タイ最東の県都ウボン・ラーチャターニーにあるお寺ワット・トゥンシームアン。ワット・トゥンシームアンの境内に入ると、すぐ目前にこの建物が見える。これは経蔵、すなわち経典などの保管庫である。
ビルマやラオスの様式が混じっているらしき多層の屋根も印象的であるが、さらに特徴的なのが池の上に建てられていることである。昔は大切な経典などは木の葉を乾かしたものに記していたが、これに虫が付くのを防ぐため、ということらしい。
私的には、池の上に建てたら虫はつかなくても、湿気でボロボロになってしまう心配はないのかと思ったりもする。南国はカラッとしているイメージがあるかも知れないが、バンコクでもこの寺があるウボンでも、ほぼ年間通じて東京よりも湿度は高い。平均湿度は70%を超える高温多湿な気候である。
とはいえ、長年こうやって保管してきているのだから、当然それは杞憂に過ぎない、ということである。もしかしたら建物あるいは経典そのものに、何らかの工夫があるのかも知れない。
【写真】2005年8月
【文章】2006年10月 2016年6月改訂