず決めていた第一の目的地だったので、日本にいる間に予約しておいた。民宿とかいてあって、超安宿ではないが決して高くはない宿だ。
そして予定通り、バスターミナルから公交(市内の路線バス)で近くまで来ることができたわけだが、ここで困った。それらしき建物が見つからないどころか、そのような道路もない。大まかなで不正確な地図から無理に読み取ってみると、どうやらこの細い細い路地の奥にあるのかも知れない。このような路地の先にホテルがあるなどとは少し考えにくいことではあるのだが、他に宛もないのでキャリーバッグを抱えて進んでみることにした。
すると確かにあるではないか。徽舎というのが予約していた宿だ。本当にこんな路地に入っていって良いものかと冷や冷やしたものだが、安心した。
外観からは想像もつかなかったが、中国の昔ながらの旅籠のような感じで、古いながらもモダンなセンスを感じる内装だった。
部屋は二階だとのことで、案内される。
当時のデジカメは、まだ暗い所の性能があまりよくなかったな、と思い出す。少しボケているのはご容赦頂きたい。
部屋もなかなか凝っていて、ベッドは木彫りの天蓋付き。繰り返すが、決して高級ホテルではない。日本で言うところのペンションという分類が正しいのだろう。この価格帯で、清潔でハイセンスであれば、文句はない。
こちらは中庭みたいなところ。丁寧に手入れされているのが見て取れる。
京都でも町家を改装した宿やカフェなどが人気を博している。それと似たような感じだと思う。ただ京都の町家カフェや宿は、どこもちょっと高価すぎる気がするのだけれど。
黄山徽舍民宿客栈
当時で日本円で一室二名6500円程度
【写真】2013年12月
【文章】2019年12月