最果志向 ~放浪家坂木さんの足跡~

この数十年の放浪履歴を元に思ったこと・感じたことなどを訪問者の目線で綴る『旅エッセイ』ブログ。たまに自作の音楽の紹介。

関西(京都以外) Kansai (except Kyoto)

【坂木より】
2016年6月2日開設。現状一日1~2記事の更新です。皆様と『最果(さいはて)志向』と『漂泊の思い』を共有できれば幸いです。たまに昔作った音楽も公開しています。

思い出の伊丹空港展望デッキ

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 大阪国際空港。現在ではその名に反して国際線は飛んでいないが、国内路線においては今でも関西の主たる空の玄関口である。その所在地から、伊丹空港と呼ぶことも多い。

 この伊丹空港、昔からターミナルに無料で入れる展望デッキがある。私は、この空港に限らず、空港で時間が余ったら、ふらりと展望デッキを探して訪れてみることはしばしばある。しかし、この伊丹空港の展望デッキは私にとっては特別な思い出のある場所だ。

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 私が物心付いた頃より、父は大手運送会社に勤めていた。主に航空貨物を扱う部門だった。ドライバーではなく事務方であったが、トラブルがあったり急なチャーター便が発生したりすると、父が荷物を積んで空港に走ることもあったようだ。

 私が子供の頃、日本では学校も企業も週休二日制が当たり前ではなかった。父は土曜日はもちろん働いていたし、たまに日曜日に仕事に駆り出されることもあった。私はといえば、土曜日の学校は午前中だけ授業があった。

 そんな当時の土曜日の午後だったか、夏休みだったか、それとも日曜日に父が駆り出された時だったかは忘れてしまったが、父が伊丹空港まで仕事で行かなければならなくなったときに、幾度か私を連れていってくれたことがある。何度か休日の父の会社に入った記憶もあるので、日曜日だったこともあるはずだ。

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 会社の車での空港までのドライブも非日常的で楽しかった。空港に到着して、父が仕事をしている間は、おとなしく待っていたが、それが終わるとよくこの展望デッキに連れてきてくれた。また、仕事が長そうなときは、先にここに連れてきて、飛行機を見ながら待っていたこともあったと思う。

 この頃は飛行機に乗ったこともなかったし、飛行機には鉄道に感じていたほどの旅への憧れみたいなものはなかった。当時は国際空港だったので、たくさんの航空会社の機体が飛んでいたはずだが、どの国のどの会社のものかもわからないし、ただただ色々とりどりの飛行機が飛んでいくのを眺めていた。でも、それだけでも楽しかった。

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 大人になって来てみると、忘れていた何十年も前の子供の頃の記憶や気持ちがふんわりと蘇った。懐かしい思い出である。

 昨今では、仕事ついでに会社の車に子供をのせてドライブしようものなら、問題になりそうな気もする。これがもし今の時代で、私が上司であったなら、公私混同、事故が起こった時の責任、等の観点で諫めるかも知れない。

 もちろん社会が成熟して、より良いルールやモラルが整備され、事故や危険が回避されたり、効率が良くなったり、不正が無くなったりするのは良いことである。ただ自己責任の範疇とのバランスではあるが、ルール等で雁字搦めな社会は窮屈すぎるようにも思う。結局こういうのが大目に見られるのも、古き良き時代だったというべきか、はたまた未成熟な社会だったと言うべきか、私にはわからない。

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 まぁそれらの話はともかく、それなりに便が多い大きな空港の割には、この伊丹空港の展望デッキは滑走路との距離が近く、飛行機が大きく見える。

 成田空港の展望デッキにもよく足を運んだものだが、まるで臨場感が違う。私のような思い出がないにしても、機会があれば一度は足をお運び頂きたいお勧めスポットである。

【写真】2018年11月
【文章】2019年11月

大阪の黒門市場

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 大阪に黒門市場というアーケード商店街がある。大阪随一の繁華街ミナミからも近く、観光客も非常に多い。いや、歩いている人々のほとんどが、国内外からの観光客だろうと思う。

 おや、そういえば似た文章を、当ブログの過去記事で書いたような気がする。そうだ、京都の錦市場の記事だ。随一の繁華街から近くて観光客が多いアーケード商店街という点で共通している。そこらじゅうで聞きなれない言葉が飛び交っているのも同じだ。

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 買い食いなどをできるお店も多く、食べ歩きを楽しむ人々で賑わっている。が、正直な私見としては、ほとんどのお店が観光地価格のような強気の価格設定に見えた。少なくとも地元の人が日々の食材や雑貨を求めて訪れる市場ではない雰囲気である。それも錦市場と同じだ。

 もちろん観光地としての黒門市場を否定するわけではない。多くの観光客の流入があり、そのニーズに合わせて商売をすることは間違っていない。たとえ一点一点の費用対満足度が高くないとしても、たくさんの種類のお店がまとまっているのは、時間や情報が不足しがちな旅行者にとっては非常に有難いことである。
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 ひと昔前、黒門市場と言えば、プロの料理人が上質の食材を求めに来る市場というイメージだった。しかし今ではそんな雰囲気はほとんど残っていないし、庶民の市場の雰囲気もない。

 とはいえ、昔はよかったとか、今は残念だとか言って、懐古主義に浸りたいのではない。上述の通り、観光地化には良い所も悪い所もあると思っている。ただ期待の方向性を間違えて訪れると、本当にガッカリしてしまうことを懸念しているだけである。

【写真】2018年11月
【文章】2019年6月


浮世小路と欧米人が好きな赤提灯

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 大阪市内に浮世小路と言う名の細く短い路地がある。道頓堀筋と法善寺横丁を繋ぐ、千日前筋のすぐ西側で並行している路地である。

 大阪随一の繁華街である道頓堀筋から入ると、いきなり別世界に入り込んだかのような感覚に捉われる。すぐそこの道頓堀筋の喧騒が嘘のようだ。

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 この時、私はフランス人の友人と一緒にいたのだが、この光景を至極気に入ったようだった。他にも写真を撮っている人を見かけたが、特に欧米人が目立ったように思う。

 思い起こせば、フランス人の友人は、細い路地と赤提灯の組み合わせに、特別な『日本らしさ』を感じているようだった。確かに、提灯あるいは紙ランタンの類は世界中で類似したものが見られるが、やはりこういった丸くて赤いものは、中国や日本といった東アジアの印象が強い。中でも赤提灯に墨で文字が書いてある提灯は、日本風と言えるのかも知れない。中国の赤提灯は、たいてい金色で装飾してある。

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 道頓堀の有名なうどん屋さん『今井』は、昔は楽器店。服部良一さんが常連だったのだとか。

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 写真手前左、法善寺横丁にあった吉本興業の起源である『花月亭』の小屋の風景が再現されている。

 それにしても、やはり赤い提灯のほうが、日本人の私にも確かに日本っぽく感じられる。なぜなのか、不思議に思えてきた。

【写真】2018年11月
【文章】2019年4月

づぼら屋としりとり

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 づぼら屋は大阪にある有名なフグ料理専門店である。

 そのインパクトのある店名や芦谷雁之助が歌うCMソングでも有名であるが、なんといってもくいだおれ太郎やカニ道楽と並び、大きなトラフグの形の提灯の看板が有名である。新世界と道頓堀の二店舗を構えているが、写真は新世界のお店である。

 この『づぼら屋』、しりとりの時に重宝する。現代の日本に於いて、最後に津という漢字がつく地名には、『づ』で終わるものが多くある。有名どころでは木更津、沼津、魚津、木津、あたりだろうか。しかし『づ』で始まる単語は基本的にない。現代の日本語のルールとして、『ず』で書くように定められているからである。これは『ぢ』『じ』も同じである。詳しくは四つ仮名で調べれば出てくると思われるので、ここではこれ以上は書かない。

 少なくとも固有名詞である『づぼら屋』は、『づ』で始まる単語として使える数少ないものである。固有名詞であるが故に、現代日本語のルールに沿う必要がないのだ。実は他にも方言や外国語、あるいはアニメ内の固有名詞などで探せば若干あるが、あまり知られていない言葉が多い。

 逆に言うと、しりとりの戦略の一つとして、『づ』で終わる地名で攻めるというのは非常に有効だということである。

【写真】2018年11月
【文章】2019年3月

お見合いみたいなホームのベンチ

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 大阪の地下鉄、2018年春に民営化されてOsaka Metroに名前を変えたが、この動物園前駅の光景である。

 ホームの端にベンチがお見合いシートのように一つずつ向き合って並んでいるのが気になった。昔はホームの端に横向けに繋げて並んでいたはずだ。見慣れない一種不思議な光景に思えたのだ。

 どうやらこれは転落防止のためらしい。酔っ払いや気分の悪くなった人が、立ち上がってそのままフラフラと前に進んで落ちてしまうリスクを鑑みたものである。そこまで細かな配慮が必要なのかと思ったりもするが、そういった配慮や工夫の積み重ねが今の便利な世の中を作っているのだろう。

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 動物園前駅はホームが細くて1つずつだったのがお見合いみたいなシートに見えて面白かったのだが、思い起こしてみれば、自宅の最寄りのJRの駅でもベンチの向きは線路と並行になっている。こういったベンチの向きは昨今ではスタンダードになりつつあるようだ。私にとっては普通だった線路に垂直方向にベンチが備え付けられている光景も、近い将来には古臭いと感じるようになるのかも知れない。

 そういえば昨今では転落防止用の開閉する柵をホームに取り付ける駅も増えてきている。鉄道というインフラ自体が大きく変わっていなくても、時が進めばより便利で安全になり、光景もまた変わっていくのだろう。

【写真】2018年11月
【文章】2018年12月

  
プロフィール
管理人:坂木
ただ行けるところまで行ってみたい。何もなくても構わない。何もないことを見に行く。そんな性癖を勝手に最果(さいはて)志向と名付けた。
職業は会社員。休みのたびにあてもなくフラリ旅に出てしまう。



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