最果志向 ~放浪家坂木さんの足跡~

この数十年の放浪履歴を元に思ったこと・感じたことなどを訪問者の目線で綴る『旅エッセイ』ブログ。たまに自作の音楽の紹介。

雲南省

【坂木より】
2016年6月2日開設。現状一日1~2記事の更新です。皆様と『最果(さいはて)志向』と『漂泊の思い』を共有できれば幸いです。たまに昔作った音楽も公開しています。

二つの『三眼井』 雲南省ナシ族の村と金門島の村落

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 こちらは雲南省麗江の古鎮にある『三眼井』、三つ目の井戸という意味であるのはすぐにわかる。

 中国の雲南省やその周辺に多いナシ族(納西族)の伝統的な上水道だとのことである。3つに区切った水場の最上流を飲用、真ん中を野菜を洗う用、最下流をその他の洗浄用とすることで、貴重な水資源を皆で上手に使うための工夫である。確かに飲用や野菜を洗うときに、魚や肉を洗った生臭い水や、洗濯した後の汚れた水は使いたくない。昔はそういう諍いが多く発生していたのだろうし、それはここだけに限った話でもないだろう。

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 別の場所で、同じ『三眼井』という名の上水道に出会った。台湾、といっても本島より福建省厦門に近い金門島にある南山という集落内である。

 ナシ族の三眼井とは形状は大きく異なる。恐らくその目的・用途も異なると思うのだが、こちらは何の説明も資料もないので、なんのために三つ目にしているのかはわからなかった。

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 中を覗いてみたが、真っ暗でよくわからない。少なくとも現在では使われていないようだ。中で繋がっているように思えたが、それなら余計になぜ三つ目にしているのか疑問である。三人が一度に取水できるように、だろうか。

 また『三眼井』で検索してみると、中国各地にいくつか散在している。同じものを指しているのかもわからないし、そもそも単なる地名としてなのか、史跡や名勝としてなのかはわからない。が、各地にあるのだとしたら、これまたルーツや由来にも興味が出てくるのである。

とりあえず覚えている内に、2つの三眼井の場所を記録しておくことにする。




【写真】上:2012年8月 中・下:2019年1月
【文章】2019年8月

トンパ文字と漢字

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 中国雲南省の麗江はナシ族の中心地である。今ではずいぶん漢字文化に侵食されているが、それでも麗江とその周辺は世界で唯一象形文字が残る地域として有名だ。これまでにも何度か当ブログで紹介しているので、ご興味ある方は右の記事検索欄で『象形文字』あるいは『トンパ文字』で検索頂けると幸いである。

 これを見て思うに、このような文字を書くのは大変だろうなぁと思うのは、おそらく我々日本人には普通の感覚ではないかと思う。

 が、よく考えてみると、漢字も元々はこの象形文字が簡略されたものである。それをベースとして、意味や音などから法則化して他の文字が作られている。我々日本人(もちろん中国人も)は慣れているが、表音文字のアルファベットを使っている人々からすると、やはり漢字を覚えて使いこなすは複雑で大変なのだそうだ。これは、我々がトンパ文字を見た時の感覚と似ているのかも知れないと思う。

【写真】2012年8月
【文章】2019年3月

洱海(ジ海)

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 洱海(ジ海)は中国の雲南省大理にある大きな湖である。湖面が海抜約二千メートル、周囲は四~五千メートル級の山々に囲まれている。

 大理周辺は漢民族ではなくペー族(漢語ではパイ族と呼ばれている)が多い地域である。独立した国があった時代もあるが、今では中国の一部となり、漢化も進んでいる。この洱海は昔からペー族の生活を支えてきた湖で、今でもペー族によって漁や魚の養殖、あるいは農業、飲料水などに利用されている。

 この洱海、私的には日本の琵琶湖とイメージが重なるところがあるように思う。上述のような湖岸の人々の生活と密着してきた湖ということもそうだが、南北に長い湖で、湖に流入する川はいくつかあるが、湖から流出する川は湖の南端近くに一本あるだけ、という地形的な特徴も似ている。

 そして湖から一本だけ流れ出る西洱河は瀾滄江を経て、下流はインドシナ半島の母なる川メコンとなる。当ブログでもタイやラオスなどの記事で多数メコンを写しているものがある。東南アジアで見てきた茶色い川の源の一つがここだと思うと、感慨深いものがあった。

【写真】2012年8月
【文章】2018年10月

KFCやピザハットを象形文字で書くと…

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 街並みが世界遺産に指定されている雲南省の麗江。以前の記事でも何度か紹介しているが、象形文字が現在でも使われている珍しい地である。
 参考記事:当ブログ『麗江 象形文字』記事検索結果

 写真のKFCも、肯徳基、KFC、象形文字と3種類記載されている。ちなみに中国語表記はKentuckyの音にあてたものだ。日本語の”ケンタッキー”という音とは全く違うのだが、なぜかKentuckyのように聞こえるから不思議だ。

 有数の観光地だけあって、その周辺の街並みも観光地化しており、綺麗に整備されすぎているのは少しばかり残念な気もするが、趣や景観が近代的な風景に壊されるよりは良い。良いのか悪いのかはわからないが、中国の昨今の観光業への注力は、日本よりもはるかに凄まじいと感じる。

 そういえば京都では古都のイメージを壊さないよう、飲食店やコンビニなど多くの企業のチェーン店の店の外装やロゴで、派手さを控えた特別な色合いが見られることがある。マクドナルドの看板に赤がなかったり、吉野家にオレンジがなかったり、セブンイレブンがモノトーンになっていたり。ただし、京都の場合は派手な看板を控える条例は一応あるのだが、あくまで自主規制に近いものである。

 中国の場合は、こういう景区には国家が規制をしてしまって、許可がなければ自由にデザインできないのだろうとは思う。

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 ピザハットも御覧の通り、英語・中国語・象形文字の三種類の文字で表記。

 日本ではピザハットは宅配ピザ屋さんという印象だが、中国ではイタリアンレストランという営業形態しか私は見たことがない。

 ちなみに中国語では必胜客(=必勝客)と書くのだが、これも一応PizzaHutの当て字だと思う。ただし中国語でピザのことは披萨と書いて、こちらはそのままピザという発音に近い。必勝客は少しPizzaHutの音からは外れてしまうが、以前にもリラックマの中国語表記について書いた通り、中国語の当て字は音だけでなくその意味も考えつつ付けられたと思えるものも多い。その工夫を想像してみるのもまた楽しい。

【写真】2012年8月
【文章】2018年8月

ジュークボックスおじさんと熱唱した話

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  雲南省大理の古い町並みが残る観光エリアのレストランで夕食を楽しんでいるときだった。スピーカーとエレキギターを抱えたおじさんがやってきて、色々な客にアピールをしはじめた。お金をもらって一曲歌うサービスらしい。

 ただ中国を旅行していて、こういったサービスが一般的かというと、そうではないと思う。少なくとも、私が旅行してきた中では、それほど見かけた記憶はない。

 大理はもともとペー族の大理国があった地で、現在でも雲南省にペー族の自治州もあり、大理の市内にも多くのペー族が住んで居る。彼の衣装はおそらくペー族の民族衣装、あるいはそれをモチーフにしたデザインだろうと思われる。

 各テーブルを周っていたが、他の中国人客には冷たくあしらわれ、誰一人頼む人はいなかった。そして私のテーブルにもやってきた。彼のレパートリーを見ると、思っていたよりもたくさんの曲があった。私が知っている曲もちらほら見受けられた。

 私は音楽好きを自負しているし、何より旅のこういった思いがけない出来事は、やはり何事も体験してみたくなるので、一曲頼んでみることにした。ちなみに写真が屋外なのは、半分テラス席のような店の一番端のテーブルに座っていたからである。

 曲は王强(王強)の『秋天不回来』を選んだ。この曲はずいぶん前に杭州の火鍋の食堂で流れていたのを聞いたのが最初で、店員さんに聞いて歌手と曲名を教えてもらった思い出がある。

王强『秋天不回来』 (直訳:秋の日は戻ってこない)

 正直、おじさんの演奏も歌も、お世辞にも上手と言えるものではなかった。その音楽のレベルから言えば、値段は決して安いとは言えなかった。しかし別に不満足であったわけではない。途中からは私も一緒になって歌った。口ずさむ程度ではなく、一緒に本気モードだ。おじさんも一層興が乗って楽しそうに見えた。そういったエンターテインメント一式の代金だと思えば、まったく高いものではない。

 以前のフランスのカンヌでの話でもそうだが、音楽というのは言葉を交わさなくても、想いを共鳴させる力を持っているのだと思える。もちろん上質な音楽に触れ、芸術の高みを追求するのもまた音楽の楽しみの一つではあるが、音痴でもヘタクソでも想いの共鳴は起こる。不思議なものだと思う。

【写真】2012年8月
【文章】2018年6月
  
プロフィール
管理人:坂木
ただ行けるところまで行ってみたい。何もなくても構わない。何もないことを見に行く。そんな性癖を勝手に最果(さいはて)志向と名付けた。
職業は会社員。休みのたびにあてもなくフラリ旅に出てしまう。



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