最果志向 ~放浪家坂木さんの足跡~

この数十年の放浪履歴を元に思ったこと・感じたことなどを訪問者の目線で綴る『旅エッセイ』ブログ。たまに自作の音楽の紹介。

台北

【坂木より】
2016年6月2日開設。現状一日1~2記事の更新です。皆様と『最果(さいはて)志向』と『漂泊の思い』を共有できれば幸いです。たまに昔作った音楽も公開しています。

一人旅はつい食べ過ぎてしまうという話

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 やはり旅に出ると、たくさんの種類の食べ物、できればこれまで食べたことも、いや想像すらしたこともないような美味しいものにも出会ってみたい。人生で二度とその地には来られないかも知れない異国の地であれば、余計に焦燥にも似た思いで求めてしまう。

 あれもこれも食べておきたい、ということで、つい食事でたくさんの種類のものを頼んでしまう。複数で訪れているならシェアすればよいのだが、一人だとなかなか食べきれない量が出てくることも多い。

 この台湾の一人旅の時もそうだった。白ご飯よりは魯肉飯を食べておきたいよね、鴨は大好きだから食べておきたい、ビールのアテに臭豆腐もいいね、汁物も欲しい、なんてノリで頼んでいくと、ものすごい量になってしまった。

 ただし、最近ではかなり減ったが、私は元々大食いなほうである。この時もほとんど残さず食べているが、さすがにお腹いっぱいになった。お店の人は結構驚いていたようだった。本来なら2~3人で食べるくらいの量ではある。

 私は一人旅は別に嫌いではない。昔から考えると、放浪旅の半分以上は一人旅であったが、好きなところを好きなだけ、自分のペースでみたり移動したりできるのは気楽で良いと思っている。ただ、食事だけは、気の合う人と一緒の方が良い。複数でシェアできるほうが倍楽しめる。

【写真】2008年12月
【文章】2018年11月

懐かしのバニラコーク台湾版

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 若干ぶれている写真しか残っていなかったこと、ご容赦頂きたい。

 二十代以上の方は懐かしく思われる方もいらっしゃるかも知れないが、一時期バニラコークというのが日本でも売られていたことがある。その名の通り、バニラの風味がするコーラである。

 私は結構気に入って飲んでいたのであるが、残念なことに日本ではあまり人気がなかったようで、すぐに販売されなくなってしまった。しかし海外では事情が異なるようで、日本が販売中止になってからでも売られていたので、旅で訪れた台湾や香港などで見かけて購入したものだった。とはいえ、あまり意識していなかったが、今となっては海外でも見なくなって久しいような気がする。

 後に復刻で出たこともあったと思うが、それもすぐになくなってしまって再び残念な思いだった。日本では健康志向が強くて普通のコーラでさえ忌避されがちだが、バニラコークやチェリーコークなどのフレーバー系もあまり好かれないのかも知れない。

 たまにあの味が懐かしくなる時があるが、もしかしたらコーラに少しばかりバニラエッセンスを垂らせば、簡単に再現できるのかも知れない。ただし試したことはない。


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 画像:Wikipediaより拝借

 もしアルコールOKであれば、お勧めはキャプテンモルガン(Captain Morgan)のコーラ割である。

 キャプテンモルガンはラム酒の銘柄の一つであるが、スパイストラム(Spiced Rum)と呼ばれる香草などで香り付けしたラム酒である。いくつか種類があるが、一番よく見かけるORIGINAL SPICED GOLDと書いてある黄金色の瓶が良い。

 それを普通のコーラで割る。間違えてはいけない、ダイエットとかゼロとかではなく、普通のコーラだ。そうするとアルコール入りではあるが、当時のバニラコークを思わせるカクテルのできあがりである。バニラコーク好きで、アルコールOKの方は是非お試しいただきたい。

【写真】2003年8月
【文章】2018年9月



台北の青果卸売市場

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 台北の街を歩いていると、大きな青果市場を見つけた。

 「台北市第二果菜批發市場」と書いてあった。『果菜』は文字通り果物や野菜、すなわち日本で言うところの『青果』であろう。『批發』という単語はわからなかったが、下の英語表記にwholesaleと書いてあったので卸売りのことだとわかった。

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 この日はちょうど元日の朝だったが、結構な活気を見せていた。旅行者が訪れるような場所ではないのかも知れないが、特に部外者が入ってはいけない様子ではなかったので、物見遊山にお邪魔してみることにした。

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 ずらりと並ぶ八百屋と果物屋さん。日本の青果卸売市場と似たような光景であるが、商品を見ると日本ではあまり見慣れないものも多く並ぶ。

 ただし、こちらは一目瞭然の物見遊山の旅行者なので、あまり近くで写真を撮るのも憚られた。

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 さすがに卸売市場だけあって、販売単位はたいてい箱やケース単位のようだった。少しだけ求めれば売ってくれたのかどうかはわからない。

 写真は若干加工しているが、中はもう少し薄暗かった。当時の安物カメラで雑に撮った写真のほとんどはブレてしまっていた。

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 卸売市場の中だったか脇だったかは失念してしまったが、すぐ傍に肉屋さんもあった。中国や台湾、あるいは東南アジアなどの市場では、肉屋さんで精肉の処理をしている光景をよく見かける。日本では、私が子供の頃には見かけたものだが、20世紀終わり頃より次第に減っていったように思う。

【写真】2010年1月
【文章】2018年8月

台湾とパンダと政権

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 台湾でもパンダは人気がある。ただしここで言うパンダはジャイアントパンダのことだとご理解頂きたい。台北の動物園でもパンダに会える。街中では写真のような看板も見つけた。とはいえ、パンダは中国の象徴的な動物の一つではあっても、台湾で象徴的とは言えないと思う。

 そもそもパンダは中華圏全域に生息するわけではない。中国の中でも、四川省などの限られた極々狭いエリアに生息しているだけだ。だから台北の動物園にいるパンダも、元々台湾にいたものではなく、中国から寄贈されたものである。

 ご存知の通り、中国はパンダを外交カードとして使っており、『パンダ外交』などと揶揄されている。日本に初めてパンダがやってきたのは私が生まれる直前、1972年の日中国交正常化を記念してのものだった。台湾にパンダがやってきたのは、日本と比較すると非常に記憶に新しい話で、確か2006年のことである。

 中国と台湾(中華民国)とのバランスは非常に微妙である。そもそも中国は台湾を国とは認めていないし、台湾でも常に親中派と対中派が議論を戦わせている。中国がパンダの贈呈を決めたのも、いわゆる対中派である民進党の陳水扁政権への揺さぶりと言われている。ただし台湾と協議して決まったわけではなく、中国の一方的な発表だったので、受け入れ態勢の問題などもあり、台湾では大きな話題になった。

 揺さぶりが直接的に功を奏したのかは定かでないが、それから2年も経たない2008年、8年続いた民進党政権から、親中派の国民党に政権が戻る。そしてさらに8年後、次はもう一度民進党に政権が移り、中華圏初の女性指導者、蔡英文政権が誕生する。

 愛らしく人気者のパンダであるが、それを飼育したり、自然淘汰から保護したりするのも、そもそも人間のエゴなのかも知れない。そして彼らとはなんら関係のない国同士の駆け引きに使われるというのもまたエゴなのだろうと思う。その善悪は私にはわからないが。

【写真】2010年1月
【文章】2018年8月

わかりやすい台北のバス停の表示

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 東アジアの大都市の公共交通では、バスが大活躍していることが多い。日本の場合、地下鉄などのコミュータートレインが発達している東京や大阪の中心部では主役の座を譲っている感もあるが、それ以外の都市はやはりバスが主役であることが多いと思う。

 台湾の首都台北に於いても、地下鉄の路線網はかなり発達しているものの、隅々までは行き届かないこともあり、バスはまだまだ都市交通の主役であるように思えた。

 以前の記事で記したが、私は旅行中の市内の移動では、好んで路線バスを利用する。しかし、特に言葉に不自由な観光客にとって、市内の路線バスを使うのは少しばかり敷居が高いとも思う。というのも、たいてい路線が複雑で、どの路線番号のバスに乗ればどこに行くのか、行きたい場所に行けるのか、よくわからない。そして地元の人でも自分のよく使う路線以外は把握していない場合が多いので、人に聞いても答えが返ってくる確率が低い。

 その意味では、台北の路線バスは非常に使いやすい。ほぼすべてのバス停に写真のような表示があって、路線図やすべての停留所、地下鉄との乗り換え停留所、現在地と方向、始発・終発の時刻や運転間隔などがすべて記載されているのだ。手持ちの地図と見比べれば、大抵把握することができる。

 アジアの他の国のバス停の表示も、わかりやすいように改善されてきているように思うが、土地勘のない人にはまだ難しいように思う。実際、台北のこの表示も外国人観光客向けというわけではなく、英語表記もない。漢字が読めなければ理解するのは難しいし、中国語を理解できないのにこの表示がわかりやすいと思えるのは、日本人だけかも知れない。

 現代では表示されているQRコードをスマホ読み取ることで情報を得られるバス停もあるようだ。そこまでではなくても、携帯端末等でその場ですぐに路線図などを調べられるようになったので、このような表示がなくてもなんとかなるようになってきている。デジタル化や技術の高度化によって、物理的に現地に提供あるいは更新することが難しかった情報が隅々までいきわたり、常に最新のものが提供される。世の中はそういったことが可能なインフラに取って代わられてきている。それはバス停だけに限ったことではないが。

【写真】2008年12月
【文章】2018年8月


  
プロフィール
管理人:坂木
ただ行けるところまで行ってみたい。何もなくても構わない。何もないことを見に行く。そんな性癖を勝手に最果(さいはて)志向と名付けた。
職業は会社員。休みのたびにあてもなくフラリ旅に出てしまう。



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