最果志向 ~放浪家坂木さんの足跡~

この数十年の放浪履歴を元に思ったこと・感じたことなどを訪問者の目線で綴る『旅エッセイ』ブログ。たまに自作の音楽の紹介。

旅先グルメ(食べ物/飲み物)

【坂木より】
2016年6月2日開設。現状一日1~2記事の更新です。皆様と『最果(さいはて)志向』と『漂泊の思い』を共有できれば幸いです。たまに昔作った音楽も公開しています。

タイ・スリンの日本式餃子店「スリ餃子」

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 タイ東北部スリンの街にあった餃子のお店、その名も「スリ餃子」。なぜ「スリン餃子」ではないのかはわからない。カタカナ表記されているので、日本風の餃子を出すお店だろうか。

 ご存じの方もいらっしゃると思うが、餃子はもともと中国から日本に伝わっているものの、現代では日本の餃子と中国の餃子は別物とも言えるほど異なる。詳細はこちらでは割愛するが、中国では日本の餃子は「日式餃子」と呼ばれ、日本料理の店で食べられているのが通例である。

 前を通りかかった時はそれほどお腹が減っていなかったのだが、日本の餃子を出すお店であるなら珍しいと思うので、入ってみることにした。

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 6個65B(270円程度)、日本と変わらないくらいの値段だ。ドリンクと合わせると100Bは軽く超えるし、トッピングやらディップソースやらつけたり、6個じゃ少ないからと増やしたりすると結構なお値段になる。タイの軽食の値段と量の相場からすると、少し割高かも知れない。

 そう、スリ餃子にはトッピングやディップソースの追加オーダーができる。日本では餃子にトッピングするようなことはあまりない気がするし、餃子のタレの他につけるものと言えば辣油あたりが定番だが、スリ餃子ではチーズ、トビッコ(タラコの代替か?)、麻辣、お好み焼き、の4種のトッピング、あるいはわさびマヨやトビッコマヨのディップの追加が頼めたりする。


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 それほどお腹が減っていなかったこともあるので、トッピングやディップは追加せずに、シンプルな餃子とドリンクだけを注文。タレの他に千切りキャベツが付いてきた。

 タレは少し酢の酸味が強かったが、オーソドックスな和風の餃子のタレに近い。

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 餃子は外側はカリッとして、お手本のような餃子。自宅で作る手作り餃子の味にも近い。しっかりとしたニンニクの味は私の好みだ。

 バンコクから遠く離れたタイの地方都市の日本風餃子店、期待よりも好奇心で入ったのだが、なかなかに美味しくて正直驚いた。絶品とまでは言えないが、日本で普通に餃子店や中華料理店で出て来てもおかしくない。

 こんなのがスリンで食べられるのも、インターネットによる情報化のもたらしたものなのかも知れない。しかし情報化やデジタルのテクノロジーがさらに進化し、世界が画一的になってしまったら、もはや旅をする必要も動機もなくなってしまう日が来るのかも知れない。実際、Webミーティングが普及し、対面での会議をする必要が少なくなっている。餃子をほおばりながら、こんなことを考えてしまう私であった。

【写真】2023年8月
【文章】2023年8月

タイ南部ハジャイの肉骨茶(バクテ)

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 昨日の記事で肉骨茶に少し触れたので、そういえば、と思い出を掘り起こした。

 あの日はマレーシアのペナン島・ジョージタウンを出発して北上し、国境を越えてタイ南部ソンクラー県のハジャイの街にやってきた。まずは投宿して一息ついたところで、もう昼時を少し過ぎようとしていた時間でお腹も減っていたので、宿のすぐ前にあった食堂で遅めの昼食を頂くことにした。

 その食堂は肉骨茶(バクテ)が一番のウリのようだった。以前の記事で書いたことがあったかも知れないが、肉骨茶はマレーシア発祥の料理で、シンガポールではソウルフードの一つとも言える、豚のスペアリブを薬膳系のスープで煮込んだ料理である。スープとご飯と一緒に食べるのが基本だ。

 シンガポールでは結構食べ歩いたものだが、感覚的には日本のラーメンに近い、と私は勝手に思っている。大きくは塩系と醤油系にわかれるようだが、各店で味は少しずつ異なり、人々もあちらが美味い、こちらが美味しいと評価も様々。中には人気店や名店もあり、老舗から新進気鋭まで鎬を削っている。

 タイの普通の食堂で肉骨茶を出しているところはあまり見かけなかったが、やはりタイ南部のマレーシアと国境を接している周辺ではマレーシアの文化も色濃く混じっているのだろう。以前の記事でも触れたとおりである。



 肉骨茶は大抵ニンニクがガツンと効いていることが多いが、こちらの肉骨茶は大きなニンニクが丸ごと原型を残したままでやってきた。理由は知らないが、確かにニンニクは皮を剥かないで入れたほうがかなり美味しい。美味しくてもちろん完食したが、鼻血が出そうだった。

 ちなみに、家でも何度か肉骨茶クッキングは挑戦した。日本の一般的なスーパーで手に入る食材や調味料を用いて、現地の味に近いと満足できる程度のものは自宅で作れるようになった。レシピは残してあるので、興味のある方は以下の記事をご参考まで。(私の別ブログ)


【写真】2018年11月
【文章】2023年8月

薬膳スープのクイッティアォ

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 タイ東北部ルーイ県のチェンカーンの街で食べた、薬膳系のスープのクイッティアォ。タイに行ったことがある方ならご存じだろうし、以前の記事にも書いたことがあるとは思うが、クイッティアォはタイ全土の屋台などで食べられる米粉ベースの麺のこと。

 スープもオーソドックスなナムサイ(透明スープ)、トムヤムスープ、豚の血が入ったスープなど多彩だが、こちらは薬膳系。見た目は黒くてナムトック(豚の血入りスープ)を思わせるが、強いコクや舌ざわりはない。豚骨ダシ+醤油をベースに、八角やシナモンなどのスパイスが強く効いている。シンガポールの名物、肉骨茶(バクテ)も、大きく透明ダシスープ系と黒い薬膳スープ系に分かれるが、その薬膳スープ系と似ている気がした。

 なんとなく太麺を注文したのだが、クセが強いスープとうまく合っていたと思う。

 ここでは関係のない話ではあるが、ナムトックは直訳すると滝(ナム=水、トック=落ちる・降る)。なぜ豚の血入りのスープをナムトックというのだろう。

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 お店はチェンカーンのウォーキングストリートに面したお店。とりあえずお腹が空いて、お店を検索したり探し回るのも面倒で、通りかかったお店にフラリと立ち寄ったのだったが、悪くはなかった。


台湾の棺桶パン

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 台湾南部の台南に、官材板と呼ばれる名物グルメがある。以前は台南周辺でしかあまり見なかったように思うが、最近では台湾各所の夜市の屋台でも売られているようだ。

 以前に台南で食べたことがあったが、その時は写真を撮りそびれた。しかしなかなかに忘れえぬ味で、台湾南部に行ったら再挑戦してやろうと決めていた。そして高雄の六合夜市で見かけたのが写真の屋台だ。

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 官材板は、食パンを揚げて中身をくり抜き、そこにホワイトシチューに似た具を詰めた、屋台グルメである。官材は棺桶のことで、その形状を示しているとのこと。板は、おそらくパンという発音と平たい形状とを掛けているのだろう。棺桶パン、なかなか斬新というか、あまり食べ物につける名前ではないと思うが、その違和感がまた印象深い。

 前回は官材板の写真を撮りそびれたが、今回もピントがぼけてイマイチだ。コヤツとは相性が悪いのかも知れない。だが私の写真は単に記憶を呼び戻す鍵としての記録なので、とりあえずこんなものでも十分だ。

 気になるお味は…もう一度食べたいと熱望していたほどのものではなかった気がした。美味しくなかったわけではないが…あれ?こんなもんだっけ。まぁたいてい良い思い出というのは、事実以上に美化されているものだ。

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 どうやら過去には、この屋台に馬英九さんがいらっしゃったらしい。総統時代なのかどうかはわからない。

【写真】2023年5月
【文章】2023年7月

厦門の蚵仔煎(牡蠣のオムレツ)

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 蚵仔煎と言えば、日本では台湾名物の牡蠣のオムレツとして知られている。台湾の夜市や食堂街に行けば、見かけないことはないと言ってよい。

 ただし台湾の料理の多くは中国大陸から来たもので、特に台湾島に近い海岸沿いの潮州や福建省をルーツとするものが多い。したがってそのあたりで同様の料理を見かけても、決しておかしいことではなく、むしろオリジナルに近い可能性も高い。

 福建省の厦門の街でも、メニューに蚵仔煎を挙げているお店を多く見かけた。旅先では大当たりの可能性が頭を過ぎってしまい牡蠣を食べるのを控えることが多いのだが、やはり台湾と違うのかどうか、興味のほうが勝ってしまったので、一度食べてみることにした。

 見た目はよく似た感じだったが、少し違うのは、台湾のもののように片栗粉のような粉が入っておらず、純粋に卵焼きに閉じ込めただけのようだ。そのせいで食感が異なるだけでなく、味もしっかりしているように思えた。上にかかるソースも台湾ほど甘酸っぱくなく、それが牡蠣の味を余計にしっかり感じさせる。これはこれで悪くない、どころか、こちらのほうが美味しいかも。

 色々な場所を訪れると、文化の繋がりに気付くこともある。新たなモノに出会うと、今まで見てきたモノの見え方が変わったりもする。一つの事や物等を極めるのも良いが、その周囲や他を知ることで、繋がりを発見したり視野を広げたりすることも大切なのだろう。

【写真】2019年1月
【文章】2019年11月
  
プロフィール
管理人:坂木
ただ行けるところまで行ってみたい。何もなくても構わない。何もないことを見に行く。そんな性癖を勝手に最果(さいはて)志向と名付けた。
職業は会社員。休みのたびにあてもなくフラリ旅に出てしまう。



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