ラオスの首都ビエンチャンからメコン川を下って150㎞ほどのパークサンにて、対岸のタイのブンカーンへの渡船の出発を待っていた時のことである。
対岸のブンカーン側で一斉にぞろぞろと車が並び始めた。不思議なことに、似たような車ばかりに見えた。
何事だろうと思ってみていたが、どうやら中古車をラオスに運ぼうとしているようだった。よく見るとほとんどトヨタのピックアップトラック、ハイラックスのようだ。東南アジアでは日本の自動車メーカーのピックアップトラックは非常に人気がある。
今ではどうかわからないが、当時ラオスでは自動車製造は行われておらず、そもそも街中であっても車は非常に少なかった。また社会主義国家ゆえの規制などもあったのだろうと思うが、新車のようなピカピカの車を見かけたのは大使館周辺くらいのもので、首都ビエンチャンでさえ稀有であった。
こうやって小規模に非効率とも思える方法で運ばれているのを見ると、いろいろな意味で興味深い。
【写真】2007年4月
【文章】2018年5月