最果志向 ~放浪家坂木さんの足跡~

この数十年の放浪履歴を元に思ったこと・感じたことなどを訪問者の目線で綴る『旅エッセイ』ブログ。たまに自作の音楽の紹介。

ChinaTown チャイナタウン

【坂木より】
2016年6月2日開設。現状一日1~2記事の更新です。皆様と『最果(さいはて)志向』と『漂泊の思い』を共有できれば幸いです。たまに昔作った音楽も公開しています。

シンガポールの中華街は中国語表記で『牛車水』

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 世界各地の大きな都市に行けばチャイナタウンがあるが、その中国語訳としては『唐人街』と表記されていることが多い。

 中華系移民が大半を占めるシンガポールにも中華街があることは以前の記事でも記した通りであるが、シンガポールでは中華街の中国語表記として『牛車水』が使われていることが多い。もちろん中華街に対する訳語としては唐人街でいいのであろうけれど、中国語でシンガポールのチャイナタウンを指すときは、その地名で呼ぶのが通例のようで、写真の通り街の看板やMRTチャイナタウン駅の中国語表記にも『牛車水』が使われている。

 その昔、このあたりにあった井戸に多くの牛車が水を汲みにやってきたのが由来だそうだ。チャイナタウンの中にはクレタ・アヤと呼ばれるエリアがあるが、これもマレー語で牛車+水の事をさしているのだと聞いた。

 これは以前の記事の補完にもなるのであるが、異国文化の中に華僑文化の街を形成するから中華街(唐人街)と呼ばれるのであって、シンガポールで唐人街と呼ばなかったのはシンガポール人が元を辿れば大半が中華系(=唐人)移民であったからなのかも知れない。今では華僑という意識よりはシンガポール人であるという自我のほうが確立されているように思うが、昔はそうではなかったことの名残かも知れない。いつ頃からそうなったのかは調べてみないとわからない。

【写真】2009年2月
【文章】2018年4月

中華圏は『新年快楽!』 シンガポールも中華圏と言ってもいいのだろうか

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 以前にも過去記事で何度か記しているが、シンガポール国民の七割以上は中華系である。ただし私的には、シンガポールが中華圏の国かというと、ちょっと違うような気がしている。私が使っている中華圏という言葉の定義も曖昧なものではあるのだが。

 確かにシンガポールは華僑が建てた国で、現在でも政治の中枢は華僑が握っている。だがシンガポールは中国の息がかかった国家というわけではない。

 昔シンガポールで仕事をした際に、色々な人と色々な話をしたものだが、主義主張も中華思想ではなく、シンガポール人としての色が濃いように感じた。文化圏としてみても、マレーや西洋の文化を取り込み、プラナカン文化と呼ばれる独自の文化を醸成してきている。また中国語はシンガポールの4つの公用語の一つではあるのだが、若い世代を中心として英語が主流になってきており、華僑の子孫いわゆる二世や三世には、中国語を話せない人も多いと聞いた。

 そんなシンガポールには中華街、チャイナタウンがある。そもそもチャイナタウンがあるということは、シンガポールが中華圏の国ではないことを示しているのだと思う。

 写真は2009年の春節を迎えた頃のチャイナタウンの一角。通りを挟む色とりどりのプラナカン風の建物や背後の建設中の高層建築がいかにもシンガポールらしく思えるのは、過去記事にも記した通りである。春節を祝うチャイナタウンに於いても、シンガポールらしさが垣間見えるというのが、なかなか悪くない風景に思えた。

【写真】2009年2月
【文章】2018年2月

シンガポールでもエビマヨがあったことに少し驚いたりした

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 シンガポールは人口の80%を中華系が占めており、中華料理もシンガポールの重要な味の一つであることは、以前の記事などでも何度か触れた。特に潮州系の味付けが最もポピュラーだと思う。

 そんなシンガポールの屋台やレストランなどでは、多彩な中華料理を味わうことができるわけだが、メニューの中にエビマヨがある店があった。頼んでみたが、日本の酸味が濃いマヨネーズではなく、若干甘めのマヨネーズであえたエビマヨが出てきた。コクがあり、ともすれば若干しつこいほどであるが、それが魅力でもある。

 海外の中華料理屋のメニューで、エビマヨを見かける機会は決して多くはない。

 ご存じの方も多いと思うが、エビマヨは日本で考案された料理であり、発案者は、炎の料理人・周富徳氏と言われている。日本生まれ日本育ちの在日中国人二世であり、広東料理の料理人である氏が日本で生んだ料理を、中華料理と言うべきなのか、中華風の日本料理と言うべきなのかはわからない。

 色々な国の色々な食材や調理法が取り入れられたり、融合したりと、料理の世界でもグローバル化が進む現代では、そもそも厳密に定義すること自体がナンセンスなのかも知れない。

【写真】2011年11月
【文章】2016年12月

甘りしょうゆ味醤油のラーメン拉麵 ※誤字だけど誤字ではありません

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 シンガポールのスーパーのインスタントラーメンの置き場で見かけた日本風の即席ラーメン。パッケージの写真はなかなか日本っぽい感じのラーメンだが、日本で普通には売られていないと思う。

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 海外で良く見られる日本語の間違いの中では、まだ惜しいほうだ。

 ラーメン拉麵とダブって書かれているのは、ちょっとしたご愛嬌程度に思える。

 以前の記事でも記したが、似ている形の文字は間違いやすい。ここでは『り』と『い』が間違われているようだ。『甘い→甘り』『香り→香い』

 しかし、それを修正したとしても『甘いしょうゆ味醤油』とはどういったものなのか気になってしまう。ごま胡麻油と上記のラーメンのようにひらがなと漢字で繰り返されているのなんて些細なことだと言わんばかりだ。

【写真】2007年3月
【文章】2016年10月

シンガポールに行ったら食べたい高級魚ガルーパの蒸魚

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 シンガポールは美食でも知られている。中国・マレーを中心とした東南アジア・インドを中心とした中央アジアなどの人が混じりあった社会構成であるため、その味付けの幅も広い。逆にこれがシンガポール料理だ、という決まった味付けや条件などはないと言ってもよい。色々な国や文化の色々な味付けが混在しているのがシンガポールなのだと思える。

 ただし、シンガポールにもローカルフードと呼べるものは多数存在する。有名なところではラクサ、海南鶏飯、肉骨茶(バクテ)などであろうか。そんな中、シンガポールに行ったら食べたい、と私が思うものの一つがガルーパの蒸魚だ。基本は潮州料理であるが、潮州料理もまたシンガポールのローカルフードを形成する軸の一つなのだ。

 ガルーパとは香港や潮州辺りで食べられている白身の魚で、ハタの仲間である。九州ではアラと呼ばれるクエもハタの仲間で、味わいも良く似ている。日本でもハタ科の仲間はたいてい高級魚であるが、ガルーパもまた高級魚である。例えばクリスタル・ジェイド・キッチンのようなちょっと洒落たレストランで食べようものなら、それなりの値段は覚悟する必要がある。メニューには時価と書かれていることも多い。

 ただ写真の料理のお店はプラスチックのお皿が示す通り、高級店ではない。チャイナタウンのホーカーズ(屋台街・フードコート)の中には比較的安価でガルーパを提供するお店がある。サイズも小ぶりであるし、安価といっても、フードコート内のどのお店のどの料理よりも高いくらいだと思った方が良い。それでも1000~1500円くらいだから破格値である。

 確かこの写真を撮ったのはチャイナタウンの駅近くの、ピープルズパーク・コンプレックスの奥にあるフードセンターだったと思う。ここのフードセンターは夜はちょっと暗くて、観光客はあまり訪れないような雰囲気だった。奥まっているせいでちょっとディープな雰囲気がするところだったが、食べ物は安くて美味しかった。

【写真】2011年11月
【文章】2016年9月
  
プロフィール
管理人:坂木
ただ行けるところまで行ってみたい。何もなくても構わない。何もないことを見に行く。そんな性癖を勝手に最果(さいはて)志向と名付けた。
職業は会社員。休みのたびにあてもなくフラリ旅に出てしまう。



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