最果志向 ~放浪家坂木さんの足跡~

この数十年の放浪履歴を元に思ったこと・感じたことなどを訪問者の目線で綴る『旅エッセイ』ブログ。たまに自作の音楽の紹介。

Texas テキサス

【坂木より】
2016年6月2日開設。現状一日1~2記事の更新です。皆様と『最果(さいはて)志向』と『漂泊の思い』を共有できれば幸いです。たまに昔作った音楽も公開しています。

1セント硬貨から作られる記念メダル

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 こちらはアメリカ・テキサス州のエンチャンテッドロックという巨大な一枚岩が観光名所となっているところに置かれていた機械である。アメリカの行楽地などではしばしば見かけるものだ。

 英語が読める方はすぐにわかると思うが、これはペニー(=1セント硬貨)をプレスしてお土産の記念メダルにしてしまうものである。

 昨今では少なくなってきているようだが、以前は日本の行楽地でも、当日の日付や選んだデザインをプレスして銀色の記念メダルを作ってくれる似たようなマシンをしばしば見かけたものだ。ただし日本ではお金を加工することは法律上できないので、加工されるのは本物のお金ではなく用意されている無地のコインである。アメリカでは本物のお金を加工してしまっても良いのだと、初めてみたときには少し驚いた。

 写真左上の穴の左にペニー、右の2つに代金50セントとしてクォーター(25セント)を2枚差し込み、銀のスロットをガチャンと押し込むと、ペニーが右のカラクリに流れて行く。そして歯車がまわってペニーを抑えてぺちゃんこにしつつ、柄をプレスするのだ。こういう仕掛けが見えるのもまた楽しい。

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 もう10年以上も前の話で、それから三回も引っ越しをしている。このときのペニーはもうどこかに行ってしまったかと思っていた。だが以前はずっと財布に入れていて、財布を変えた際に書類入れに放り込んだような記憶があった。何年も整理していない書類入れの底を見てみると、探すまでもなくあった。

 昨今はモノもあまり買わないし、写真もデータである。入場券や切符、パンフなども、昔は記念に持って帰ってとっておいたが、あまり多くて整理できないので、最近は写真だけ取って捨てるようにしている。しかしモノが残るというのは画像データとは違う、なにかしら懐かしさや旅愁の残り香を感じることもあって悩ましい。上手く説明できないのだけれど。

【写真】2008年8月 (下の写真は2019年5月)
【文章】2019年5月

朝焼けと時差ボケ

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 私は渡米したことが四回、渡欧したことが四回ある。アメリカや欧州など、時差が大きな地へ移動すると発症するのがジェットラグ、いわゆる時差ボケだ。

 巷では西よりも東への移動、すなわち日本からだと欧州よりもアメリカへの移動のほうが、時差ボケが発生しやすいと言われているようだ。本当か嘘かは知らないが、少なくとも私には当てはまるようで、日本からアメリカへ行った時や、欧州から帰ってきた時の時差ボケはかなり辛い。

 時差ボケには個人差があり、全くならない人や、飛行機の中でお酒飲んで寝れば大丈夫という人もいる。だが私はどうもひどいようで、色々対策を試してみても、日米・日欧の時差ボケが解消されるには5~7日間ほどかかる。

 現地の夜になったら無理やり寝るようにしているのだが、2時間程度で目が覚めてしまう。以降は目が冴えてどうにも寝られない。夜中に宿の周りを散歩したり、日の出や朝焼けを眺めたことも、珍しい話ではなかった。上の写真もテキサスに行ったとき、夜中に寝られずホテルの周囲を散歩していて、日の出を迎えてしまった後の一枚である。

 アメリカではスーパーなどで普通に睡眠薬や導入剤が売っていた。日本のように特に処方箋を必要としないので、記念とばかりに弱い睡眠導入剤を買ってみたことがある。時差ボケが激しくなりそうな時は、それを試しに飲んで無理やり寝ておくと少しはマシになったので、以後何度かお世話になっている。

 ただ時差ボケというのは、単なる睡眠時間だけの話ではなく、生活や食事などのリズムとも関係しているようで、今まで眠っていた時間に近くなると脳や身体が休みたくなるみたいだ。直接的な眠気はなくても、どうも頭がぼーっとしたり、身体が重い感じがする。そのズレは、私の体感的には一日にだいたい1.5~2時間ずつ修正されていたように思う。

 一週間程度の出張が一番しんどくて、やっと身体が現地に慣れてきたころに、また狂わされるということになる。本当に時差ボケのない人が羨ましい。

【写真】2008年8月
【文章】2018年10月

イエローキャブ

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 イエローキャブと言えば、アメリカのタクシーの代名詞である。名前の通り黄色くて目立つ。そういえば東南アジアや中国でもタクシーはカラフルな目出つ色が多いように思う。

 それと比較すると日本のタクシーはあまり目立つ色が多いとは言えない。日本が左側通行であることから考えると、車文化はイギリスからの影響が強かったのだろうし、ロンドンのタクシーのようなシックな色合いが根付いたと考えれば不思議ではない。


 ところで、今ではどうかわからないが、私が子供の頃はアジア系、主に日本人の女性を指してイエローキャブと言われていたことがあった。いわゆる隠語(スラング)である。黄色人種の女性は手を挙げて声をかければ、あるいは少しお金を払えば、すぐに乗れる、というのだ。この『乗れる』の意味、大人の皆さんならご理解頂けていると思う。

 もちろんそれらはある程度の事実に基づくものではあるのだろう。しかし日本人がすべてそういうわけではないはずだ。ただ特定の狭い範囲で知っている外国人の印象が、その国の人の印象を左右することは仕方ないこともあるだろう。

 しかし、アメリカだけでなく海外ではどの国でも、日本人だからという理由でムカつく態度や扱いを受けることもある。ビジネスシーンでもある。しかし、私としては、人種や国籍でバカにされたり、チョロいと思われたりするのには我慢ならない。

 アメリカの街中で岡倉天心が現地の若者に「おまえは何ニーズだ?チャイニーズか?ジャパニーズか?それともジャワニーズか?」とからかわれた時に、流暢な英語で「私たちは日本人の紳士だ。おまえたちこそ何キーだ?ヤンキーか?ドンキーか?それともモンキーか?」と言い返したという逸話は有名だと思う。国籍や人種、性別などでバカにしたりする人間は古今東西問わずいるのだろうけれど、ナメられずに毅然と賢く跳ね返すことも大切なのだろう。

【写真】2008年8月
【文章】2018年9月

セグウェイが往く街角

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 アメリカのテキサス州都オースティンで、休日に町をふらりと散歩していた。一週間程度の出張だったが、飛行機の都合で最終日の週末に少しばかり時間ができたのだ。市の中心部は官庁やオフィスが多かったので、休日の街はその規模に相応しい喧騒もなく、とても静かだった。

 そんな休日の街角を散歩していると、セグウェイがやってきた。車や人の往来も少ない静かな街では、快適で楽しそうだ。日本に於いて街中で乗るのは法規制上難しいことを知っていたので、自由な国を改めて実感したものである。

 ちなみに日本では事実上公道を走るのは不可能と言っても良い。法律ではバイク等と同じに扱われてしまうので、ナンバープレートや指示器などを付けなければならないし、歩道を走ることもできない。電気自転車に関しても同じことを感じるのだが、日本は新しいジャンルや分野の製品が出てきた時、現行の法律では対処できないことへの法整備が遅すぎる気がする。秩序や安全を重んじているとも言えなくはないが、実のところは変えた時に発生する問題や不利益の責任ばかりを追及する風潮に問題があるようにも思える。その結果、現行のルールに当てはめて不可能と諦めることが多かったり、時世に合わない法律に従うために奇妙なモノを作ってガラパゴス化してしまったりするのかも知れない。世界を席巻した日本のハイテク製造業が凋落の一途を辿っているのも、そういうところに起因する気がしてならない。

 ただしセグウェイも、世界的にみれば席巻しているとまでは言えない。欧米の街の観光ツアーや警備、あるいは空港やゴルフ場などの大型施設内での移動に使われたりすることが多いようだ。どの国でもやはり既存の乗り物や歩行者との住み分けや法整備が難しかったりもするのだろうし、大きさも手頃とは言えないので、用途も選ぶことだろう。普段の足として自転車代わりに普及させるには、値段も高すぎる。

 結局セグウェイ社も中国企業に買収されたと聞いた。今後こういった新ジャンルというか、今までの枠にとらわれない乗り物なども出てくることだろう。例えば人が乗れる個人向けドローンも、それほど遠い未来だとは思えない。現状の秩序や安全を慮ることも大切であるが、新しいことにスピーディに対応できる世の中になることもまた大事なことであると思う。少なくとも立法府である国会は、不祥事の責任追及や政党間のパワーゲームで時間を浪費している場合ではない。

【写真】2008年8月
【文章】2018年8月

アメリカ=メキシコ国境のフェンス

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 日本は島国ゆえに陸上に於ける国境を有していないが、世界中にはさまざまな国境がある。特別な手続きなしに越えられる国境もあれば、旅行者には開放されていない国境もある。武器を持って睨みあっている国境線もある。

 写真はアメリカとメキシコの国境で、橋を挟んで右側がアメリカ、左がメキシコである。アメリカ側には見えなくなるまでフェンスが続いていた。夜間に見張るための照明も等間隔に並んでいる。少なくとも都市部はずっとこれが続いているのだろうと思われる。

 アメリカ=メキシコ間は、世界で最も越境者が多い国境とされる。不法越境を含まずに年間3億人を超えるそうなので、一日100万人程度が行き来していることになる。実際、私が訪れたメキシコの国境の街の会社にも、アメリカに家がある越境通勤者は少なからずいた。彼らと話しをする機会もあったのだが、両国の経済や治安、生活水準の違いが大きな理由のようだ。

 この米墨間の国境は不法越境が多いことでも有名である。年間数百万人ともいわれる不法越境は、アメリカへの麻薬流入の大きな原因にもなっている。昨今ではトランプ大統領が国境線にフェンスを作ると公約して話題になったが、実は氏が初めて主張した対策案というわけではなく、以前からアメリカでは不法移民対策として議論されているし、写真を御覧の通り都市部には既にフェンスがある。それでもこれを乗り越えて不法越境する者や、フェンスがない砂漠や山岳地帯を超えて越境を試みる者も多く、死亡者も多数出ている。

 米墨間の国境線はアメリカの4つの州とメキシコの6つの州にまたがり、全長は約3100㎞である。数字を言われてもピンとこないが、東京とフィリピンのマニラの間、あるいは北海道の先から沖縄の端までくらいだ。この長い長い国境線にフェンスや壁を作ったり、監視員を置けば、いったいどれくらい費用がかかるのだろうか。

 そういった費用面だけでなく、様々な長所短所、あるいは道義的な配慮なども議論され、いまだ結論には至っていないように見える。例えばアメリカ南部では不法移民の安い労働力が農業などの支えになっているという既成事実もある。本当か嘘か知らないが、厳しく取り締まっても不法に越境を試みる人が減るわけではなく、結果的には死者が増えただけ、と聞いたこともある。

 現代の万里の長城のようなものを作るのが、正しいのか正しくないのかは、私にはわからない。後世の歴史家が決めることなのだろう。ただしベルリンの壁や朝鮮の38度線を見ても、痛ましい歴史と評されることはあっても、輝かしい功績と言われることはないのかも知れない、と思ったりもする。

【写真】2015年9月
【文章】2018年7月
  
プロフィール
管理人:坂木
ただ行けるところまで行ってみたい。何もなくても構わない。何もないことを見に行く。そんな性癖を勝手に最果(さいはて)志向と名付けた。
職業は会社員。休みのたびにあてもなくフラリ旅に出てしまう。



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