最果志向 ~放浪家坂木さんの足跡~

この数十年の放浪履歴を元に思ったこと・感じたことなどを訪問者の目線で綴る『旅エッセイ』ブログ。たまに自作の音楽の紹介。

宜蘭

【坂木より】
2016年6月2日開設。現状一日1~2記事の更新です。皆様と『最果(さいはて)志向』と『漂泊の思い』を共有できれば幸いです。たまに昔作った音楽も公開しています。

台湾・羅東駅前の迷惑駐輪と日本の迷惑駐輪の記憶

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 これは2009年末、台湾の宜蘭県の羅東駅前。

 少し古い写真なので今ではどうなのかわからないが、政府や地方自治体などが力を入れて排除しない限り、変わらないのだろうとは思う。

 昨今の日本ではあまり見られなくなってきているが、台湾ではまだ駅前や繁華街付近などで、このような光景を見ることもしばしばあった。

 そういえば子供の頃は、日本でも駅前や繁華街では必ずといっていいほど、こういった光景を目にしたものだ。駅付近に駐輪場が無いのが普通だった当時、自転車で行って近くの歩道や公園などのスペースにとめるのもまた普通のことだった。

 それらが社会問題となり、自治体なども駐輪場の整備や違法駐輪の強制撤去、レンタルサイクル設置などの対策を次々と断行し、「迷惑駐輪をしてはいけない・駐輪場などに止めるのが普通」という風潮ができあがったのも、それほど大昔の話ではない。

 迷惑駐輪と認識されつつあった頃には、駐輪場は開設されたにも関わらず、歩道に止める者も多くいた。そんな輩の言い分は大抵自分勝手なものである。例えば田舎でない限り、駅近くの駐輪場は有料が多いが、今までタダでとめてきたのになぜ払わないといけないのか、と言った文句や、駐輪場に止めて少し歩くのが面倒なので駅のすぐそばに止めたい、歩道はみんなのスペースだから自分にも使う権利がある、隅に止めているのだから問題ない、など、現代のSNSで発言しようものなら大炎上しそうな、自己中心的な考え方に依るものも多くあったと思う。

 自治体が強制撤去に乗り出してからも、当初その頻度が低かった。するといたちごっこが始まる。いったんは綺麗になくなっても、30分もすれば駐輪で埋まりはじめる、といった具合だった。強制撤去された自転車等は引き取りにいかなければならず、その際に手数料として1000円くらい取られたのだが、駐輪場に止めた場合の料金が100円だとすれば、10回に1回以上の割合で撤去されなければ歩道に止めるほうが得だ、と豪語していたクラスメイトもいた。

 私の住んでいたところの最寄駅でも、当初いたちごっこは続いた。しかし、だんだん自治体も本気になり、最盛期には1時間に1回くらい見回りして強制撤去されるようになった。これが続くこと数週間ほどで、さすがに迷惑駐輪は激減した。他の土地ではどうだったか知らないが、恐らく似たり寄ったりのことがあったのではないかと思う。

 昨今では日本の駅前や繁華街で、迷惑駐輪で歩道等が埋まっているような光景は非常に少なくなった。周辺諸国からすると、それは日本人のマナーの良さに映るらしい。でも本当にそうだろうか。

 本当にマナーの良さ故のものであるなら、「他人に迷惑になるだろう」と皆が思うことによって、自律的に実現されていくはずである。だが自治体による撤去という強制力が働かなければ実現できなかった、という事実を知っている私には、どうしても日本人のマナーの良さの一例とは思えないのだ。

 ただ社会の成熟度という意味では、進んでいると考えても良いかも知れない、とは思う。社会の成熟という言葉には多様な内容や定義が考えられるとは思うが、『ある事象において一定のモラルが形成され、利害が異なる考え方同士が揉めたり裁判することなく、ある程度そのモラルに従って判断されるようになってくる』というのは、社会の成熟と言えるのではないかと私的には思っている。マナー由来であっても、ルールで強制されたものであっても、社会が良くなるのであれば構わない。

【写真】2009年12月
【文章】2017年7月

台湾の花蟹とシーフードのタブー

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 台湾は海に囲まれた島国である。俄然海の幸も豊富だ。日本と同じような魚介も多いが、熱帯と亜熱帯にかかる地域にあって海の温度も違うのであろう、中には日本で見たこともないような魚が市場に並んでいるのを見かけることもある。

 写真のカニは台湾では花蟹と呼ばれる。殻の美しい紋様から付けられたのであろうことは容易に想像できる。日本ではシマイシガニと呼ばれ、黒潮の影響が強い相模湾以南の浅い海で捕れるそうだ。

 台湾では秋から初冬にかけてが旬とされ、この写真も12月のものである。カニ好きの人はその形からすぐに推測できると思うが、ワタリガニの一種である。肉もミソも味がしっかりしており非常に美味であると思う。しかしそれなりに高級食材なのだけれど、庶民的な価格の範囲内だ。上海蟹みたいにとびぬけて高いわけではない。そのあたりの感覚は日本で見られる場合と同様である。(注)同じくらいの値段だと言っているわけではありません。


 ところでこの蟹、沖縄ではキリスト蟹と呼ぶらしい。欧米ではChrist CrabやCross Crabという俗称があるそうなので、沖縄ではそれが使われているのだろう。このキリストとかクロスという俗称は、ちょうど両目の下あたりの紋様に大きく十字架が入っているように見えるからとのことだ。確かに言われてみれば、殻の中央に十字架が綺麗に刻印されているかのようだ。故に欧米ではこの蟹を食べることは敬遠されてきたのだそうだ。

 考えてみれば、シーフードに関しては、中国や日本では基本的にタブーもなく、何でも食べるように思える。私が知り覚えている限りでは、日本で禁令があったのは毒のあるフグくらいだったような気がする。しかし欧米ではクジラ(イルカ)も食べなければ、イカやタコも悪魔の魚と呼んで食べない地域が多かった。ユダヤ教の教えではヒレと鱗のない水産物は不浄とされたこともあり、今でも貝や甲殻類といった魚類以外の水産物、あるいは魚類でも鱗のない淡水ウナギやナマズは、一部の教派ではタブーとされているそうだ。

 所変われば、文化も変わる。我々が当たり前のように食べているものも、違う土地に行けば「そんなものを食べるのか」と驚かれるようなこともあるし、その逆もある。その地域に住んでいる人は当たり前だと思っていることだから、ことさら外に向けて発信することも少なくなるのは当然である。だから、結局どれほど情報化が進んでも、やはり行ってみないとわからないこと(気付けないこと)は、意外に多かったりするのかも知れない。

【写真】2009年12月
【文章】2017年6月


5年半で大きくかわった台湾・羅東駅東側の光景

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 以前に撮った写真を見たりしつつ、Googleのストリートビューで旅の記憶を辿ったり、旅の途中で興味を持ったことを調べたりするのも楽しいものだ。これは以前にも紹介した通りである。

 大抵はストリートビューで見る光景も記憶と少々変わってはいても、どことなく雰囲気や面影は残しているものだ。しかしたまに数年で大きく変わってしまっていて、驚くこともある。

 写真は台湾東部の宜蘭県の羅東駅。比較的大きめの駅であるが、バスで着いた時には駅前の寂れように驚いたものだ。実は着いたのは駅の東側で、駅の西側には街が広がっているのだが、到着したばかりの時は当然ながら知らなかった。

 ここをストリートビューで見ると驚いた。
 Googleストリートビューへのリンク

キャプチャ

 私が撮った写真は2010年のお正月。このストリートビューは2015年の10月とのこと。

 わずか5年半ほどであるが、変わりようには驚いた。一見しただけでは同じ場所と思えなかったのだが、良く見ると正面の道の向こうのほうで左側に見える建物、確かビジネスホテルだったと思うが、これが同じと認識できるので、かろうじて同じ場所らしいとわかる。

 左側の大きな建物は、新しくバスターミナルができているらしい。道路の右側の雑多なお店や駐車場(?)などは一掃されている。恐らくこのストリートビューの光景からも1年半経っているので、色々開発されて更に変わっているのだろうと思う。

 以前にも当ブログでは何度か述べているが、こういうのを見ると、やはり旅の風景は一期一会、訪れた時の一瞬だけを切り取ったものなのだと思わされるのだ。時が止まっているかのような遺跡であっても風景は変わるし、ましてや主要駅の駅前などは変わって当然とも言えるかも知れない。

 だからこそ、見たものや聞いたこと、色々な体験は大切なものなのだろう。歳をとって記憶が薄れてきていることが、なんとも切ない。

【写真】2010年1月
【文章】2017年3月

ボラの白子はクリーミーな味わい

P1070377

 台湾は日本と同じく島国である。故に海鮮料理も豊富で、カラスミは特産にもなっている。日本ではかなりの高級食材であるカラスミは、台湾でも良いものはそれなりの値段はするが、それでも日本と比較するとかなり安い。台湾を訪問した際にはいつもカラスミを買って帰っている。

 カラスミはボラの卵である。ボラ自体は釣りではよく外道として扱われる。ヒキは強いが、岸に近いところにいる個体は大抵臭みがあり、食べてもそれほど美味しいものではない。ただし最近は海が綺麗になってきていることもあり、うまく調理すればそれなりに美味しく食べられるようになった。ただし大きさの割には身が少ないと思う。

 そんなに一般的ではないが、日本でも海の近くでたまにボラの白子(精巣)の料理を見かける。卵巣ほどの美味しさはないし、それゆえに高級食材でもないが、あまりクセがなくクリーミーで、ポン酢などをかけて食べても美味しい。カラスミが特産の台湾では当然と言えるかも知れないが、海の近くではボラの白子の料理もあった。写真は宜蘭の海沿いのお店で食べたものだ。

【写真】2009年12月
【文章】2016年9月

台湾には温泉だけでなく冷泉もある 蘇澳冷泉

P1070385

 台湾には各地に温泉があることは、以前にも北投温泉の記事でも書いた通りである。

 ご存じの方も多いとは思うが、日本には温泉にかかわる法律として『温泉法』がある。そこでは細かに温泉の定義が定められているが、日本では25度以上のお湯が湧いているものしか温泉と言ってはいけない。25度未満のものを温めて風呂にする場合も温泉とは言えない。その場合『冷泉』や『鉱泉』と言ったりもする。

 台湾にも温泉法があると聞いたが、内容は詳しく知らない。知っているのは、温泉が国家のものである、ということが定められていることくらいだ。だが、台湾にもやはり日本とよく似た定義があるのであろうと思う。

 ここ宜蘭県の蘇澳には台湾でも珍しい冷泉がある。温度は22度とのこと。ちょっとの温度差で温泉の仲間入りができなかったのかも知れない。

P1070386

 訪問したときは12月で観光公園の施設は空いていなかった。夏季だけの営業で、プールのように楽しむらしい。近辺をブラリと歩いてみたが、稀に観光客らしき人が来る程度で、ひっそりとしていた。

 泉質は炭酸泉で、シュワシュワ弾けると説明書きには書いてあった。体感できなくて残念である。近くの売店にはこの冷泉の水を利用したサイダーらしきものが陳列されていたが、お店は開いていなかった。開いていたとしても寒い冬の日に冷たいサイダーを飲む気にはならないと思うが。

P1070388

 ピンボケ気味で恐縮だが、少し下流の方では洗濯している人がいた。炭酸が含まれていると洗剤が泡立たなくて困るのではないかと思うけれど、どうなのだろう。

【写真】2009年12月
【文章】2016年6月

  
プロフィール
管理人:坂木
ただ行けるところまで行ってみたい。何もなくても構わない。何もないことを見に行く。そんな性癖を勝手に最果(さいはて)志向と名付けた。
職業は会社員。休みのたびにあてもなくフラリ旅に出てしまう。



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