ブリーラム県ノーンローンの街のバスターミナルにて。この時はナコーンラーチャシーマー(コラート)に向かう西方面行きのバスに乗る予定だったが、このバスは北方面に向かうようだったので乗ってはいない。
なかなかカラフルな普通バス(エアコンがついていない一番廉価なバス)だが、よく見ると日野自動車のエンブレムの下にベンツのエンブレムがついている。いったいどこ製のバスなんだ。
もっと良く見てみると、ベンツのエンブレムはどうも角度が歪んでついている。私はバス車両には詳しくないが、恐らく元々日野のバスで、ベンツのエンブレムを後で付けたのであろうと思われる。両方後付けの可能性もあるけれど。
そういえば日野のエンブレムは新しく頭文字Hをモチーフとしたデザインになって久しい。でもスタイリッシュではあるけれどありきたりな今のエンブレムのデザインより、昔のこのエンブレムの方がちょっと古めかしいけれども私にはかっこよく思える。
考えてみると最近の日本の自動車メーカーのエンブレムは頭文字のものが多い気がする。トヨタはT、ネッツはN、マツダはM、スズキはS、ダイハツはD、レクサスはL、ホンダはH、アキュラはAをモチーフとしたデザインだ。私的にはスタイリッシュではあるものの、物足りなさも感じてしまう。個性というか、インパクトというか。
その点スバルの六連星は個性的でデザイン的にも私は好きだ。三菱自動車はご存じの通りの伝統の三菱マーク、良くも悪くもこれだよね、と思う。そういえば日産はNISSANもインフィニティもNやIをモチーフにしたものではない。NISSANは元ダットサンの太陽(日の丸)がモチーフである。インフィニティは言葉通りの無限の道と日本の象徴である富士山をモチーフにしており、私的には嫌いでない。
話は少し逸れてしまうが、そういえば日本の国鉄がJRになったとき、一番衝撃的だったのがエンブレムのダサさだった。国鉄時代のエンブレムはJapan National Railwayの頭文字JNRをモチーフとした美しいデザインだったのに、JRになったらゴシック体の文字が二つ繋がっただけのあまりに平凡なあのマーク。それが当時憧れだった特急列車の側面にデカデカと掲げられているのを見たときの衝撃とガッカリ感はいまだに忘れることができない。
もしかしたらお若い方はご存じないかも知れないので、国鉄のマークを紹介しておこうと思ったのだが、昔の鉄道写真をアルバムから探して、取り込んで、というのはさすがに面倒だし、そもそも良い写真があるかどうかも定かでないので、函館に展示されていた退役した青函連絡船の煙突にある国鉄のマークを下にアップしておく。ちょっと見えにくいのは勘弁願いたい。綺麗なのが見たい方はネットで探せばすぐに発見できると思う。
※エンブレムについては個人的な好みや感性を述べております。関係者の方、好みや感性が違う方、いらっしゃると思いますが、決してそれぞれを批評・批判しているわけではありません。ご了承くださいませ。
【写真】2005年8月 (函館の青函連絡船は2014年9月)
【文章】2016年7月