最果志向 ~放浪家坂木さんの足跡~

この数十年の放浪履歴を元に思ったこと・感じたことなどを訪問者の目線で綴る『旅エッセイ』ブログ。たまに自作の音楽の紹介。

河南省

【坂木より】
2016年6月2日開設。現状一日1~2記事の更新です。皆様と『最果(さいはて)志向』と『漂泊の思い』を共有できれば幸いです。たまに昔作った音楽も公開しています。

鄭州夜話

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 中国の河南省は、その領域の大半が黄河の南岸に位置することから付けられており、省全体が広大な華北平原に収まっている。中国で最も歴史のある地域の一つで、省内には日本でもよく知られている洛陽・開封・商丘・安陽などの古都や少林寺(嵩山)などがある。

 その河南省の省都は鄭州市、人口規模は東京23区と同じ程度だが河南省では3位で、同省には1~2位に南陽市と周口市という1000万人都市がある。ちなみに河南省だけで人口は一億人近いので、この規模から考えれば省は一国の規模、大都市(地級市等)は日本で言うところの県の規模、に近い。

 鄭州は3500年前の商王朝時代に都があった古代文明発祥の地の一つである。3500年前といえば、日本では有史どころか神話時代よりも更に千年以上の昔である。そんな時代から歴史が続き、栄え続ける街というのも、考えてみればものすごいことなのだろう。

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 とはいえ、現代の鄭州の街といえば、やはり近代的で巨大な建物が並ぶ大都市だった。私が初めて訪問したのは2017年のことだったが、夕刻の公園や夜の屋台市などは人も多く、熱気と活気で溢れていた。

 うまく表現できないのだけれど、日本の大都市の活況とも古都の活況とも違った。鄭州は大都市なのに田舎臭いところがあったり、それでいて垢抜けたりもしている。人が密集しているかと思えば、そこからちょっと抜けたらガランとした大通りに出る。賑やかで人が溢れているエリアなのに、薄暗い通りや界隈も多い。光と影が交わるような不思議な感じだ。でも、人々は日本の人たちよりも明るく楽しそうに見えた。

 それらは、ちょうど経済成長による過渡期の真っ只中の光陰で、人々の明るさはひと昔前の高度成長期の日本人も持っていた漠然とした希望なのだろうかと思ったりもした。

【写真】2017年10月
【文章】2020年7月

電動車特売場

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 河南省鄭州の街をフラリと歩いていた時に、電動車特売場(电动车特卖场)なるものを見つけたので、少し入ってみた。

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 日本で電動車と言えば、EVすなわち電気で動く四輪自動車を指すのが一般的ではないかと思うが、ここで言う電動車(电动车)とは、電動スクータや電動三輪車のことを指しているようだ。では中国でEVを指す言葉はというと、電動汽車と呼ばれているのを見かけた気がする。ちなみに中国で電車と言えばトロリーバスやトラムを指したりするので、なんだかややこしい。

 それはともかく。ここでザッとみる限り、標準的な電動スクータは日本円にして5~6万円程度が相場のようだった。中古ならもっと値段は落ちるだろう。なるほど、この値段なら街が電動バイクで溢れるのも頷ける。今でも補助金や税金優遇などがあるのかは知らないけれど。

 以前の記事でも書いたと思うが、今や中国の都市では、人民服の自転車軍団など影も形もない。その代わりにバイク軍団、それもこれらの電動バイクだ。化石燃料タイプは見かけてもオンボロばかりで絶滅危惧種の様相だった。

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 まぁ中国でも日本でも、モータリゼーションが一巡したような気はするけれど、次にどうなるのか、方向性はまだ見えない気がする。NEV(新エネルギー車、中国では新能源車)等も色々考えられているようだが、AIが人間を越えて文明の主役になる時(技術的特異点)もそろそろ近い。既存の延長ではなく、例えば個人乗用ドローンの普及や自家用車所有の原則廃止みたいな、飛躍的な発想で一気に変わる時期も遠くはないのかも知れない。それまで生きているかはわからないけれど。


 ちなみにこういう話は、私が酔っぱらった時に書く妄想なので、あまり真に受けないでください。

【写真】2017年11月
【文章】2019年12月

真冬にずぶ濡れにならないように注意しましょう

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 そのとき私は河南省登封の街での道端で路線バスが来るのを待っていた。すると遠くから何か大きな音が近づいてくる。正体に気が付いた私は、すぐさま持っていた荷物を抱え、工事中の路肩を横切ってなるべく車道から離れた。

 近づいてきたのは散水車だ。11月だったので猛暑対策ではない。おそらく黄砂対策、すなわち空気中や路面に積もった黄砂を洗い流すためのものだと思われる。

 以前の記事でも紹介しているが、河南省は黄河の河畔でもあり、かなりの黄砂に見舞われるようだ。以下の過去記事の写真でもよくわかる。



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 基本的にこの手の散水車は、バイクがいようが歩行者がいようが、お構いなしである。私は咄嗟に気が付いて退避したのだが、写真のバイクの女性たちは気付くのが遅れたせいでまともに水を浴びてしまい、ずぶ濡れである。

 少なくとも日本なら歩行者、しかも咄嗟に逃げるのが難しい小さな子供やハンディキャップのある人などを真冬にずぶ濡れにしようものなら一大問題になるだろう。中国では日本よりもお上の権力が強くて、個の負の面にいちいち取り合わずに全体の利益を優先する傾向があるとは思う。とはいえ、それが総合的に良い結果を生み出すことも多々ある。逆に昨今の日本でも見られるような、いちいち利己主義的な個の問題の対処に追われて物事が進まない事例も多々ある。従って善悪は一概には判断できない。

 ただ、少なくとも弱者に優しくない在り方は、社会の余裕の無さなのだと思ったりもする。


 とりあえず冬に黄砂がひどい地域では、歩いているときなどでも散水車にはご注意ください。

【写真】2017年11月
【文章】2019年11月

道端の充電ステーション

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 中国の街を歩いてみると、ありがちな普通の近代的な街並みでも日本人にとっては珍しいもの、というのもしばしば出会うものである。

 こちらは街の随所でみかける充電ステーション。中国においてはどこでも頻繁にみられるもので、まったく珍しいものではない。

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 中国では国策としての法整備や補助金などの取り組みもあり、街中で見かける二輪車や三輪車はほぼすべて電動である。化石燃料(いわゆるガソリン等)で動く古い車輛などを見かけないわけではないが、本当に稀な話である。恐らく走っている二輪・三輪の電動車の率は99%を軽く超えていると思う。

 四輪でも電動車は結構走っている。少なくとも2017年と2019年に訪れた河南省や福建省ではどの街でもバスは大半が電動化されていた。ディーゼル車も走っていたが、圧倒的少数であったし、近々なくなっていくのだと思う。

 キャッシュレス化の話でも同じだが、電動化の進んだ結果だけを見て、中国が進んでいるとか日本が遅れているとか、どちらが良い悪いなどと言うつもりはない。ただ私が覚えている限りでは10~15年前くらいだろうか、中国では日本と同様にバスや三輪車の多くは化石燃料だった。電動バイクは日本の電動アシスト自転車みたいでペダルが付いていたし、QRコード決済どころかクレジットカードも使えない店が多くて銀聯カードというデビットカードが主流だった。

 インフラなどが一様にものすごいスピードで普及してしまうことには素直に驚く。もちろん政体や経済が大いに関わることであるし、急速に成長や変化をすることはリスクを伴うことでもあるので、単純に中国が凄いとは言えない。しかし、日本で何かやろうとしたときの遅さを考えると、かなり心配になる。もちろん色々な意見を尊重し、安全で慎重に事を進めるのもまた大事ではあるので、これもまた一概には言えないのだが。

写真は河南省洛陽の街にて。

【写真】2017年10月
【文章】2019年10月

開封の老舗レストラン『第一楼』

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 一つ前の記事でも述べたが、開封は灌湯包子が名物料理である。フラリと立ち寄ったお店でも食べてみたが、やはりせっかく来たので、開封ナンバー1との声も高い老舗レストランで食べてみたくもなった。

 実は開封で投宿した場所の近くにあり何度か前を通っていた。一応高級レストランとのことで、なんとなく気軽には入り難い雰囲気を感じていたが、入ってみればそんなことは杞憂に過ぎなかった。店は賑わっていて店の人々も忙しく動き、むしろ庶民的な雰囲気に近い。

 ちょうど食事時ということで忙しかったのだろうとは思う。しかし下の写真の鴨肉と灌湯包子の二つの料理を頼んだのだが、鴨肉がやってきてから30分程経っても灌湯包子がやってこない。注文が通ってないのかと思って確認したら、通っていると言う。何度か諦めて席を立とうかと思ったくらいだった。

 そしてようやくやってきたのが写真のものである。

 一般的に小籠包と呼ばれているものよりは若干大き目で平べったい。綺麗な形は菊花に例えられるそうだが、それも頷ける。

 味は…たしかに開封の巷で食べたものよりは美味しかった。値段は確か日本円にして300~400円程度だったと思うのでそれほど高くはないし、費用対効果も悪くはない。とはいえ、開封随一のお店だとすれば、若干残念な感じでもある。

 上海や台湾の美味しいお店のようにスープもこぼれるほどでもないし、それほどジューシーでもない。美味しいことは美味しいけれど、こんなもんか、と思ってしまったのが正直なところだ。

 色々な美味と出会いを重ねると無駄に舌が肥えてしまう。仕方がないことだとはいえ、純粋に未知との遭遇を楽しめなくなっていくのはちょっと寂しい気もする。これは美味に対するものだけでなく、美景や他の色々な刺激に対しても同じである。

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 閑話休題。灌湯包子だけでなく、蒸した鴨肉も頼んだ。中華圏ではポピュラーで、中国や台湾へ行ったら必ず食べたくなるものの一つだ。値段は忘れてしまったが、老舗レストランの割にはそれほど高くはなかったはずで、こんなに山盛りでやってきて驚いた。

 鴨は大好きなのでとりあえず美味しくは食べられるが、とても塩辛すぎた。また鴨肉は肉が固くなりやすく、それをフワッとジューシーに仕上げるのが名店の技だと思うが、それほどレベルが高いものでもなかった。残念ながらこの一品も、開封随一の老舗レストランと呼ぶにはふさわしくないと思えた。

 ただし、灌湯包子も鴨肉も、それほど不味かったわけではないし、値段的にも高くはない。巷の庶民的な食堂で出されていたら、普通にこんなもんかと思って食べるだろう。開封随一の老舗レストランと期待しすぎたのがいけなかったのかも知れない。

 まぁこれもまた行ってみないとわからないことなので、別に後悔はしていない。これもまた旅の思い出、である。



【写真】2017年10月
【文章】2019年8月
  
プロフィール
管理人:坂木
ただ行けるところまで行ってみたい。何もなくても構わない。何もないことを見に行く。そんな性癖を勝手に最果(さいはて)志向と名付けた。
職業は会社員。休みのたびにあてもなくフラリ旅に出てしまう。



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