最果志向 ~放浪家坂木さんの足跡~

この数十年の放浪履歴を元に思ったこと・感じたことなどを訪問者の目線で綴る『旅エッセイ』ブログ。たまに自作の音楽の紹介。

四国 Shikoku

【坂木より】
2016年6月2日開設。現状一日1~2記事の更新です。皆様と『最果(さいはて)志向』と『漂泊の思い』を共有できれば幸いです。たまに昔作った音楽も公開しています。

恐らく四国へ向かった時の取り損ねの写真

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 昔、私がまだ海外に行ったこともなく、日本全国を放浪し始めた頃のネガを見つけた。雑誌の付録に付いていたような『写ルンです』と同様の超チープな銀塩カメラを使っていた時代の話だ。

 当ブログの初期の記事でも書いているが、昔の写真はあまりない。そして残っている数少ない写真の中にも、ひどい取り損ねが多い。カメラの性能が酷過ぎることもあったし、今のように撮ってすぐ確認して悪ければ消して撮り直し、ということもできないので、きちんと撮れているかどうかは一種の神頼み的なものだった。

 この写真もあまり性能のよくないカメラで、暗いところで撮っていたので、よく撮れていない。この時は一人旅だったはずなので、誰かに撮ってもらったのかも知れないが、それもよく覚えていない。タイムスタンプもないので、正直いつのものかはわからない。そんな中だが、写真を元に薄れつつある記憶を手繰ってみた。

 おそらく1994年頃に四国へ行った時に、夜行の快速列車『ムーンライト高知』に乗り込む時だったような気がする。確か松山に行きたかったのだけれど、当時ムーンライト号は高知行きしかなかったので、ついでに高知経由で放浪しつつ松山に向かった。確か翌年にムーンライト松山号も運行開始されたので、もう1年早くしてくれれば、と思った記憶がある。

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 これは車内で撮ったものらしき写真。たぶん鏡を使って自分を写そうと試みたものだろう。もちろん今となっては覚えていないが。

 今の時代でもカメラにセルフタイマーの機能はついているが、使っている人はあまり見かけない。そりゃあ、今の時代は出来栄えを確認しながら自撮りできるのだから、セルフタイマーを使う必要もない。便利になったものだ。

 とはいえ、このような撮り損ねの写真でも、記憶を呼び起こす鍵にはなってくれることもある。中にはなんの写真だかさっぱりわからないものもあるが…。

【写真】1994年5月(おそらく)
【文章】2017年12月

縁がある街と繁華街

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 人生において、元々はその土地に何の縁がなかったにも関わらず、なぜか奇縁ができて何度も足を運ぶことになった土地というのはないだろうか。配偶者の故郷であったり、得意先の工場がある街に何度も訪れたり、親友が引っ越したので遊びに行ったり。人生と旅には様々な機縁があるように思う。

 私の場合は愛媛県がそんな縁がある土地の一つだ。学生の頃にもある活動で松山大学と一緒にやることになり、合同練習で何度か訪れたり、ブラリ旅で訪れたこともある。その後、南予の出身者が伴侶となったので、結婚してからも度々訪れる機会があった。

 ところで東京や大阪などの一部の大都市を除くと、たいていの地方都市では賑わっている繁華街が決まっている。東京のように夜の街、昼の街があったり、特色や客層で地域がわかれておらず、その繁華街周辺にそれらすべてが密集しているのが常である。

 行ったことがない都市だと案外繁華街の呼び名に馴染みがなかったりもする。その土地の人なら常識レベルで子供でも知っているのに、外からの人は意外と知らないことも多くて面白い。名古屋なら栄、京都なら四条河原町、福岡なら天神、このあたりは有名だが、盛岡なら大通、鹿児島なら天文館、などになってくると、なかなかご存じない人も多いのかも知れない。各都市必ずしも一カ所だけというわけではないが、代表的なものを挙げた。もちろん駅周辺が栄えていることも多い。

 松山なら繁華街といえば大街道に銀天街である。大街道は「おおかいどう」と読む。写真は松山随一の繁華街である大街道の様子であるが、まだ朝早い時間帯であったので、少し落ち着いた雰囲気である。

 家内が言うに、子供のころは松山が日本で一番都会だと思っていた、とのことだ。私も高校生くらいまでは、街に出かけて遊んだり買い物をすると言えば、四条河原町周辺を指していた。地方都市の繁華街は、その周辺に住む人々の想いや文化がギュッと詰まった場所で、だから楽しいのかもしれない。もちろんそれは日本だけに限った話ではない。

【写真】2013年1月
【文章】2017年10月

鍰で作った煉瓦…そもそも鍰とは何?

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 鍰。何だか読めそうで読めない字である。

 一応数十年前に漢字検定一級に合格している身なれど、随分老化しているし、日々勉強しているわけではないので、日常的に身の回りで触れないものについては読み書きできない漢字は増えた。実際、鍰も特定の職業に就いていなければ、一般人が日常的に使うものではない。

 鍰はカラミと読む。と言われても、何の事だかわからない方が多いだろう。スラグあるいは鉱滓(こうさい)と呼ばれるものの一種である。この文字を見れば推測できるかも知れない。

 鉱滓は鉱石から治金対象の金属を取り出した後の残滓であるが、特に非鉄金属の鉱滓を鍰と呼ぶ。写真は銅鉱石から銅を分離させたあとのものだ。

 金属の精錬工程では、高熱で溶かした鉱石を化学的に分離させる。このとき要らなくなった部分を型に流し込んで煉瓦を作ることもあったそうだ。写真は四国の別子銅山のものであるが、足尾銅山でも同様の鍰煉瓦が遺構に残されていると聞く。

 非鉄金属の鉱滓にしても、鉄の鉱滓にしても、実はそのまま野に捨てると、重大な環境汚染を引き起こす可能性がある産業廃棄物である。過去に何度も環境汚染を発生させた歴史もある。金属の精錬における公害としては、鉱滓に加えて、煙害が派手に社会問題になった時期もあった。

 原子力発電所の廃棄物については広く問題が認識されているが、金属産業における廃棄物の問題はあまりにも関心が払われていないようにも見受けられる。たしかに放射能という特性は違うのだが、何かあれば重大な汚染を引き起こすということでは変わらないはずなのだ。

 だから昔に戻そうなんて言う気はない。ただ、我々が経済発展やそれに準じた豊かな暮らしを享受する一方で、目をつぶってきたり、知らないフリをしてきたり、後世に負債を残すようなやり方をしている部分があれば、きちんと知った上で、向き合わなければならないのだろうと思う。そして今に生きる者として、まだまだ知らなければならないことも多いのだと感じる。

【写真】2017年1月
【文章】2017年7月

松山城からの眺望と日本の風景に於ける海の存在

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 こちらは愛媛県の松山城からの眺望。たぶん海が近い西の方角を望んでいたのだと思う。

 私にとって松山は不思議と縁がある土地で、学生の頃から何度も訪れている。自分のクルマはもちろん、大阪や神戸からフェリーで来たこともあるし、鉄道で来たことも、高知まで鉄道でそこからバスで来たこともある。

 だが松山城には確か二度くらいしか訪れていないし、天守に登ったのは一度だけだ。有料だから、ということもあるが。


 ところで、やはり海が見える眺望というのは、やはり良いものだと思う。奥に海があることで、手前の街並みも一層映えるような気がする。

 考えてみれば、日本三景の松島・宮島・天橋立、それに日本三大夜景の函館・神戸・長崎と、昼と夜のそれぞれ三大と呼ばれる美景地では、すべてその眺望に海が入る。

 日本は島国ではあるが、平野が少なく、国土の多くを山岳地帯が占める山国でもある。山の風景にもたくさんの美景があることは私も知っている。しかし昼夜それぞれの三大美景には一つも挙がらないことから考えると、やはり日本の美景には海が欠かせないのかも知れない、と思ったりするのだ。

【写真】2005年11月
【文章】2017年7月

ダイハツミゼットの消防車 (愛媛県)

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 先日の記事からのミゼット繋がりで。

 こちらは愛媛県新居浜市の別子銅山跡地のマイントピア別子にて展示されているMP型のミゼット。消防車に改造したミゼットは、昔はしばしば見られたものだが、今では現存しているのは珍しいのではないかと思う。

 こちらは製錬所が沖合の四阪島に移った後、小回りが利くということで、島内で重宝されていたものだとのこと。島内は住友金属鉱山の私有地なので、道交法は適用されず、無免許でも運転可能だったのだとか。そう説明書きがあるということは、実際に免許を持っていない若い工員などが運転したこともあったのだろう。


 別子鉱山は、住友家が江戸時代より経営しており、住友グループの源流企業である住友金属鉱山の中核であった。近世においては近代化を図って国の発展にも大きく寄与し、住友が日本を代表する巨大財閥となる礎となった。鉱山跡地もまた興味深いものがたくさんあったので、またの機会に書きとめておきたいと思っている。

 近代化の話は、確か2016年初頃のドラマでも描かれた。なかなか面白かったので、もし再放送など、ご覧になる機会があれば私的にはお勧めしたい。




【写真】2017年1月
【文章】2017年5月
  
プロフィール
管理人:坂木
ただ行けるところまで行ってみたい。何もなくても構わない。何もないことを見に行く。そんな性癖を勝手に最果(さいはて)志向と名付けた。
職業は会社員。休みのたびにあてもなくフラリ旅に出てしまう。



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