最果志向 ~放浪家坂木さんの足跡~

この数十年の放浪履歴を元に思ったこと・感じたことなどを訪問者の目線で綴る『旅エッセイ』ブログ。たまに自作の音楽の紹介。

NakhonRatchasima ナコーンラーチャシーマー

【坂木より】
2016年6月2日開設。現状一日1~2記事の更新です。皆様と『最果(さいはて)志向』と『漂泊の思い』を共有できれば幸いです。たまに昔作った音楽も公開しています。

準備中の夜市を覗く

55

 こちらはタイの東北部(イサーン)の玄関口、タイ第二の都市ナコーンラーチャシーマー(通称コラート)の旧市街にある夜市が行われる通り。

 夜だけ通りに露店が出るナイトマーケットは、タイに限った話ではなく、アジア圏で広く見られる。観光地化しているところもあるが、たいていは地元の人々も多く訪れて活気に満ちている。

 こういったナイトマーケットがある場所では、夕刻になるとお店の人が大きな荷物を抱えてやってきて、店を出す準備を始める。

 旅に行ったとき、機会があればこういった夜市の準備しているのを覗いてみるのも楽しい。私もこのコラートに限らず、色々な国の色々な街で、夕刻の準備中の夜市を散策している。

 何を買うわけでも食べるわけでもない。慣れた手つきで屋台を組み立てているお兄さん、綺麗に商品を並べるお姉さん、食べ物の仕込みに大忙しのおばさん、準備を早々に終えて暇そうに煙草を吹かしているおじさん、そういった情景がワクワクするというか、運動会とか文化祭の準備をしているような、忙しいけれど静かというか、不思議な雰囲気がただ楽しいのだ。

11

 同じ日の夜。上の写真よりも2時間程度後、夜市が開いた頃にもう一度やってきた。だいたい同じ場所で撮っているので、なんとなく違いはおわかり頂けると思う。

 準備中の時間はまさに『嵐の前の静けさ』だった。夜市の喧噪と活気は2時間前と同じ場所とは思えない。

 旅の時間の使い方として、こういうのは確かに無駄で非効率なのかも知れないけれど、実は遊びの本質はほとんどが無駄なものなのかも知れない。それを生業としている人は別だが、雪の上を滑るのも、グライダーで空を飛ぶのも、楽器を奏でるのも、山に登るのも、基本的に無駄だからこそ非日常的で自由で楽しいのかも知れない。

 ただ、実際は無駄な経験のほとんどは無駄にはならないのだけれど。少なくともこうしてブログのネタにはなって、一部の物好きな読者様に鼻で笑ってもらうことくらいはできると思う。

【写真】2005年8月
【文章】2017年10月

興味を惹かれる異国のスイーツの屋台

10

 現代では国によって規制が厳しくなってきている国もあるが、やはりアジア圏では屋台文化が根付いているところが多い。もちろん雑貨などを売る屋台もあるが、やはり屋台の花形は飲食物ではないだろうか。モノを買うのは普通のお店でも変わらないが、食べ物の場合はすぐ目の前で調理してくれる臨場感が良いのだと思う。

 定番から変わり種まで屋台は色々見るけれど、なかなか興味深い店が多いと感じるのが、デザート・スイーツの屋台だ。マンゴーともち米のスイーツを買った話を以前の記事で紹介したが、スイーツの世界というのは、フルーツ等の材料も日本とは違うものが多く、その食べ方やアレンジも日本ではほとんど知られていないものが多いと思える。

 タイのコラートで出会った写真の屋台も、一見なんの屋台だかわからなかった。聞いてみると、ローイゲーオというスイーツで、果物をシロップに浮かべたもの。実はタイでは定番スイーツの一つである。ローイは浮かぶ、ゲーオはグラスのことなので、なんとなく想像できるような気がした。

 とはいえ、当時は何の果物かもわからなかったし、どうやって食べるのか、中に何が入っているのかも、旅行者の私には見当もつかなかった。

02

 屋台のわきにも置いてあるが、入っているのはルークターンと呼ばれる果物。白くてぷにぷにの果実である。

 屋台の張り紙に文字が書いてあったので、とりあえず音はわかる。タイ文字は表音文字なので、意味がわからなくても文字に対応する音だけ覚えておくと大変便利であるのは、以前の記事でも書いた通りである。

ลูกตาลルークターン  ลอยแก้วローイゲーオ

【写真】2007年5月
【文章】2017年8月

タイの街に残る古い城壁の門

43

 日本に於いて城壁と言えば、文字通りお城にある壁であり、都市の防御用の壁が残っているところはほぼない。戦国時代以降の歴史や文化が背景にあるわけだが、世界的に見れば街に防御壁がないのは珍しいように思う。

 都市そのものを要塞化して防御するために、街の周囲や内側にも幾重かに城壁を築いているところは、欧米をはじめ世界中の至るところで見受けられる。

 タイもその例に漏れず、基本的には歴史のある町には城壁があったようだ。スコータイ時代やアユタヤー時代から続く都市、あるいはその時代の遺跡においても城壁や跡が残っている。

 タイ中見回しても、多くの地方都市で修復や復元されて残っている。写真に見えるタイ第二の都市ナコン・ラーチャシーマ(通称コラート)にも、古い城壁や城門の跡が残っている。これはどうやら先日紹介した現代の街の玄関口に見えるオブジェ的な門とは違ったものに思える。

 現代ではたいてい街は膨張しているので、街は城壁の中に納まりきらず外にも広がっている。タイの都市では、古い城壁に囲まれたエリアを『ムアン・カオ(=古い街、旧市街)』と呼んでいる場合が多い。このムアンカオは、スコータイやアユタヤーでは古い城壁に囲まれた遺跡公園を指しているが、コラートを含む多くの都市に於いては現代まで至る街の中心のエリアである。

 コラートの中心部は、古い城壁の内側である旧市街と、その西側を中心に広がる新市街とにわかれる。どちらかというと新市街のほうが大型店舗などもあって昼間は賑わっているが、旧市街に大きな夜市(ナイトバザール)があったりして、旧市街が寂びれているわけでもなかった。

 ちょうど城門や城壁が、この旧市街と新市街とを分ける境目になるのである。つまり昔は町の端であったところが、現代ではちょうど街の一番中心近くになっているわけだ。

ちなみに以前紹介したタイのジャンヌダルクと称されるモー夫人(タオ・スラナリ)の像も、この付近にある。

【写真】2005年8月
【文章】2017年3月

雨仕様のトゥクトゥクと旅行中の雨に思うこと

48

 ナコーンラーチャシーマ(コラート)で見た雨仕様のトゥクトゥク。雨が降った時にお客さんを乗せる場合は、このような雨避けのカバーを取り付けられる仕様となっていた。コラートではいくつかこの仕様のものを見たが、バンコクではほとんど見かけなかったような気がする。

 はっきり覚えていないのは、私が強烈に晴れ運が強いからかも知れない。旅行で雨が降った記憶は非常に少ないし、降ってもすぐに止んだり、移動中や夜間だけ降ることもある。盆休みの8月すなわち雨季にタイを訪問しても同じだ。この時もちょうどコラートからバンコクに移動するときに雨が降り出したのだが、バンコクに着くと雨は降っていなかった。

 普通に考えると、雨は難儀なものだ。清少納言は枕草子で「雨が降るのも情緒があって良い(雨など降るもおかし)」などと言っているが、普通に生活をしていたりすると、そんな悠長なことは言ってられない場合が大半ではないだろうか。

 昔読んだ『銀河鉄道999』の中に「鉄郎は雨や雪がきらいだ。雨や雪がすきなひとは、いつも安全な屋根の下に育った人に違いないと固く信じている。」という言葉があり、とても印象に残っている。リアルな社会では、皆それなりにやらなければならないことを抱えている。仕事や通勤、あるいは通学、買い物などをする中で、雨雪が好ましい人はいないとは言わないが、多くはないはずだ。

 ただ、もしかしたら雨は放浪旅行者にとってはそんなに悪いものではないのかも知れない。晴れの日とは違った面が見えたりするし、旅程なんて雨でもできることに変えてしまえばいいのだ。これもまためぐりあわせ、すなわち縁のものである。
 しかし、それはやらなければならないことや行かなければならない場所を抱えていないからであろう。だからこそ非日常では心の余裕ができるのだと思っている。

 日々の生活を送る中ではそうはいかないし、行かなければならないところがあるという点ではツアー旅行も似ているのかも知れない。

【写真】2007年5月
【文章】2016年7月

お釈迦様と4匹の守護犬

41

 タイ ナコーンラーチャシーマー(コラート)の名刹ワットパヤップにて。

 中庭のようなところに仏像が設置されていたのだが、その周囲には4匹の犬がまるで守護するかのように涼んでいた。バスターミナルの犬の記事でもそうだったが、やはり石の地面が日陰になると、ひんやりして気持ちがいいのだと思う。

 ブッダと信心深い犬たちが心を通わせていて、ブッダは犬たちを守りつつ穏やかに瞑想し、犬たちはその瞑想の妨げとなるものを見張っている、そんな風にも見えた。

【写真】2007年5月
【文章】2016年6月

  
プロフィール
管理人:坂木
ただ行けるところまで行ってみたい。何もなくても構わない。何もないことを見に行く。そんな性癖を勝手に最果(さいはて)志向と名付けた。
職業は会社員。休みのたびにあてもなくフラリ旅に出てしまう。



記事検索
カテゴリー
ブログコミュニティ
いろいろな旅行ブログ
にほんブログ村 旅行ブログへ

いろいろなタイ旅行のブログ
にほんブログ村 旅行ブログ タイ旅行へ

いろいろな台湾旅行のブログ
にほんブログ村 旅行ブログ 台湾旅行へ

いろいろな中国旅行のブログ
にほんブログ村 旅行ブログ 中国旅行(チャイナ)へ
メッセージ

名前
メール
本文
Thanks for your visit (UU counts)

    2016/6/2開設