タイはいわゆる古式マッサージ、伝統的なマッサージなどもあり、首都バンコクでも随所にマッサージ屋が見受けられる。そんなバンコクのとあるマッサージ店。
ご丁寧に日本語訳もつけてくれている。バンコクは旅行者も含めて日本人も多いので、利用者もそれなりに居るのだろう。
どれどれ…ん?
『マッサージを導いて、背負ってください』
これは何だ?
他の日本語訳はなんとなくわからないわけでもないが、ここだけなぜか文章になっている。
よく考えてみるとわかった。おそらく『Head』を『頭』ではなく『導く』と訳し、それにともなってandで結ばれる『Shoulder』も『肩』ではなく『背負う』と訳したのであろう。
つまり典型的な機械翻訳の誤訳だと思われる。混乱させるだけの日本語なら、むしろ無いほうが良いと思わなくもない。
とはいえ、善意の結果であろうとは思うので、別に非難するわけではない。ただ不思議なのは、なぜこうやって掲げてしまう前にどこかで気が付いて歯止めがかからないのか、ということである。この訳だけ妙に長かったら、何かおかしいと思うのが普通だと思うし、逆翻訳をかければすぐにわかるはずだろう。発注者や印刷者の承認ルートの中でチェックをしていないのも、私からすると不自然である。恐らく仕事のやり方なども文化の違いというものがあるのだろう、と感じる。
【写真】2018年12月
【文章】2018年12月