最果志向 ~放浪家坂木さんの足跡~

この数十年の放浪履歴を元に思ったこと・感じたことなどを訪問者の目線で綴る『旅エッセイ』ブログ。たまに自作の音楽の紹介。

パンダ紀行

【坂木より】
2016年6月2日開設。現状一日1~2記事の更新です。皆様と『最果(さいはて)志向』と『漂泊の思い』を共有できれば幸いです。たまに昔作った音楽も公開しています。

台湾とパンダと政権

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 台湾でもパンダは人気がある。ただしここで言うパンダはジャイアントパンダのことだとご理解頂きたい。台北の動物園でもパンダに会える。街中では写真のような看板も見つけた。とはいえ、パンダは中国の象徴的な動物の一つではあっても、台湾で象徴的とは言えないと思う。

 そもそもパンダは中華圏全域に生息するわけではない。中国の中でも、四川省などの限られた極々狭いエリアに生息しているだけだ。だから台北の動物園にいるパンダも、元々台湾にいたものではなく、中国から寄贈されたものである。

 ご存知の通り、中国はパンダを外交カードとして使っており、『パンダ外交』などと揶揄されている。日本に初めてパンダがやってきたのは私が生まれる直前、1972年の日中国交正常化を記念してのものだった。台湾にパンダがやってきたのは、日本と比較すると非常に記憶に新しい話で、確か2006年のことである。

 中国と台湾(中華民国)とのバランスは非常に微妙である。そもそも中国は台湾を国とは認めていないし、台湾でも常に親中派と対中派が議論を戦わせている。中国がパンダの贈呈を決めたのも、いわゆる対中派である民進党の陳水扁政権への揺さぶりと言われている。ただし台湾と協議して決まったわけではなく、中国の一方的な発表だったので、受け入れ態勢の問題などもあり、台湾では大きな話題になった。

 揺さぶりが直接的に功を奏したのかは定かでないが、それから2年も経たない2008年、8年続いた民進党政権から、親中派の国民党に政権が戻る。そしてさらに8年後、次はもう一度民進党に政権が移り、中華圏初の女性指導者、蔡英文政権が誕生する。

 愛らしく人気者のパンダであるが、それを飼育したり、自然淘汰から保護したりするのも、そもそも人間のエゴなのかも知れない。そして彼らとはなんら関係のない国同士の駆け引きに使われるというのもまたエゴなのだろうと思う。その善悪は私にはわからないが。

【写真】2010年1月
【文章】2018年8月

熊猫と大熊猫と小熊猫

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 昨日の記事でも紹介しているが、日本でパンダと言えば、普通は上の写真のような白黒の熊のような動物を指す。これは日本に限った話ではない。中国でも熊猫(=パンダ)と言えば、ほぼこれを指す。

 しかし昔はパンダ(熊猫)と言えば、この動物を指していたのではなかった。それだけでなく、実は現代においても、我々は一般的にパンダと呼んでいるが、本来はジャイアントパンダと呼ぶべきで、厳密に言えば正しいとは言えない。

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 元々、パンダ(熊猫)はこのレッサーパンダを指していた。まだ白黒のパンダが見つかっていなかった頃は、これだけがパンダだったのだ。パンダの名の由来は、現地語で『竹を食す者』という言葉が訛って付いたものだと聞く。

 後に白黒のパンダが発見されてジャイアントパンダと名前が付けられ、特徴的な体毛の配色からジャイアントパンダの方が有名になり、元々のパンダはレッサーパンダと呼ばれるようになってしまった。以来、パンダという呼称は、これらの二種の概念上の総称(※)を指している。
※生物学的な分類の括りではない。

 中国に於いても、本来は熊猫が二種のパンダの総称、大熊猫がジャイアントパンダ、小熊猫がレッサーパンダを指す。

 レッサー(lesser)というのは『小さい・少ない』という意味であるが、若干『劣っている』という蔑称的なニュアンスを含む言葉である。俗語で言うと『ショボい方の』みたいな感じだ。レッサーパンダにすれば、勝手に比較されて勝手に冴えない方にされて、いい迷惑である。

 写真は両方とも四川省成都のパンダ繁殖研究基地にて。

【写真】2012年8月
【文章】2018年5月

だらしない大熊猫とエラそうな猩猩 杭州動物園にて

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だらしない大熊猫(パンダ)。

確かに8月で暑かったのだけれど。
 だらけてるし、汚れてるし。

動け~。笹食え~。元気出せ~。

杭州動物園はパンダのブースでも
人がほとんどいなくて超穴場だった

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エラそうな猩猩(オランウータン)
ダンディにも見える。

ガラス越しなのと安物カメラにつき、
画像の乱れはご容赦頂きたい。

類人猿というだけある。
風格さえ漂わせているようだ。

【写真】2008年8月
【文章】2018年5月

成都の繁華街のパンダグッズ専門店

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 パンダと言えば中国。しかし中国全域に生息しているわけではない。いや、中国の大きな都市の動物園に行けば会えるが、実際の生息地は広大な中国の中でも、ごく限られた地域である。

 四川省はその生息地の一つである。四川省に於ける実際の生息地はチベットに近い山が連なる地域であるが、省都である成都の郊外にはパンダ研究施設もあり、観光客も多く訪れる。

 成都の繁華街をブラリと散策しているとパンダグッズの専門店があったので、少し覗いてみた。ちなみに、我が家にも紹介しきれないほどたくさんのパンダグッズがある。

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 中国のどこにいっても、空港や土産物屋などでパンダグッズを置いているのは珍しいことではない。しかしさすが成都というべきか、グッズのバラエティの豊富さはなかなかのものだった。

 店員さんもパンダ模様の服を着ていたりして可愛らしい。※写真で2人ほど後姿が写っている。

【写真】2015年1月
【文章】2018年1月

四川省らしいパンダ柄の路線バス

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 昨今では、中国の街中で見る路線バスや高速バスは、日本のそれらのバスと比較してデザインや性能でも大差ないと思う。大都会が最新式で、少し田舎に行けばちょっとオンボロのバスが走っていたりするのも同じだ。

 だが写真のバスはちょっとデザインが変わっていた。観光バスやチャーター便ではなく、普通の路線バスであるが、恐らく走っている路線の数は多くはないようだ。写真は都江堰から青城山まで乗ったものである。

 バスは低床タイプの比較的新しいものだ。全体が白地で、後ろは無地、横には四川省らしく可愛いパンダが描かれている。ラッピング広告などは見当たらない。

 なんだかシンプルかつモダンな印象を受けた。日本でも中国でも、路線バスってもっと一目で路線バスらしい、色付のライン模様などですぐに認識できるようなものだと思うが、これはこれで面白い。

 ただし、こんなデザインを各バス会社が採用すれば、模様でどこのバスか認識できていたのが、わからなくなる。あの一目で路線バスっぽいと思える、あまりセンスが良いとは言えない模様にも、実用性が存在するのだと気付かされる。

【写真】2014年12月
【文章】2017年3月
  
プロフィール
管理人:坂木
ただ行けるところまで行ってみたい。何もなくても構わない。何もないことを見に行く。そんな性癖を勝手に最果(さいはて)志向と名付けた。
職業は会社員。休みのたびにあてもなくフラリ旅に出てしまう。



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    2016/6/2開設