最果志向 ~放浪家坂木さんの足跡~

この数十年の放浪履歴を元に思ったこと・感じたことなどを訪問者の目線で綴る『旅エッセイ』ブログ。たまに自作の音楽の紹介。

ドイツ シュツトゥガルト Germany - Stuttgart

【坂木より】
2016年6月2日開設。現状一日1~2記事の更新です。皆様と『最果(さいはて)志向』と『漂泊の思い』を共有できれば幸いです。たまに昔作った音楽も公開しています。

ドイツで見たフランスの超特急TGVとシェンゲン協定

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 ドイツのシュツトゥガルトの駅に着くと、近くのホームでパリ行きのTGVが発車を待っていた。

 TGVは言わずと知れた、フランスの超特急である。子供の頃のことだが、当時世界最速だった日本の新幹線の最高営業速度が、ついにフランスのTGVに抜かれた、というニュースが、最初にTGVを知ったきっかけだったと思う。

 TGVはパリを中心としてフランス中を走っているが、ドイツ、スイス、イタリア、ベルギー、オランダなどの近隣諸国にも乗り入れしている。国境をまたぐ列車は一般に国際列車と呼ばれる。

 日本は島国であり、陸地での国境を有しないので、我々日本人には国際列車はあまりなじみ深くはない。だが、世界を見れば国際列車は結構たくさんある。例えばアジアに於いても、中国と北朝鮮、あるいはモンゴルとを結ぶ列車もあるし、以前紹介したシンガポール、マレーシア、タイとマレー半島を縦断するイースタン&オリエンタルエクスプレスもある。元は一つの国だった旧ソ連領の国々の間では、今では国際列車となり運行されている。

 他にもアフリカやアメリカーカナダ間、インドーパキスタン間などで国際列車は運行されているが、やはりヨーロッパでは国際列車の運行が盛んだと思う。これはやはりヨーロッパの国々が多く加盟しているシェンゲン協定の影響もあるのかも知れない。

 国際列車で国境を越える際、通常は国境の両側のイミグレーションで停車し、それぞれ出国および入国の手続きが必要である。だが、シェンゲン協定の各加盟国間であれば、国境検査なしに国境を越えることが可能である。これにより、日本で例えるなら県境を越えるような感覚で、国同士を往来することができる。

 加盟国はEUやユーロの加盟国とある程度共通するが、スイス等のEU非加盟でシェンゲン協定は加盟している国もある。イギリスはその逆でEU加盟国でシェンゲン協定は非加盟国であるが、2016年6月にEU脱退が国民投票で可決されている。ユーロ、EU、シェンゲン協定、といったヨーロッパの統一的な流れからイギリスだけが浮いているのだが、これも島国由縁なのか、とふと思ったりもするのだ。もちろんそんな単純なものではないのは承知しているが。

 もちろんシェンゲン協定には、誰にでもわかる致命的な弱点がある。入国審査は国や場所によって基準が異なるのだが、当然ながら少しばかり緩いところも出てくる。だが圏内に一度入ってしまえば、自由にどの国にも行けてしまう。どれだけ自国の審査を強化しようが、どうしようもなくなるのだ。2015年のパリや2016年のニースで起こったフランスのテロの記憶はまだ新しいが、ヨーロッパでテロ対策が難しいのはこういった事情もある。テロ対策の他にも、移民・難民問題も同じである。自分の国を守るためでも、一つの国だけでは決められないのだ。

 だが、そんな難問が多くあるにも関わらず、ヨーロッパが一体となって進めていこうとする精神は、私はすごいと思う。例えば経済におけるユーロの強さを見ても然りだ。諸国の通貨だけでは、ユーロほどの強さを持つことはできなかったと思う。それを踏まえて、アジアはどうだろう。昔戦争などがあったことは欧州もアジアも同じだが、アジアではまだいがみあっている国々が多いのではないだろうか。旧帝国が志向した「大東亜共栄圏により欧米列強と肩を並べる」という考え方を肯定するわけではない。武力による統一や制圧では、結局最終的には共栄はできなかったのだろう。しかし、アジアの未来を見つめて、きちんと共栄していくことは必要ではないか、と思ったりする。

 なんだか話が違う方向に行ってしまったので、とりあえずはこの辺りで。

【写真】2015年7月
【文章】2016年11月

ドイツの定番肉料理シュニッツェル

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 ドイツやオーストリアで食べられるシュニッツェルは、いわばドイツ風のカツレツである。写真のものはオーソドックスな仔牛のシュニッツェル。私はシュニッツェルとは牛肉で作るものだと思っていたが、実は豚肉や鶏肉などでも良いらしい。

 カットあるいはスライスのレモンが添えられていることが多く、山盛りのポテトと頂くのが基本的なスタイルのようだった。ドイツや北欧では寒さ故の穀物が育ちにくい土地柄で、特に飢饉のときにじゃがいもに何度も助けられており、じゃがいもが第二の主食と言えるくらいの位置付けだと聞いたことがあった。本当かどうかは知らなかったが、なるほどと思えるくらい、この料理だけでなく色々な料理でポテトが山盛りで出てきた。

 日本よりもキメが細かいパン粉を使用しているらしく、表面の食感はどちらかというと日本のカツよりも唐揚げに近い。またカツの衣が付いているものの、油で揚げているわけではなく、多めの油(たぶんラード)で焼いているようだ。油っこくなるが、それゆえにレモンが添えられているのであろうと思う。

 知らない人に例えて説明してみると、表面は唐揚げっぽい食感のカツの衣がついたステーキ、と言ったところだろうか。味は結構塩コショウなどで濃いめにつけられていることが多く、じゃがいもと合わせて頬張りながら、美味しいビールで流し込むと、幸せな気分だ。

【写真】2015年8月
【文章】2016年9月

ドイツのディスカウントスーパーLiDL(リドル)

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 ドイツのディスカウントスーパー、リドル。アジアには進出しておらず日本でもなじみはないが、ヨーロッパ諸国に多くの店を持ち、特にドイツではおなじみのディスカウントスーパーである。ドイツ国内では3000店以上、フランスで1000店以上、スペインやイタリア、イギリス、ポーランドなどでそれぞれ500店以上も構えている巨大チェーンだ。

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 店内は日本のディスカウントスーパーなどと似た光景である。ただレイアウトは少し考え方が違うようにも思えた。日本を含めアジアの多くのスーパーでは商品カテゴリごとにエリアを成し、ある程度関連性なども考えて配置されている。Lidlでは例えば生鮮・チルドが店の一番外側にあたる周囲に冷蔵庫がグルリと配置されている、といった具合に、お客の見やすさよりも配置の効率のほうを優先させているように思えた。はじめは戸惑ったが、慣れると別にそれも不便には思わなかった。

 レジは、欧米によくあるコンベアに自分で乗せる方式だ。次の人との商品と混ざらないように、自分の商品をコンベアに乗せ終わったら、区切りのしるしを最後尾に乗せる。

【写真】2015年7月
【文章】2016年9月

ドイツではタクシーがベンツなのも、日本ではドイツ車が異様に高いのも有名な話

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 タイトルの通りだが、ドイツではタクシーはベンツが多い。ドイツに初めて降り立ち、空港のタクシー乗り場にベンツがずらりとならんでいるのを見ると、なかなか圧巻に思えた。写真では見えにくいが、ちゃんとタクシーおなじみの提灯が載っている。そういえばこの提灯って、海外ではなんというのだろう。

 ドイツでのベンツの値段は、日本で日本車の高級サルーンを買うのと同じくらいだったはずだ。しかし日本でドイツ車を買おうとすると、その価格設定はおかしいくらいに高いように思える。アメリカではだいたい日本の半分程度、欧州はその中間くらいの価格設定が多いと思う。

 その理由として、日本の品質水準に合わせるためにはコストがかかる、などと言われているが、本当だろうか。単純に価格設定が高くても売れるからだと思わなくもない。ではなぜ価格設定が高いのに売れるのか。確かに品質というのもあるだろうし、好みの問題もあるが、それだけではないかも知れないと個人的には思っている。

 とはいえ、ドイツ車を所有している私が言えた義理ではない。私は合理主義者なほうだと思うし、基本的にValue for Moneyでないとお金を払う気がしない。本当はわざわざ外車に乗りたいとは思っていないが、以前の記事にも書いた通り、需要に見合ったクルマが他になかった結果であることはお断りしておく。

【写真】2015年7月
【文章】2016年8月
  
プロフィール
管理人:坂木
ただ行けるところまで行ってみたい。何もなくても構わない。何もないことを見に行く。そんな性癖を勝手に最果(さいはて)志向と名付けた。
職業は会社員。休みのたびにあてもなくフラリ旅に出てしまう。



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    2016/6/2開設